俺は今日偵察任務に来ていた。俺は結構こういうのは得意で部隊リーダーに選ばれることもある。今日は一人だけど
コウタは
「っ!」
ヴァジュラが倒されている
食い荒らした跡があり、まだ近くにいるかもしれない
「ふぅー」
意識を集中する。五感を研ぎ澄ませる
バキッ
「くっ!」
音のする方に銃を構える
が、誰もいない
「グォォォオ!」
「プリティヴィ・マータ!」
相性が悪い相手だ。時間はかかるが倒せない相手ではない。それほどまでにコウタは強くなった
「当たれ!」
炎属性のバレットを撃ち込む
相手の氷の攻撃を避けつつ隙があれば弱点の胴体に撃ち込む
「グオオ」
マータが怯み隙が生まれる
追撃をしようとしたその時
バッ!
「え?」
背後に何かが立っている。後ろを見るもすでにいない。すぐに正面に向き直るとマータは倒されていた
一瞬何者かが去っていくのが見えた
「何が…起こったんだ?」
呆然とするコウタ。しかし、その一瞬の出来事の間にコウタは懐かしい感覚がした
「今のやつを俺は知ってる…?」
結局確かな情報は掴めず帰投した
「誰だっけ……あいつ…」
フライア
俺たちは悲鳴をあげていた
シエルが提案した訓練メニューはあまりにもハードで特に座学の時間はしんどい
戦闘でも意見の食い違いなどで明らかに戦闘効率が下がっている。ブラッドの間の雰囲気も悪い。どうするべきか…
「副隊長」
「隊長…」
ピクニック隊長は今の部隊の状況は良くないと感じており俺と相談することも増えた
「シエルの様子はどうだ?」
「正直浮いていると思う」
俺とナナはストレスからかジュリウスにタメ口で話すようになった。ジュリウスはなんだか嬉しそうにしていた
「そうか…あいつも努力はしているようだが、どうやら空回りしているようだな」
「俺もそれはわかってる」
「良かったらシエルのことを気にしてやってくれ」
「了解」
.
庭園
俺はシエルから呼ばれ、庭園に来ていた
「あの…副隊長」
シエルは落ち込んでるようだ
「私の戦術理論は間違っているのでしょうか?」
シエルの戦術理論は素晴らしいと思う。年下とは思えない
「そんなことはないと思う。けど、その人に適しているかどうかは別だと思うよ。ブラッドは個性的な人ばかりだからさ」
おでんパン娘のナナ、ミーハーのロミオ先輩、ピクニック隊長のジュリウス、暴力ゴリラのギル、そして◯ュエリストの俺
「相手のことも考えて行動するべきと…?」
「まぁ、そうだな。みんなの特徴を確認してそれぞれに合った訓練メニューとか戦術を提供した方が効率も上がると思う」
「…わかりました。努力してみます」
「そのためにはまずみんなと話さないとな」
「……その、もし良ければ私とご一緒してくれませんか?私はどうも人とのコミュニケーションをとるのが苦手で…」
「ああ、いいよ」
「っ!ありがとうございます!」
シエルはパッと笑顔になり一緒にロビーに向かった
その後俺とシエルはみんなのもとを訪ねた
シエルが一生懸命努力している姿を見て少しずつみんなもシエルと会話をするようになった。お互いの戦術理論を教えあったり、おでんパン食べたり、徐々にシエルもブラッドに溶け込めていった
数日後
ロビー
俺はギルとジュースを飲んでいた
「なぁヒロ、俺は最初シエルの出す理論を根こそぎ否定していた、だが、あいつも必死に努力をしているのがようやく理解できた。お前が動いてくれたおかげでもあるかもな。俺とロミオの件もお前のサポートがあったから今は特に問題になることもない。お前には感謝してるよ」
「なんか、ギルからそう言われると照れるな」
「ははっ!これからもよろしくな副隊長」
ギルと別れた俺は一人椅子に座っていた
「あの…副隊長…」
「おお、シエル」
「えっと…今空いていますか?」
「暇だな」
「よろしければ庭園にきてくれませんか?」
庭園
「副隊長、お忙しい中、お呼び立てしてすみません」
シエルは真剣な表情だ
「ですが、どうしてもお伝えしたいことがあるんです」
話を続ける
「ブラッドは皆、正直私が考えていた以上の高い汎用性と戦闘能力を兼ね揃えた部隊です。更に驚いたのは、決して戦術理解度が高いわけでもなく規律正しく連係しているわけでもない点です」
「たしかにそうだな」
「私の理解をはるかに超えて、ブラッドというチームは高度に有機的に機能している、それはおそらく…」
目が合う
「…副隊長……きっと、貴方が皆を繋いでいるからなんです」
「そう…かな?」
「私は戸惑っています……正直、今まで蓄積してきた物を全て否定されている気分です」
「えっと…」
「あ、誤解しないでください!嫌な気持ちではないんです……それどころか……何というか……ええと、どう説明すればいいのか…ううん……少々お待ちください…」
1分ほど待った
「折り入って…お願いがあります」
シエルはピシッと背筋を伸ばす
「私と、友達になってください!」
そう言って頭を下げる
「あの…どうでしょう?」
「今更だなーもうとっくに友達だよ」
「ほ、本当ですか…?」
「本当さ」
「ありがとう…ございます……憧れていたんです…仲間とか……信頼とか…命令じゃない…皆を思いやる関係性を……あ…」
シエルは少し赤くなる
「もう一つ…不躾なお願いがあるんですけど……貴方を呼ぶとき……ヒロって、呼んでいいですか?」
「全然いいよ」
「ありがとう……ヒロが…私にとっての、初めての……友達です…本当に……ありがとう…」
シエルは赤く染まった頬で微笑む
「少しだけ、皆と仲良くなる…自信がついた気がします」
それからシエルとよく話すようになった。シエル自身も他の人と積極的に話すようになった
ロビー
「ねぇーヒロ」
ナナに呼ばれた
「どうした?」
ナナは少し不機嫌なような気がする
「ヒロは最近よくシエルちゃんと話しているよね」
「まあ…そうだな。話しかけられるときの方が多いけど」
「シエルちゃん、ヒロと話す時はいつもと違う雰囲気なんだよね」
「そうなの?」
俺はよくわからんな
「そうだよ!やっぱりヒロは誰とでも仲良くなっちゃうから……」
少し寂しそうな顔をする
「ナナ……?」
「あ、ううん、なんでもない!副隊長なんだからみんなのサポートもしっかりね!」
「お、おう」
そう言ってナナは急ぐように去っていった
フライア 4階 廊下
「はぁ……何言ってるんだろ…私…」
ナナのため息は寂しさがこもっていた
カノン誕生日おめでとう
物語の都合上誕生日の内容が書けません
ごめんなさい。
本編が終わったら書きたいですね