辿り着いた末路   作:エスカリボルグ

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今回は、Dies irae から一人ゲストが来ております。

後、少々オリジナル設定がございます。
それが嫌だ、苦手だという方はブラウザバックして下さい。


3話

~まどか視点~

 

「……あれ?ここはどこ?」

 

目が覚めると何故か見覚えのある暗い空間にいた。だが、見たこともない場所なのに見覚えがあるのは何時もの事なのだが……。

 

「私はここに来る前に何をしていたんだっけ?」

 

そう。ここに来る前に何をしていたのかが全く思い出せない。

自分の名前、小さい頃のこと、家族構成、友達の名前等は覚えているが、今日が何日で、昨日は何をしていた、一昨日はこんなことをした、明日は何をするつもり。

そういう普段の事について、いくら考えても思い出せないのだ。

制服を着ていることから学校に行くつもりだった、または行ったであろうことは推測出来た。だが、そこまでしか分からない。

普通だと、そこで自分の記憶を整理して思い出そうとするのだろうが。

 

「かといって思い出せない事に対してずっと考えていても仕方ないし、まずはこの不思議な空間に終わりがあるのかを確認しようかな」

 

私はそう呟いてから、とりあえず前に向かって歩く事にした。

 

 

 

 

 

 

かれこれ一時間か二時間か、時計が無いから分からないがずっと歩き続けていると遠くにポツンと小さな明かりが見えてきた。

こんな空間だし、人がいればラッキー程度に考えてその場所に近づいて見ると、そこには何故か砂嵐が映し出されたブラウン管のテレビとリモコンが置いてあった。

 

「今時ブラウン管って珍しいなぁ。最後に見たの小学生の時よりも前だっけ?」

 

そんな昔の記憶を思い出しながらテレビの前に座ってリモコンを手にとった。

そして、チャンネルを1から順に回す。何回か回すとずっと砂嵐だったのがいきなり映像を映し出した。

それは、周りが暗いが小さな明かりが散らばっている宇宙空間の様な場所で、三人の男の人がキレイな光を出しながら戦っている映像だった。

しかし、そんなきらびやかな映像だが、いくらボタンを押しても音が出なかった。

音がないのは少々不満だが、仕方なく我慢して見ることにした。

 

「う~ん。やっぱり、この映像にも既知感はあるなぁ。ただ、不思議とこの()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に何と言うか……こう……憧れ?いや、嫉妬かな?そんな感情が芽生えてくるなぁ。全身が黒い人を見てもそうは感じないのに……何でだろう?」

 

そんな風に首をかしげながら見ていると、全身が黒い人は笑ってないが、他の二人は笑いながら戦っている事に気が付いた。

 

「そっか……。彼らは戦いを、闘争を心の底から楽しんでいるんだ。だから、羨ましく感じるのかな?」

 

そんな楽しそうな戦闘もしばらく経つと、皆で一斉に攻撃しあって黒い人以外は消えて、最後に残った黒い、いや、黒かった人が自分の首に巻いているマフラーを掴みながら嬉しそうに笑って消えていった。

その後は元の砂嵐に戻ってしまい、いくら他のチャンネルに替えても替わらなかった。

 

「うん。さしずめ、白い蛇が後ろにいた人と黄金の槍を持っていた人がゲームでいうラスボスだとすると、黒かった人が主人公かな?黒かった人だけ、他の二人を親の仇を見るような目で見てたし……。内容としてはありきたり。だけど、舞台が素晴らしかったなぁ。嗚呼、こんな舞台を作れたらいいのになぁ」

 

そんなことを言いながら今の自分の感情について考える。

端的に言えば、今の私の感情は『飽きた』とか『つまらない』だ。

自分の力が強くなってきたせいか一生懸命やらなくても出来てしまい達成感がない。

その上、やること全てに既知感、つまり既に体験した様な感覚がする。既知感の方はどうすれば満たせるか分からないからとりあえず置いておくとして、全力を出したいという願いは?

こんな感情を満たすことは、このまま普通に生きていたら永遠にないだろう。

だがもしもの話だ。もし()()()()()()()()ことができれば満たせるのでは?

