ユウキSAOにてリスタート!   作:ワンパンチマン

2 / 2
アスナの想い

アスナと一緒に始まりの町を出て現在野犬を二人で狩っていた。あの後話しているとアスナはMMORPGのフルダイブでの戦闘はしたことがないらしくボクがレクチャーすること3分弱。最初こそ怯えていたけど今ではソードスキルのリニアーを連発して野犬をオーバーキルしていた。速すぎる上達に少し頬が緩くなるのを我慢しながらアスナに聞く。

 

「ねえアスナ」

 

「何?ユウキ」

 

キュイーンというモーションの音にも聞きなれながら野犬にリニアーで攻撃しながらアスナは返事をする。

 

「いや毎回ソードスキルのリニアー使ってるけど相手のHPを見ながら攻撃した方が良いんじゃないかなって思って」

 

「え?」

 

心底意味がわからないという言葉を発しなくてもアスナの表情で伝わった。

 

「相手のHPがレットゾーンに入ってるからソードスキル使わなくても倒せるんじゃないかなって」

 

「確かに倒せるでしょうね」

 

「なら」

 

「でも、どんな倒しかたでも同じでしょ?」

 

殺されてしまうゲーム内で敵に対して同情したのはボクが初めてだろう。

 

「で、でもソードスキルは隙が大きいから囲まれたときは危ないよ?」

 

本来なら溜めの大きいソードスキルは隙が出来る。だけどアスナの持ち前のセンスなのか勘の良さなのか分からないが全ての攻撃を避けながら攻撃を浴びせるという離れ業をしている。ゲーム内であっても集中力をかなり使っている筈なのに息一つ乱れていないのは流石としかいえない。

 

だけどこれからの戦いで相手も強くなっていく、そんな中でソードスキルのみで勝つなんてことできる筈がない。

 

「その時は、その時よ...」

 

どこか哀愁漂う雰囲気のアスナが口にする。最初にアスナと出会ったときには感じられなかった余裕の無さが今のアスナには感じられた。

 

剣を振るう度に焦燥が此方にも伝わってくる。でもそれは恐怖心からきてるもじゃない、もっと深い焦り。

 

「その時はって..アスナは死ぬつもりなの?」

 

「...ねえユウキ。この世界に来て始まりの町から出られずなにもしないままの人達って全体のどれくらいいると思う?」

 

ゲームが始まってから2日目が過ぎていた。ボク達みたいにすぐにレベルを上げようと考えて動ける人は少ないと思う。それにちらほら見えたけど小さい子供だっていた。そんな子達が死を乗り越えてゲームを出来る筈がない。そんな子供がいるとしたら狂気に満ちているか狂っている。

 

ボク自身こんなにも速く動けたのは、一度命を失っているという経験が大きい。それにもっと大事なことは、踏み出さなきゃなにも変わらない。動かなければ生きた証を残すことが出来ない。それじゃ生きた証を残すことが出来たボク自身に顔向け出来ない。

 

「多分...半分くらいじゃないかな」

 

この数は正しくないだろう。でも間違ってもいない筈でもあった。

 

「そうね。このゲームの参加者の人数がおよそ1万人。家族がナーブギアを外そうとして無くなってしまった人は100人はいたそうよ。これはアルゴから聞いたから間違いないわ」

 

アルゴは嘘の情報や裏の取れない情報は絶対に売らないと言っている情報屋でありそのアルゴが言っているのなら間違いないだろう。

 

「そして現在もゲームオーバーになっていくプレイヤーが後をたたないわ。その殆どがβテスターと言われているけど、こんな世界になってしまったのならβテスターである彼等の力は必要だと思うわ。でも減り続けていく。それも第一層というこの場所で。ユウキはどうしてだと思う?」

 

「βテスターがやられている理由。恐らくモンスターの攻撃パターンが変わっているんじゃないのかな?第一層の相手なら嫌ってほどレベルを上げるために戦っている筈だし」

 

「そう。そしてこれから戦いはもっと激化してくると思うわ。そのうち上層と呼ばれる人達、中層と呼ばれる人達が出てくる」

 

アスナの言っていることは間違いなく起こる。死を乗り越える速さは等しくない。SAOは完全レベル制のMMORPG。これはレベルを上げれば上げるほど強くなり逆に上がっていなければ弱いということ。簡単であり簡潔。それ故に差が出来る。

 

プレイヤーのスキルも多少は関係する。でもそれはレベルが拮抗している状態でのみ意味を成す。レベルが10離れていれば恐らくゲームをやり混んでいる人でも素人に負けることだってあるだろう。それがこのゲームの理不尽さでもある。

 

「その時に攻略をしている人達は何人いると思う?進めば進むほど攻略に加わっていない人達は?余計に圏外に出るプレイヤーも減ると思うわ。それにボスと戦って心が折れるプレイヤーだって出てくると思う。まだ第一層のボスとも戦っていないから5000人ものプレイヤーが圏外に出て戦っているけどいずれは100層までなんて無理だって思う人達も出てくると思う」

 

「なら...ならどうしてアスナは戦うの?」

 

「私が、私でいるため。元の世界に帰れないと分かっていてもただ時間を浪費して始まりの町で腐っていくくらいなら戦って最後まで私のままで死にたいから」

 

そっか、アスナはキリト達と出会った事で変われたんだね。ボクがスリーピング・ナイツの皆に会って変われたように、そしてアスナに会って救われたように。それなら。

 

「ねえアスナ」

 

今度はボクが恩返しする番だよね。

 

「ボクと勝負しようよ」




感想を貰えるとやはり嬉しい!書いてよかったと思えますね!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。