辿り着いた末路   作:エスカリボルグ

8 / 10
やぁ( ´Д`)ノ


最近調べてさやかの武器の名称がカットラスなのかと思ったら、刀に似た何かとの説明を見て本気で頭を抱えた作者です。
というか、マギレコやったことないから(←低スペなのでそもそもやれない)さやかとまどかとほむら以外に魔女姿があることも最近知って、ダンガンロンパの処刑時の桑田レオン並の顔になって一時期放心してました。


とまあ、とりあえず作者の下らない愚痴はここまでにして本編をお楽しみくだされば嬉しいです。

最後に今回、マミさんが少しキャラ崩れしました。それでもよろしければご覧ください。


第8話

~まどか視点~

 

現在、私とさやかちゃんは巴先輩の家にお呼ばれしていた。

 

 

「はい、どうぞ。」

「ありがとうございます」

「ありがとう巴先輩」

 

 

私達は巴先輩にだされた紅茶を飲んで一息つく。

紅茶はあまり飲んだことないからわからなかったけど飲むと心が落ち着くなぁ。

日々、既知感だらけで疲れている私にとっての心の清涼剤になるかも。

 

 

「巴先輩、先輩は紅茶って何処で買ってます?」

「あら、紅茶に興味があるの?なら、学校の帰り道にお店があるから、今度一緒に買いに行きましょうよ」

「でしたら、来週の月曜の放課後とかどうですか?」

「ええ、その時間なら大丈夫よ」

「なら私、校門前で待ってますね」

 

 

そんな話をしている隣でさやかちゃんは紅茶よりも一緒に出されたケーキの方に夢中なのか美味しそうに味わっていた。

ただ、ケーキを勢いよく食べているように見えるがその実、お皿とフォークの当たる音を出さずに上品に食べている。

 

 

「マミさんっ!このケーキめっちゃ上手いっす!」

「そう。それなら良かったわ」

 

 

さやかちゃんがそんなに夢中になるものなのかと少し驚き、私も一口食べてみると生地がとてもふわふわしていてとても美味しかった。

 

 

 

___________________________________________________

 

 

「さてと、先ずは私が何をしているかについて話しましょうか」

「はい、よろしくお願いします」

「貴方達は魔法少女という言葉について聞いたことあるかしら?」

「……魔法少女というと、日曜日の朝とかに放送してるようなアレのことですか?」

「うーん、アレとはちょっと違うけどまあ似たようなものね。端的に言うと私は魔法少女なのよ」

 

 

魔法少女とはまた、随分と可愛らしいものが出てきたなぁ。

 

 

「……魔法少女?」

「そうよ」

 

 

そう言いながら巴先輩は黄色い卵のような物をテーブルの上に置いた。

 

 

「これはソウルジェム。キュウベエと契約することによって生まれる魔法少女の証ね。私達、魔法少女が魔法を使うための魔力の源でもあるわ」

「契約ですか?」

「キュウベエに何でも一つ願いを叶えてもらう代わりに魔法少女になるという契約ね」

「……どんな願いでも?」

「ええそうよ」

 

 

……何でも叶うか。その言葉を聞いて思ったのはカールさんに当てられた私の願いのことだ。

私は確かに全力を出したい。そしてキュウベエとやらと契約すればそれを叶えられる可能性がある。

でも、ここで安易に契約しても良いのだろうか。確かに願いは叶うのだろう。だがその結果、私の大事な人達を傷付けてしまうしまうかもしれない。

私にはそれを結論を出すための時間がまだ足りてない。人生を変える決断になるかもしれないから、よく考えてから結論を出すことにしよう。

 

 

 

「マミさんっ! 何でもってことは金銀財宝に不老不死、誰かの怪我を治すなんてこともできたりします?」

 

 

さやかちゃんも何でも願いが叶うと聞いて少し興奮しているのかその顔には喜色が表れていた。

 

 

「ああ、もちろんだとも。どんな願いだって叶えられるよ」

「あら、いたのねキュウベエ」

 

 

いきなり現れた気配の正体は真っ白い猫のような姿をした見覚えのない生き物だった。だが、その生き物の口から出た声は聞き覚えのある声だった。

 

 

「初めまして、美樹さやか、鹿目まどか、僕はキュウベエ。君達のような素質のある魔法少女の卵と契約してその殻を破る手助けをするものだよ」

「貴女がキュウベエなのね。それで?さっき言ってたことは本当なの?」

「ああ、どんな奇跡だって叶えてあげられるよ」

「……その契約にデメリットはないの?」

「契約したことで魔女と戦う使命を持つことぐらいかな」

 