 

……ダメだ。そんなことをして万が一、周りを巻き込んでしまったらと思うと怖い。でも、もしそんな場があったら耐えられる自信がない。

 

 

「ふむ。視線を感じるかと思えば夢を介して私の世界を観ていたとは。いや、既に女神に引き渡したから私のではないか」

 

 

そこまで考えた時に、唐突に後ろから声がしたので振り向くと、そこには先ほど白い二匹の蛇を出して戦っていた男性がいた。

 

「貴方の名前は?」

「私の名前かね?……ふむ。サン・ジェルマン、パラケルスス、メルクリウス。様々な呼び名があるが、愛着のあるものでカール・クラフト。カールとでも呼んでくれ。そして、お嬢さん(フロイライン)。何故私達の事を観ていた?」

 

カールと自称する男は一見笑ってはいるが目が笑っていなかった。それこそ返答しだいによっては私を殺そうとするほどに。

だが、私はあることに気が付いたせいで、カールさんに対して恐怖心よりも好奇心が勝った。

 

()()()()()()()()()()()()と思うのだけど。それより教えて欲しい事があるの」

 

そんな私の返ってきた言葉を聞いて、一瞬笑顔を崩したが直ぐに顔を戻して聞いてくる。

 

「教えて欲しい?それはなにをかね?」

「どうやってあの舞台を整えたの?」

「……何?」

「だから、どうやってやっ」

「いや、話は聞いている……。何故、私がやったと?」

「だって、貴方は目的があってあの舞台を作ったように見えた。対して金髪の男の人は戦い自体が目的に見えた。そういう笑顔をしてた。それに貴方はさっき、『女神に引き渡した』って言ってたからそう思ったの」

「……ふむ。どうやらお嬢さん(フロイライン)は我が友と同じ洞察力を持っている、いや、我が友と似ているようだ」

「我が友?」

「そうだ。総てを愛しているが全力を出すと壊してしまう。ならばそれを破壊をもってして愛を示そう。そう決めた我が友の事だ」

「愛を……破壊で?」

「そうだ……。もしや、お嬢さん(フロイライン)も我が友と同じように悩んでいるのかね?ならばちょうど良かった」

「……ちょうど良いって何がちょうど良いの?」

「簡単なことだ。本当にしたい事を分かっておきながら、それに蓋をする苦しみ。最早、耐えられないところまで来ているのではないのかね?」

「……でも、そんなことをしたら私の大切な人を傷つけちゃうよ!私はそんなことしたくないっ!」

「先ほど言っただろう?それもまた愛だと」

「イヤだっ!認めたくないっ!」

「……ふむ。まあ、私には本人が嫌だと言っている物を押さえつける趣味はないし、赤の他人に助言をするほどお人好しではないのだがね。はっきりと言っておこう。人間は得てして欲に弱い。そうやって自分の渇望を理解しないと、その内精神が壊れるぞ」

「……っ!!」

「話している間に時間がきたようだな」

「えっ……?」

 

カールさんが私の脚を見ているので、私も見ると自分の脚が透明になりつつあった。そして両手両足を見ると全体的に段々と透明になっていた。

 

「ここに来れたのは偶然だ。お前とは二度と会うことも無いだろう」

「そう……」

 

そして私の体が後少しで消えるというところで彼が言う。

 

「他人の人生を壊してきた私が言うのも何だが悔いが残らないように生きたまえ」

 

その言葉を最後に私は意識を失った。

 

 

 

~カール視点~

 

「……行ったか」

 

いずれ()()()()になるであろう可能性を秘めた少女がいた場所を見ながら呟く。

 

「前々から獣殿の因子がある一定の期間、回帰する度にもれていた事が数回あったが、よもやこんな()()()()()()()()()に流れていたとは想定外だった」

 

そう。この世界は魔法少女や魔女といった、私にとって全くの未知の存在がいた。

 

「今までならばこの世界の技術も利用しようとするのだが」

 

最早、必要ない。女神に座を渡し終え、彼女を守る為のエインフェリアもいる。これ以上は何もいらないのだ。

 

「だが、それを差し引いても私は他人に対して助言をするような性格では無いのだがね」

 

以前の願いが女神と似通っていたが、今は黄金の獣になりかけている少女を見ていたら不思議と助言をしたくなってしまった。

 

「まあ、もう会うこともないだろう。仮に会うことになろうとも、今の性格とはかけ離れているように仕向けた。これで、私がいなかった場合の獣殿はどうやって行動するかの検証も出来る。まあ、私の目的は既に達成された。彼女がどうなろうと女神に害が及ばなければどうでもいいのだがね。さて、私もそろそろ行くとしよう」

 

そう言って私は元の世界に帰ったのだった。

 

 

 

 




ちなみに今のまどかさん、魔法少女のさやかさんを素手で簡単に倒せるくらい強いです。
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