神と人と愉快な仲間達   作:パルモン

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こんな作品を読んで下さる方々まじ感謝です


my life

「せっかくユウと二人でラボに行こうと思ったのにどうしてコウタがいるんですか?」

 

「アリサ、それすげー傷つく」

 

「ははは……」

 

三人はラボに入った

 

「オッス!」

 

「おっす!」

 

そこにはいつものように無邪気なシオがいた

 

「なんですか、その下品な挨拶。そんなの覚えさせないでください」

 

「えぇーいいじゃんよー」

 

「じゃんよー」

 

「シオちゃん!ダメだよ!?馬鹿が感染っちゃうよ!!」

 

「ひでぇ……」

 

「シオちゃん、こんにちは」

 

「んー?こんにちは!」

 

「うん!えらいえらい」

 

シオはユウのもとに行く

 

「ありさ、えらいって!えらいのいいことだな?どうだろうな?」

 

「うん、いいことだよ」

 

ユウもシオの頭を撫でる

 

「しかし、だいぶいろんな言葉を覚えてきましたね」

 

「そうだね、君たちが相手してくれるのもあるけど、何より彼女の学習スピードがすごいね。飢えているんだよ思うよ。コミュニケーションというやつにね」

 

「サカキのおっさん!俺だー」

 

リンドウの声だ

 

ガチャッ

 

「ういーす!お?シオもいるな?」

 

「ういーす!」

 

「シオちゃん!ビールと煙草だけのオッサンになるよ!」

 

アリサがシオを注意する

 

「アリサの中の俺ってそんなイメージなのか」

 

聞きたくなかった本音に落ち込むリンドウ

 

「まったく、アナグラの馬鹿三人組は手強いですね……!!」

 

「三人?あと一人って俺?」

 

ユウが自分をさす

 

「ち、違います!ユウは優しくて頼りになってオッサンでも馬鹿でもないカッコいい人です!」

 

そこでアリサは自分の言葉に気付き顔を真っ赤に染めユウから視線を逸らす

 

「そこまでかどうかはわからんけど嬉しいよ、アリサ」

 

「い、いえ…そんな…//」

 

「「馬鹿はお前もだな」」

 

コウタとリンドウの言葉に何も言い返せなかった

 

すると

 

「博士ー?俺です」

 

馬鹿が来た

 

ガチャッ

 

「いえーい!ノってるかい!?…ブッ!!」

 

アリサはキワムが入って来て第一声をあげた瞬間腹をぶん殴った。そしてそのままドアを閉めた

 

「やべぇ……」

 

「なんですか?」

 

「なんでもないです」

 

その後ソーマとサクヤが入ってきた

 

「おい、そこで馬鹿が転がっていたぞ」

 

「気にしないでください」

 

「あれ!?キワム!どうしたんですか!?」

 

後ろでカノンがキワムを揺さぶっている

 

復活したキワムが部屋に入るとサカキ博士は困ったように言った

 

「毎度呼び出してすまないね。私ではどうにもならない問題が発生してしまってね……彼女に服を着せてくれないか?」

 

「服…ですか?」

 

「そうなんだ。私も様々なアプローチを試みたんだが、全て失敗に終わってね」

 

「きちきち ちくちく やだー」

 

「ということらしい。是非とも女性陣の力を借りたくてね」

 

「なら、なんで俺を呼んだんだ。戻るぞ」

 

ソーマは帰ってしまう

 

「俺も役に立てそうにないや。今、バガラリーがいいとこなんだ!後は頼むよ」

 

「俺もちょいと用事があるんでサクヤ頼むわ」

 

「まったく薄情な男たちね」

 

サクヤさんは呆れて言う

 

俺はここで帰ると本当に殺されそうなので待機することにした。ユウも一緒に待機してくれた。有難や

 

女性陣が奥の部屋でシオに服を着せている間、サカキ博士と話していた

 

「君たちやシオはとても興味深いよ。その柔軟さと多様性が予測できない未来を生み出すのかもしれないね」

 

ドカァン!!

 

「なんだ!?」

 

中から三人が出てくる

 

「げほっげほっ」

 

「あの…シオちゃんが」

 

「壁を壊して外に…」

 

「本当に…予測できない…君たち!なるべく早くシオを連れ戻してくれ」

 

 

 

 

 

ラボから出るとソーマがいた

 

「シオが家出した」

 

「なに!?」

 

やっぱソーマのやつ、シオの服が気になってたんだな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺とソーマとコウタで鎮魂の廃寺に探しに来た

 

途中出てきたアラガミを速攻で倒しシオを探す

 

ソーマは仏壇のある廃寺に来ていた

 

「……おい、いるんだろ?」

 

「いないよー」

 

ソーマは少し笑みがこぼれる

 

「遊びは終わりだ。さっさと帰るぞ」

 

「きちきち ちくちく やだー」

 

「ふん、所詮はバケモノか」

 

シオは壊れた仏像からひょいっと顔だけを出す

 

「そーま」

 

「あ?」

 

「そーまあのときおこってた。そーまは しおのこと、きらい?」

 

シオの質問に一瞬驚きを見せるもソーマは表情を変えない

 

「さあな……ただ、自分のこともわからねぇ出来損ないってのは自分でもわかる。別にお前のことが嫌いなわけじゃない」

 

シオはそれを聞いて笑顔になるも、いつもとは違う表情になりソーマに語った

 

「しお、ずっとひとりだった……だれもいなかった…だから、あのとき、きわむにあえてうれしかった。そーまにあえてうれしかった」

 

「そうか…俺もあいつに出逢って少し自分が変わった気がする。案外俺とお前は似た者同士なのかもな」

 

「おお!そーまといっしょか!いっしょにじぶんさがしだな!」

 