 

魔女?魔女って言うと物語に出てくるようなしわくちゃの老婆が思い付くが、ここで言う魔女とは多分違う意味なのだろう。

 

 

「魔女ってもしかしてまどかが倒してたあの変な毛玉達のこと?」

「あれは魔女ではなくて使い魔。魔女が生み出す手下ね。手下って聞くと弱そうに聞こえるけど、放っておくと沢山の人達を犠牲に魔女になるから放置してはいけない存在ね」

「……それって、魔女はまどかが倒してたのより遥かに強いってことですか?」

「ええ、そうね」

 

 

さやかちゃんがマミ先輩からそんな風に聞くと、先ほど何でも願いが叶うと聞いた顔から一転して真っ青な表情をしている。

多分、さやかちゃんのことだから友達……。まあ、端から見れば想い人にしか見えない、恭介君の腕を治すように願うつもりだったのだろう。

まあ、命と不治の腕の怪我なら正直釣り合ってるようには見えないから恭介君よりさやかちゃんの方が友達として大事な私からしたら、思い止まってくれた方が正直有り難い。

 

 

「そもそも巴先輩が戦っているという魔女ってどういう存在なのかな、キュウベエ?」

「魔法少女が願いから産まれるものなら、魔女は呪いから産まれるもの。そして魔法少女は希望を振り撒き、魔女は絶望を撒き散らす。ようは対極の存在だよ」

「しかも魔女は普通の人には認識出来ないから一般人からしたら対処しようがない。はっきり言って見えない災害みたいなものなのよ。実際に理由がない事件や自殺なんかは魔女が関与してるものは少なくないわ」

「どうしてそんなにヤバい存在がいるのに誰も気付いてないんですか? ……警察に報せても無駄なんですか、マミさん?」

「そうね、警察に報せたとしても未解決事件として放置されるのが関の山。下手に関わっても警察では手も足もでないでしょうね」

「そんなぁ……」

 

 

さやかちゃんは魔法少女になったら何を相手に戦うのかを聞いて、考え直しているみたいだ。

 

 

「美樹さんと鹿目さんは悩んでいるようね。それなら、今度私が魔女と戦いに行くときに一緒に行くつもりはないかしら?言ってみれば魔法少女とはどう言うものかの見学会みたいなものね」

「見学会、ですか」

 

 

この提案は予想してなかったので少し困惑している。巴先輩のことだから、一般人をつれて魔女と戦うのは危険過ぎると言うかと思ったのでかなり意外だ。

しかし、見学会か……。

 

 

「さやかちゃんはどうする?」

「うーん、我儘を言うなら行ってみたいかなぁ……」

 

 

……さやかちゃん、あんなに悩んでたのに見学会は即答するのね。

 

 

「理由を聞いても?」

「正直、魔法少女になって魔女と戦うことを想像するだけでも怖い。でも、何でも願いが叶うなんて機会はこの先死ぬまでないと思うの。だったら契約については先送りして、とりあえずどんなものかだけ見ておきたいかなぁってね」

 

 

なるほど、確かに今すぐ決めなければいけない訳でもない。なら、とりあえず見学してどんなものか確認するのも手か。

というか、何かをするにしても先に確認するのは当たり前か。

家を買うとき、受験先を見に行くとき、旅行先のサイトを確認するとき。

そう考えると何でも願いが叶うと言う言葉に少し踊らされて冷静に考えれなかったのかもしれない。

そう言うところは気を付けないとなぁ。

 

 

「わかりました。そしたら、今度行くときにご一緒させていただいてもよろしいですか?」

「ええ、もちろんよ。そうだ、携帯の連絡先を交換しましょうよ」

 

 

そうして連絡先を交換した後、魔女退治見学会についての日取りも決めて、巴先輩の家からおいとました。

 

 

 

 

……さやかちゃんは聞こえて無かったようだが、巴先輩が連絡先交換したときに小さな声で

 

 

「私のアドレス帳の人数、これで三人って……少なすぎるよぉ……」

 

 

と言ってたことに対して涙がでそうになった。

これからは都合のつくときは巴先輩の家になるべく遊びにいこうと本気で思った。

 

 

 

 




獣殿の因子の侵食率。
約50パーセントに低下した後、キュウベエとの接触により
約60パーセントに再上昇

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