最終話です
ゴゴゴゴ!!
ノヴァが再び動き出す
「キワム!キワム!!」
「ちくしょう!!あのデカブツ止まらないよ!」
「くそぉっ!!」
ソーマは地面を何度も殴る。目の前にいながら助けられなかった。地面を殴る手からは血が出ている
「そーま!やめて!」
シオが止める
「フッフフフ……」
倒したと思ったヨハネスが不敵に笑いだす
全員は神機を構える
「無駄だ…覚醒したノヴァは……止まらない」
「この私が珍しく断言する…不可能です」
「なんとかならねぇのか!博士!」
「残念だが、支部長の言ったとおりだよ。溢れ出した泉は、ノヴァが止まることは、ない」
「そんな!」
「アラガミの行きつく先…星の再生…やはりこのシステムに抗うことはできないようだ」
「ふざけるな!!そんなこと…認めねぇぞ!」
「そう…それでいい……ソーマ…お前たちは早く…箱舟に……ぐはぁっ!」
「支部長!あなた…もう!」
「心配は無用だ……もとよりあの席に私の席は……ない」
「なんですって!?」
「世界にこれだけの犠牲を強いた私だ……次の世界を見る資格など無い…後はお前たちの仕事だ…適任だろう?」
「親父……」
「アイーシャ、すまない。私たちは結局こんな戦いの先にしか答えを探せなかった…私たちは君に償えたと言えるのだろうか……」
カノンは彼を抱いて泣き崩れている。
彼はもう…死んだ…
「このまま…終わるのか……?」
ガチャン!
突然ノヴァが止まりコアの光が消えた
唖然とする一同
ブワアアアン!
コアが青色に輝く
「ふぅ…なんとかなったな!」
その声はキワムだった
「キワ……ム?」
カノンは抱いているキワムとノヴァを何度か見る
「はははっカノン、本体はこっちさ、そっちはもう…抜け殻みたいなもんさ」
「えっ?えっ?」
「まさか…ノヴァの特異点となっても人としての意識が残っているなんて…」
ノヴァは上昇し始める
「だんだん…上昇してる?」
「キワム……?」
「まぁこんな腐れきった地球を食べるより、向こうの月の方が美味そうだろ?」
「まさか…ノヴァごと月へ持って行くつもりか!?」
「キワム!おい!あいつまだ生きてるんだろ!?サカキ!!」
コウタがサカキ博士に叫ぶ
「私にもわからん!!ただ、そんなことが…」
「カノン…」
キワムは優しく話しかける
「……うん」
「ごめんな…約束守れなくて……いつか必ず別れが来るなんてフラグ立てなきゃ良かったな」
「うっ…うぅ……」
「俺はアラガミ化がかなり進行してた…正直いつ暴走してもおかしくなかった」
「なんだと?」
「アラガミになって仲間を殺すか、特異点になって仲間を救うか…だったらこうするしかないだろ?」
「まさか…お前!最初からそのつもりで!?」
「いや、それは違うぜ?ソーマ。俺はカノンと約束したんだ。なんとか助かる方法はないか、ずっと探していたさ。でも、あの時、俺が避けたら間違いなくソーマがやられていた。そうだろ?」
「っ!なんでてめぇはいつも余計なことしやがる」
「……ごめんな」
「きわむ……」
シオが何歩かキワムに向かって歩く
「シオ…」
「……ありがとね」
シオの言葉にみんなは驚く
「いまなら…わかるよ…みんなにおしえてもらった、ほんとうのにんげんのかたち」
「シオ…」
ソーマはシオの側に行く
「たべることも、だれかのためにいきることも、だれかのためにしぬことも、だれかをゆるすことも、それが…どんなかたちをしてても…みんな、だれかとつながってる」
キワムは少し震える声で言った
「…そうだな…俺もみんなと離れてても繋がっていたい。だから…シオ…俺の体を食べてくれないか?」
「何言ってんだよ…!キワム!とにかく戻って来いよ!」
「ごめん、コウタ…もう…戻れないんだ」
コウタは唇を噛むように下を向く
「……わかった」
「シオ……!」
「それじゃあ、きわむのぱーかーしおがつかうよ?」
「うん……あ、そうだ……カノン」
「……は''い''!」
「俺の左腕につけているリストバンド…カノンがつけてくれないか?」
「うっ…ひっ……うん……お守りとしてつける…」
「ありがとう……」