「や、やめろ……!」

 

どこでそんな言葉を覚えたのか、シオはガッツポーズのような仕草をして微笑む。そしてソーマの隣まで歩いてくると、ソーマに抱きついた

 

「お、おい!」

 

ソーマは少し赤くなるもシオを引き離そうとはしない

 

「おーい!シオー!どこだよー!!」

 

「カノンのボマークッキーやるから100fcで交換だー」

 

コウタとキワムの声が遠くで聞こえる

 

「考えてもみろ、あいつらは予防接種程度とはいえ、自ら望んでオラクル細胞を取り入れているんだ。俺以上に救われねぇやつらさ。キワムは俺と同じだがな」

 

「うん、しお わかるよ。みんなおんなじ、なかまだってかんじるよ」

 

「ああ…そろそろ……帰るか」

 

ソーマがイヤホンを取り出すとシオはそれに興味を持ち手を伸ばす。取られまいと、ソーマはシオの頭を抑える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜、ソーマの部屋にて

 

「ソーマ?俺だけど入っていいか?」

 

キワムの声だ

 

「ああ、いいぞ」

 

俺の部屋に来るやつなんてキワムとユウぐらいだ

 

「そういやあいつ、最近服変えたな」

 

キワムはオレンジ色のパーカーをリッカに作ってもらっていた。あいつにとってオレンジ色はいろんな想いがあるのだろう

 

「じゃまするぜー」

 

キワムが入って来る。しかし彼はそのパーカーを着ておらず、黒のアンダーだけだった。

 

が、後ろからキワムのパーカーを着てフードを深くかぶった少女が入って来た

 

「そーまー!きたぞー!」

 

シオだった

 

「どういうことだ?なんでシオがいる?」

 

嬉しいような不安があるような、よくわからない感情だった

 

「博士にはちゃんと言ったさ。シオがソーマのとこに行きたいって言うから連れて来た」

 

「余計な真似を……」

 

うん、ソーマめっちゃ嬉しそうだな

 

シオがソーマに抱きつく。ソーマは俺がいるからかシオを引き離そうとする。しかしもともと彼女はアラガミ。まったく離れない

 

「おい!シオ!」

 

「心配すんなソーマがあの時二人で話してたの見てたから」

 

「なっ!?」

 

どこから見てやがった?こいつ!?

 

「それに俺のその服はアラガミ素材でできている。俺もきちきち ちくちくやだーだもんな。それでシオに俺の服を着せてみたら気に入ったらしい」

 

確かにシオは服を気にする様子は見せない

 

「明日からリッカにシオの服を作ってもらうんだ。それまで俺の服を貸してる」

 

「これ、ちくちくしないぞー これ、えらいなー」

 

シオがぴょんぴょん飛び跳ねている

 

「そうか、良かったな」

 

「うん!きわむ!ありがとね、ありがとー!」

 

シオは頭を二回下げてお礼を言う

 

「あ、ソーマ。いつもの聴かせてくれよ」

 

「ん?あぁいいぜ」

 

ソーマはウォークマンを取り出し操作をする。すると歌が流れ始めた

 

「これ、なんだー?」

 

「歌っていうんだ」

 

「うた?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シオは歌を聴いていたが途中からポロポロ涙を流した

 

「シオ?」

 

ソーマがシオを心配そうに見る。シオは両手で涙を拭いながらも、歌を聴いている

 

「これ、なんだろう…かなしい…」

 

「別れの歌、だからかな…この歌は」

 

「わかれのうた?」

 

「大切な人とあえなくなる…そんなことを歌っているんだ」

 

「それ…いやだな…」

 

キワムはいつもとは違う雰囲気で窓の横に寄りかかり真っ暗になった外を眺めている

 

「あいつは大切な人を何度も失くしたんだ。その一つは自分の手でな」

 

「きわむ…はじめてあったとき、かなしいかおしてた」

 

「そうか…」

 

「この歌の名前はmy lifeっていうんだ」

 

キワムがこちらを向く

 

「まいらいふ……」

 

「ソーマの言うとおり大切な人とあえなくなる歌…でもな」

 

キワムはいつもの優しい笑顔になる

 

「それでも前を向いていこうって励ましてくれる歌なんだ」

 

キワムはシオの頭を撫でる。そしてポロポロ溢れる涙を指で拭う

 

「だから寂しくないさ。それにシオ?」

 

「?」

 

「その感情は大事にしろよ?誰かを大切に思うことは自分を強くしてくれるから」

 

「うん……きわむとそーま……それにみんなもたいせつななかまだよ」

 

「それはみんな同じだ…お前も俺らにとって大切な仲間だ」

 

「ソーマがそんなこと言うなんてな」

 

「お前もな」

 

 

 

 

 

 

歌が終わる…シオは歌を聴き終えるともう一度…今度はそっと、何も言わずにソーマの胸の中に頭を埋める

 

ソーマは優しく抱きしめる

 

「じゃあ俺部屋に戻るな」

 

「そうか。といっても隣だがな」

 

「ははっそうだな。シオ、今日はソーマの部屋にいたらどうだ?」

 

「いいの?」

 

「博士には俺が言っとくから」

 

「……悪いな」

 

「おう、二人ともおやすみ」

 

「おやすみー」

 

「あぁ」

 

 

 

 

シオにとって二人の存在はとても大きなものだった。他のみんなも大好きだが、二人にはそれ以上のものを感じていた。

 

 

 

 

いつか必ず訪れる別れなら出来るだけ そう美しく伝えたいの その時には いつか誰にも訪れるさよならは 泣かないで 美しく きっと言おう……

 

 

 

 

 




今回はmy lifeを聴きながら書きました
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