バレンタイン番外編を書きたいが時間がががががが…
あっ、ついでに第6話です。どうぞ
突然ですか私、常陸 茉子には好きな人がいます。
その人ーー写田 大則くんはいつもふざけているくせに、人に嫌われたくなくて、繊細で、友達が大好きで、誰にも不幸になって欲しくなくて、そして何より……
"誰よりも優しい"、そこが私が彼のことを好きな最大の理由で、そして…それが彼を縛っていることに気づいているのに何の力にもなれない、そんな自分に嫌気がさします。
ねえ、ヒロくん、あなたあなたはいつもそうです、誰よりも苦しんでいるのにそれを周りに悟らせない
ねえ知っていますか?あなたは何か辛いことがあると右手を握るクセがあるんですよ…
そんな我慢ばかりのあなたを、支えられる人に私はなりたい。
人の多い境内で握りしめられた右手を見たときその時改めてそう思いました。
てっ、えっ!!ヒロくん!?
顔がっ、顔が近いですっっっ!!
★
腕の中の茉子は顔を赤くしながら借りてきた猫のように肩を丸めながらじっとしている。
そんな二人の会話は
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
無言、圧倒的無言!!!!
そりゃそうだよね!いくら幼なじみとはいえこの距離だとさすがに意識しちゃうよね!!
て言うか、肌白っ!しかもスベスベ!これが穂織の温泉の
「おろ??」
突然、朝武さんに犬の耳が生えた。前回のお祓いから、ひい、ふう、みい……あぁ、もうそろそろだな。
「ヒロくん」
「ああ、分かってる」
茉子も気づいたらしく俺に声をかけてくる。
…俺には穢れを祓うチカラは無いけどあの日立てた誓いのために、やれることをやろうそう決めている。
「茉子、今日行くのか?」
「いえ、今日は春祭りですし比較的遅くまで出店が出るので明日になると思います。幸い芳乃様の耳はすぐに収まったので」
「分かった、準備しておく。」
「ヒロくんは今日、どうするんですか?」
と俺が明日の準備について考えていいると茉子が声をかけてきた。
「ん?、ああ、今日は一応裏山の結界の確認に行く。」
「では、私もご一緒しても良いですか?」
と、茉子がそう言ってきた……
えっ!?結界って何かって?、実は俺ん家、何百年も続く由緒正しい結界術師の家柄なんだぜぃ ぶい。
まあ、結界術師と言ってもほとんど建実神社の裏山から穢れが人里に出ないようにしている結界の管理が主な仕事のなんちゃって結界術師だけどね。
けっして、結界で妖怪を囲んで滅したりして、ヤバイ森に誘われて今宵もショータイムしたりはしないのである。
「いいけど、夜遅くなるかもしれないぞ」
「別に構いませんよだって…」
そう言った後、茉子が俺を見上げながら
「どうせ家隣ですしね♪」
と言ってカラカラと笑いかけてきた。
「た、確かに!」
言われてみれば家となりだから往復送り迎え付きみたいなもんだしなと内心頷いていると
「まあ、あと付け加えるならば、夜一人でだれも居ない道で後ろに向かって『ふっ、そこに居るのは誰だ!出てこい!』って言っているのを目の前で見てみたいってのもあります。」
と突然俺のメンタルにリバーブローを食らった。
「まっ、茉子っ!?一体いつそれをっっっ!!」
「つい最近です。家の前の路地でしたら聞こえますよ。これ忍者からの教えです。」
「ち、違うっ!あれはそのいわゆる発作というか、なんと言うか…というか忍者関係なくね!!」
「いや~今思いだしても真剣な顔で後ろ向いた後、突然恥ずかしくなったのかキョロキョロしながら足早に家に帰るのは何度も思いだしても、ぶふっ、いやっ…あれはっ傑作でしたっ……くっ…もうダメっっ笑わせないで下さいよっっっ!!もうダメ、お腹痛い…」
と茉子は肩を震わせながら目尻に涙を浮かべて笑っていた。
「も、もう勘弁してしてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
とよく晴れた青空に一人の男の情けない声が響き渡った。
★
先ほど舞台の脇で見た銀髪美少女の舞が終わり人が疎らになってきた頃、俺は一つ大きく息をついた。なかなかここまでの人混みは比較的都会に住んでいると自負している俺にとっても中々体験出来ない人混みだった。
「まー坊、もうそろそろ人も少なくなってきたし、玄十郎さんの所に行こうか。」
と、芦花姉が胸に抱えている荷物を抱え直しながらそう言う
「あっ、荷物重いなら持つよ?」
抱え直していた荷物が重そうなだったので俺がそう提案すると芦花姉が意外そうに目を見開いて
「まー坊のクセに生意気だぞ~」
とニヤニヤしながら右手の人差し指を俺の頬に当ててきた、普通のことを言ったはずなのにあれ、なんかそこはかとなく照れるぞ!