ノヴァは一度上昇を止める
「そろそろ行かないと」
「キワム!お前が言った『生きることから逃げるな』しっかりお前の後輩に伝えていくからな」
「リンドウさん…」
「キワム!月でも元気でやれよ!アラガミでもなんでもいいからたまにはなんか知らせを送ってくれよ!」
「わかったよ、コウタ」
「キワムさんから教えてもらったことを活かして、世界中のアラガミに負けないくらい強くなります!」
「頼んだぞ!ユウ!」
「私も、もっと強くなります!そして…キワムさんが救ってくれたこの世界中の人たちを護れるように、いっぱい勉強して、どこへでも足を運びます!」
「無理だけはしないようにな」
「あなたは本当にリンドウに似て無茶ばかりするわね……それに、カノンを置いていくなんてまったくひどいわよ」
「さっサクヤさん…それは…」
「大丈夫ですよ!」
カノンが大きな声で言う
「またいつか会える気がするんです!きっとどこかで…だから!さよならは言いません!」
「…俺も、そう思うよ」
「……俺はダチのお前を忘れねぇ。だからお前もダチの俺を忘れるんじゃねぇぞ」
「当たり前だろ?ソーマ。それにシオのこと頼んだぜ?」
「任せろ」
「きわむ!きわむがつないでくれたこのいのち。ずっとだいじにするから!おぼえてろー!」
「ソーマと仲良くな?」
「うん!」
「俺、お前がいつでも帰って来れるようにずっとアナグラを守り続けてやるからな!」
「約束だせ?コウタ」
「ああ!」
「カノン!」
「キワム!」
「……ずっと…愛してる…」
「はい!私もずっと、ずっと!!愛してる!!」
キワムは照れくさそうに笑う
「みんな!今日はとりあえずお別れだ!またな!」
そう言って俺は月に向かって勢いよく飛び立った。寂しくなんかない…俺のココロの中にはみんながいる。ずっと繋がっている。だから寂しくない。……またな…カノン………愛してる
彼が飛び立った後、夜空には流れ星のように黄色に輝く光の粒が降った。カノンの手の平にふわりと光の粒が降る。彼女は優しく包み込むように胸にあてた
———————あれから一年が経った。エイジス計画は完全に凍結。アーク計画に乗り宇宙船に乗った人たちも帰って来た。極東支部前支部長である、ヨハネス・フォン・シックザールはエイジス崩落事故により死亡。また、第七部隊所属の神羅キワム中尉はエイジスに突如現れた謎のアラガミと交戦し、そのアラガミを倒すも戦死というのが表向きのフェンリルの発表となった。事実を知っているのはごく僅かな一部の人だけ。周りの何も知らない人たちの話を聞くと少し寂しく思ってしまう。そう、真実を知らない人はキワムは既に死んでいると思われているから
私は今回の活躍が称され、第一部隊に編入。そして、キワムと同じ曹長と昇格した。曹長とかはあまり気にしないけど、第一部隊に入れたのは素直に嬉しい
アリサさん、リンドウさん、ソーマさん、ユウさんはクレイドルという組織を立ち上げ世界中を飛び回っているそうだ。現第一部隊隊長はコウタさん。キワムとあの約束をしてから彼はグングン力をつけて、このアナグラをしっかり守っている。そしてなんとシオちゃんが正式に第一部隊の隊員として認められた。サカキ博士によると、彼女のコアは特異点ではなくなったらしい。原因は不明だが、彼女の心配はいらないとソーマさんは私とコウタにシオを託した。最初はいろいろハプニングがあったけど今はみんなと仲良くしている
私もずっとここを守り続ける。キワムがいつでも帰って来れるように…彼が月に行ってから月の緑化が確認された。彼が生きているんだなって思うと私も頑張れる。そして本当にいつか彼に会えると私と第一部隊だったみんなは信じている。だから寂しくない。きっとまた会えるから
私は今、キワムの部屋を使っている。窓の外に浮かぶ月に向かって左腕につけたオレンジ色のリストバンドを掲げる
「キワム、聞こえてる?ずっと…愛しています」
リストバンドは私の言葉に反応するかのように月の光に照らされた
第二章終了です。
読んで下さった方々本当にありがとうございます
第三章ほんとにどうしよう