月に来てから随分と経つ。ここはアラガミのいない世界。たが、人が住める環境ではない。地面には大きな窪みがある場所が数多くあり、おそらく隕石によるものだろうと推測できる
「隕石来たら避けれるのかな」
おそらく避けれないだろう
だが、隕石ぐらいで死ぬ体ではないことは自分が一番わかっている
文明のないこの
アラガミのいない世界。それはもう戻ってこない
それでも人は懸命に生き、幸せを見つけようとする誰かと恋に落ちたりする。俺にとっての幸せ……
答える必要もない。だが、
今日も神と人は己の願望のため競い合う
「緊急事態です!」
フランがフライア内に通達する
「ここより10キロ先大量のアラガミを確認!特殊な偏食場パルスが確認されています!至急ブラッド隊はアラガミの討伐に向かって下さい!」
アナウンスが艦内に響き渡る
「うわわ、緊急事態だって!」
ナナは慌ててドタバタしている
「落ち着くんだ。冷静に対処しろ。俺とロミオ。ギルとナナ。ヒロとエミールさんの三チームに分けてできるだけ速やかにアラガミの討伐をする。偏食場パルスが気になるがまずはアラガミの数を減らすことを最優先しろ」
「「了解!!」」
ジュリウスは慌てる様子は見せず冷静に命令を出す
「フラン!出撃準備を頼む!」
「わかりました!未知のアラガミの侵入が予測されます 警戒を怠らず一人も欠けることがないように!ご武運を!」
「確かに大した量だな」
ギルは神機を構えていつも以上に警戒する
「コンゴウは音に敏感だ 合流される前に分かれて一体ずつ潰す!油断するなよ!」
ジュリウスの指示で作戦エリアに出撃する
「ナナ、大丈夫か?」
ナナの手は少し震えている
「大丈夫!ギル!頑張ろ!」
「ああ、すぐに終らせよう!」
「エミールさん!来ます!」
「僕が相手だ!」
コンゴウの攻撃をかわし横腹を思い切りブーストの勢いを乗せた一撃を与える
「グオっ!?」
コンゴウは吹き飛ばされ転がる
「たぁ!」
俺は弱点である尻尾に連撃する
ブシィィィィ!!
結合崩壊しうずくまるコンゴウ
「トドメだ!!」
エミールさんがハンマーを振りかぶり頭を叩き潰す
血が噴き出し絶命する
「「グオォォオ!!」」
「数が多い!」
「この異常な数はなんだ!?」
今までの任務が嘘のように大軍である
「はっ!せあ!」
ジュリウスは次々とアラガミを薙ぎ倒す
「おりゃあああ!!」
ロミオもチャージクラッシュでまとめて倒す
「いいぞ!ロミオ!」
「よっしゃ!」
「はぁあ!!」
ナナはブーストで動き周りつつ、アラガミを殴り飛ばし仕留めていく
ギルはアサルトとチャージスピアを使いこなしアラガミを翻弄する
ジュリウスとギルは実戦経験が豊富であり流石という一言に尽きる
ナナとロミオとヒロも新人ながらも上手く戦えている
エミールは被弾は多いものの極東を戦い抜いてきているだけあり、このような状況は慣れているという感じだった
「こちらブラッドα、こちらはだいたい片付いた」
「ブラッドβ同じく殲滅した」
ヒロとエミールのブラッドθは返答がない
「ブラッドθ、状きょ…」
「うわあぁぁぁああ!!」
エミールの声だ
「どうした!?」
「何故だ!?何故神機が動かない!!?」
ビビっ
『アラガミの侵入を確認!新種と思われます!』
フランのアナウンスが入る
「すぐにそちらに向かう!フラン!座標を!」
「まずい!ピンチだ!まさにピンチだこれは!」
エミールさんは新種と思われる白いアラガミに追われていた
「エミールさん!」
ドツッ!
「どわぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
背後から殴られ地面を滑り転げ動かなくなった
「エミー…くっ!!」
すぐさまそいつは俺に標的を絞り突進してくる
「このっ!」
俺はスレスレで避ける
地を蹴り斬りかかる
ガキン!
「なっ」
右手で弾かれ、左手の爪で引っ掻かれる
「ぐあっ!」
ふき飛ばされるもなんとか体制を整える
「くっ………」
白いアラガミはゆっくりと歩いてくる
「ここで終われない……!」
体の奥から熱いものを感じる。何かが目覚めたような感覚がする
「………」
目を閉じてそれを感じる。俺は無意識にゼロスタンスの構えをとっていた
力が湧き上がる……
「はぁあ!!」
ビシィィン!!
神機から青いオラクルが溢れ出し自身の周りに風が巻き起こる。青いオラクルに包まれた神機から強大な力が伝わってくる
「っ!これは!」
ジュリウスは感じ取った。これは血の覚醒であると
「これ…あの時の隊長と同じ…」
ナナも他のみんなも感じ取った
「うおぉぉぉぉ!!」
迫ってくる白いアラガミに正面から立ち向かう
ザシュゥウ!!
「グオォォオオオオ!!」
アラガミの左目を斬り裂き潰す
悲鳴を上げ後退する
「ヒロ!」
「みんな!」
ババババババババババ!!!
集中砲火を浴び白いアラガミは撤退した
体から力が抜ける
「よくやった…大したやつだ」
隊長に支えられ俺は一安心した
エミールも起き上がりこちらに駆けつけた。どんだけタフなんだよ
フライア
庭園
「…君には大きな借りができたな…」
どうしてもお礼を言いたいとエミールさんから呼ばれた俺は庭園に来ていた
「いえ、どういたしまして」
「なんとっ!強さだけではなく礼儀までも備えているというのか!?僕も負けていられない!極東支部のゴッドイーターとして、君のライバルとして、次君と会う時にはもっと強くなっていると約束しよう」
「どんと来い」
その後エミールは極東支部へ帰った
「ヒロ、そういえばラケル博士が呼んでいたぞ」
隊長が思い出したように言う
「それ、早く言ってくださいよ……」
ラケル博士の部屋に行くのはまだ数回程度だ。初めて行った時はどこにあるかわからずフライア内をグルグル回っていた。豪勢な設備で巨大であるためどこに何があるのかなんて全部覚えられない
コンコンっ
「ラケル博士?神威ヒロです」
中からどうぞと聞こえる
「失礼します」
中に入ると画面から目を逸らしこちらを向いた
「よく来てくれたわ。今日は貴方が退けたあのアラガミの話をしようと思ったの」
あの白いアラガミのことか…
「あのアラガミの名はマルドゥーク。感応種と呼ばれるアラガミです」
「感応種……」
「そう、感応種は強力な偏食場パルスを発生させるために強力な感応現象を引き起こし一時的に神機を使用できない状態に陥るの」
「なら自分はどうして戦えたのですか?」
「それはきっと貴方の血の力でしょう」
血の力…やっぱり覚醒したんだ
「貴方の血の力の覚醒により、感応波を押し返し、神機が使用できたのでしょう。それは貴方に限らずブラッドのみんな血の力に目覚めれば感応種と戦闘ができます」
「なるほど…」
「それと、貴方の血の力は自身や他者の真の力を呼び覚ます能力があります。これによって他のみんなも血の力に目覚めやすくなります。『喚起』とも言いましょうか」
「なんか…すごいですね」
「ええ、とても素晴らしいです。ぜひ、貴方の力でブラッドの皆さんの血の目覚めに協力してあげてください…話は以上です。来てくれてありがとう」
『喚起』かぁ…すごい重要なポジションになっちゃったなぁ
たまにキャラの喋り方がわからなくなるんですよね。特にブラッド笑笑