えっ、荷物持つのって普通のことだよ…な?と内心自信が無くなりつつ芦花姉につつかれていると
「あれ、お姉ちゃん??」
と、俺の後ろから懐かしい声が聞こえてきた。
「ん?やっほー、小春ちゃん…あれ?廉太郎は?」
「ああ。廉兄なら…」
「おーい、小春、どうかしたのか…って芦花姉」
「廉太郎もやっほー」
「そんなことより、横にいる人は誰!もしかしてお姉ちゃんのいい人!?」
「兄貴に向かってそんなこととはなんだ!」
そんな廉太郎のツッコミを華麗にスルーし小春は興奮ぎみに芦花姉に詰め寄る。芦花はその剣幕に少し引きながら
「ち、違うよ。小春、廉太郎、この顔に見覚え無い?」
と言いながら俺の背中をグイッと押して二人の前に押し出す。
「「ん?」」
と二人の言葉がハモった。変なところで息がピッタリなのを見るとやっぱこの二人は兄弟なんだなと微笑ましく思う
「あれっ、どっかで…」
と小春は頭を抱えてうーん、うーんと思いだそうとしている。少し保護欲が刺激される…小動物のようだ。
「バカ小春、どっからどう見ても将臣だろ。」
すぐに思い出せ無かった小春に対し、廉太郎はすぐ気づいたようだった。
「うん、そうだよ。廉太郎、小春、久しぶり。」
「ムカッ、バカってなにさこのバカ兄…
コホン、お兄ちゃん久しぶり、背も大きくなってて気づかなかった…ごめんね。」
そう言いながら小春は上目遣いで謝ってくる
「小春は悪くないよ、長年帰って来てなかった俺も悪いし…」
長年色々な理由をつけて穂織に帰らなかったことに若干の罪悪感を感じる。
「ほんと、将臣でかくなったな。ひょっとしたら身長は俺の方が大きいんじゃないかと思ってきたが、同じぐらいか?」
「中学の時に一気に背が伸びたんだ。それこそひざが痛くなるくらい。」
「ああ、俺もなったなった。ひどい時は寝づらいぐらいに痛くなるよな。」
と廉太郎と成長痛あるあるで盛り上がっていると
「ほんと、廉太郎もまー坊もまさか私が二人を見上げることになるとはね、二人とも小生意気な。」
と芦花姉は俺たちの頭をパシッと叩く。
「はぁ、二人の頭に手を届かせるのもギリギリか…時が経つのは早いなぁ。」
と芦花姉はしみじみと言う
「そんなこと言ったら俺は芦花姉が
そう廉太郎は右手に持った舟から最後のタコ焼きを食べながら言う。って、社長!?
「芦花姉、今経営者なんてやってるの?」
「うん、まあね。経営者って言っても実家でお母さんやお父さんと相談しながらやっているからそんな大層なものじゃないよ」
そう芦花姉は苦笑いしながら言う。俺からすればそれでも十分すごいと思う。
「ねえねえ、三人で盛り上がっているのもいいけど、もしかしてお兄ちゃんおじいちゃんに会いに来たんじゃないの?」
「あっ、そうだった。小春、廉太郎、じいちゃん何処にいるかな?」
と、小春がおもむろに聞いてきた。そうだ、久しぶりに従兄弟に会ったのが思ったより楽しくてすっかり忘れていた。
「本殿の方に居ると思うよ。さっきまで一緒にいたし。」
「じゃあ、行こうぜ」
そして、玉砂利を踏み鳴らしながら先を行く記憶よりも大きい背中を見ながら俺は本殿の方へ歩き出した。
今回やっと主人公の設定を少し出すことができました。これからも少しずつ出していこうと思います。
6話まで読んでいる人ならもう薄々気づいていると思いますが、自分の小説の話の進み具合はハッキリ言って他のと比べると遅いと思います。一応この先の展開とか何となくプロットは出来ているので気長にお付き合い下さいm(_ _)m
読んでみたい話を教えて下さい。※需要調査も兼ねてます
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