神と人と愉快な仲間達   作:パルモン

22 / 73
私の都合上、少し投稿が遅れることが多くなるかもしれません。


失くしたもの

なんとなく気付いていた。いつかはこうなるんじゃないかと思っていた

 

「キワム君。大事な話があるんだ」

 

あの日親父を殺したあの日。俺の中のあるものが壊れた。

 

「落ち着いて聞いてほしい」

 

そう、人の心……………

 

「アラガミ化が進行している…」

 

一度壊れたそれはもう治らない———————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キワム?」

 

「ん?どした?」

 

キワムの部屋に私は来ていた。最近彼はぼーとしていることが多く、肩を叩かないと気付かないこともある。それに彼はぼーとしてる時いつもどこかを見つめている

 

「またぼーとしてましたよ」

 

「あ、ごめん」

 

「少し疲れが溜まっているじゃないですか?」

 

「そんなことないと思うけど」

 

「うーん。でも、ちゃんときついと思ったら言って下さいね?」

 

「おう、ありがとう」

 

 

 

 

 

今日はキワムとシオちゃんの三人で任務。と言ってもシオちゃんのご飯の確保をすることが目的だけど

 

 

「うんまい!」

 

シオちゃんは戦いながら捕食をする。彼女の神機?は腕から生えており、捕食は口で食べるのと同じようだ

 

周りのアラガミを全て倒しシオちゃんはシユウを食べている

 

「ねぇーいっしょにたべよー」

 

シオちゃんはコアを半分にし、キワムに渡した

 

彼は私を見る。私が頷くと彼はコアを食べ始めた。

 

「かのんはたべないの?」

 

「シオ?人間はアラガミを食べないんだせ?」

 

その言葉に胸がチクリとする。彼はもう自分のことを人間と思っていないのだろうか?

 

「キワム……」

 

「さ、もう食べたし帰ろうか」

 

「いえっさー」

 

「う、うん」

 

元気に敬礼をするシオとは対照的にカノンは暗い返事をした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はまたキワムの部屋に来ていた

 

「あのさ…カノン」

 

キワムは視線を合わせずに私を呼ぶ

 

「うん?どうし…きゃっ」

 

彼は私を抱きしめた。突然こんなことをするから付き合ってそこそこ経つけどドキドキが止まらない

 

「今日…ごめんな」

 

「え?あっ…」

 

あの言葉のことだろう

 

「自分が人間であることを否定したわけじゃないんだ」

 

「うん、わかってるよ」

 

彼を抱きしめる力が自然に強くなる

 

「でも、ほんとは怖い」

 

彼がこんなことを言うなんて初めてではないだろうか

 

「いつか、俺が俺でいられなくなるんじゃないかって思うと怖くなる。ありきたりのこの日常に大切なものがあることを忘れてしまう気がするんだ」

 

「キワム……」

 

言葉が出ない。こんな自分が嫌になってしまう。きっと彼は何かと戦っている。戦場で戦うアラガミとは違う何かと

 

でも、その何かは本人の口から伝えられた

 

「俺…アラガミ化が進行しているんだ」

 

「えっ」

 

知りたくなかった。考えたくなかった。大好きな彼がアラガミになってしまうことを。想像するだけで涙が出てしまう

 

「ごめん……ごめんな…カノン…」

 

「どうして…キワムが謝るの…?キワムは……悪くない…」

 

彼は被害者である。なのに彼は涙を流し私に謝る。私も涙が止まらない。お互いに抱きしめ合ったまま彼が続ける

 

「アラガミのコアを食べることで一時的に進行を遅らせれる…でも、事実上アラガミ化を止めることができない…いつかは必ず別れが来る…カノンに辛い思いをさせることになる…」

 

「……でも私は…諦めませんよ。きっと何か方法があると思うんです。だからキワムも諦めないで……お願い…」

 

本当は絶望で心が折れそうだった。でもそれ以上に彼が苦しいのはわかっている。だから私が彼の側にいて、彼を支える。それがこんな私のことを好きになってくれた彼にできること…

 

 

 

 

私はある歌を思い出す

 

「ココロ溢れ出す涙はきっと未来を求めてる証なの。ボロボロになった羽根でも誰かを想うその気持ちがあるなら、どんな苦しみに向かっても飛んで行けるさ……」

 

「……」

 

彼は黙って私の言葉を聞く

 

「ソーマさんから教えてもらった歌の歌詞です」

 

「今の時代にぴったりの歌だな……」

 

彼は私にキスをする

 

「ごめんな!こんな暗い話をしてさ…でも元気出たよ」

 

そう言って彼は引き出しから袋を取り出し私に渡した

 

「これは?」

 

「開けてみろよ」

 

私はドキドキしながら袋からそれを取り出す

 

黄色いヘアゴムだった

 

「ほら、カノン最近髪伸ばしているだろ?」

 

アリサさんみたいに髪を伸ばそうとしていた私はセミロングほど髪が伸びていた

 

「使わなくてもいいけど良かったら受け取ってくれよ」

 

「ありがとう!キワム!」

 

本当に嬉しかった。正直髪を結びたいと思っていたから尚更…

 

「へへへ……」

 

さっそく私は鏡の前でショートポニーにした

 

「ど、どうですか…?」

 

ちらっと彼を見ると、顔を赤くし、目線をそらし

 

「か…可愛い…」

 

ボフンっと音が出たようにカノンは真っ赤になる。そして堪らず

 

「大好きーー!!」

 

彼に飛びついた

 

「どわっ!?」

 

俺はなんとか受け止めカノンの結ばれた髪を触る

 

「うん…似合ってる」

 

「えへへ…」

 

 

 

きっと方法はある。なんとかなる。キワムは明るい未来を考えながら、己の中のアラガミと戦う覚悟を決めたのだった

 

 




その後二人はイチャイチャしまくった
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。