何故だろう
どうしてこの世界はこんなにも懐かしく思うのだろう
来たことはないはずなのに
いや、来たことがあるのか?この場所に…
空が赤くなる
俺は本能であの雲から降る赤い雨が危険であると察し雨宿りできる場所を探す
俺は洞窟に身を潜める
赤い雨が降ってきた。しばらくはここから出れそうにない。ふと、女性が思い浮かぶ。自分より少し背が低い…
顔は靄がかかって思い出せない
一つわかるのは俺はその女性を知っていた、会ったことがあるということ
いつ?どこで?
「あっ」
そうだ…何かをあげたんだ…大切な何かを…
フライア
「神機兵の護衛任務ねぇ……」
俺たちはグレム局長から神機兵護衛任務を言い渡された。簡単に言えば梅雨払いをしろということだ
「何が神機兵が主役だよ、俺たちが任務やった方が絶対早く終わるぜ」
「まあまあヒロ、ほら、おでんパン食べて落ち着いて」
ナナからおでんパンを貰う
「今回の任務は二チームに分ける、俺とシエル。あとはお前たちだ」
ジュリウスが提案する
「「了解」」
「アラガミは無傷の状態かつ、一対一の状況を作る。タイマンじゃないと殺りあえんとは呆れたものだな」
隊長も気にくわない様子だ
「お前たちの気持ちもわかるが、しっかりと任務を遂行してくれ」
隊長は俺を見る。俺は黙って頷く
蒼氷の峡谷
「討伐対象はコンゴウとシユウまずは俺とシエルでコンゴウを誘導する。お前たちはシユウを頼む」
二手に分かれ任務を開始する
ピクニックチーム
「シエル、頼む」
「了解です」
シエルはスナイパーで2体のコンゴウに牽制する
気づいたコンゴウはこちらに向かってくる
「よし、A地点までシエル。俺はC地点まで誘導する」
ドゥエリストチーム
「俺は手札から速攻魔法サイクロンを発動!」
俺はブラッドアーツを発動し自身の周りに風を巻き起こす
「何やってんの?お前…」
シユウはこちらに気づき向かってくる
「見ての通りさ」
「まあいいや、F地点まで誘導しよう!」
カギッ!ガチャ!ガチャ!
ザシュ!
「いけ!そこでアッパーだ!」
「いや、ボディブローだ!」
「バカヤロウ!そこはバックステップからのローキックだろ!」
「そこだ!アイアンテール!!」
俺とロミオは必死に見守る
ナナとギルは呆れている
「お前ら仲良いな……」
「私たちならもう倒してるよー」
確かにタイマンだというのにかれこれ15分は戦っている
「何にらめっこしてるんだ!殴り込めぇ!」
俺とロミオは地面をバンバン叩いてヤジを飛ばす
「……!」
ザシュ!!
ブシィィィィ!
「よっしゃ!トドメだ!滅びのバースト◯トリーム!!」
ブシャァァア!
神機兵はシユウを倒した! 12経験値得た
「よくやった!戻れ!ジーキヘイ!」
「誰だよ……」
「こちらドゥエリストチーム。神機兵のシユウ討伐を確認。帰投準備にはいる」
「なぁヒロ」
「どうしたんです?ロミオ先輩」
「ドゥエリストって何?」
「さあ?」
「えぇ……」
「おい!あれ見ろ!」
ギルが指す方を見る
「あ、あれって…」
フライア
「ブラッドはまだ現場か!」
先に帰っていたジュリウスは慌てた様子でフランに確認をとる
「神機兵βはまだ戦闘中です」
「帰りに赤い雲を見た…あれは…」
「まさか!赤乱雲……!」
『こちらギル。ここからも赤乱雲を確認した』
『噂には聞いていたけど…すげー』
『こちらシエル!神機兵βの背部に大きな損傷!フライア、判断願います!』
「背部だと!?ばかなっ 回避制御の調整が甘かったか?いや、空間把握処理の問題か?くそぉ!なんでだ!?」
「各自早急に撤退しろ!一刻を争うぞ!」
『ここはすでに赤い雨が降り始めましたここからの移動は困難です』
「くっ!各自防護服を着用、シエルの救護に向かってくれ!」
ロビーの階段からグレム局長がやって来た
「おい!勝手な命令を出すな!」
「…グレム局長…」
「神機兵が最優先だろ!おい、神機兵を護り続けろ!」
ドン!
ジュリウスが机を叩く
「人命軽視も甚だしい!貴方もあの雨の恐ろしさを知っているはずだ!」
『隊長…隊長の命令には従えません』
「シエル……!」
『救援は不要です……不十分な装備での救援活動は赤い雨の二次災害を招きます。更新された任務を遂行します』
「シエル!応答しろ!シエル!」
「無線が切られています……」
「ふん、なかなか良くしつけているじゃないか。結構、結構」
『……あのー、隊長』
「どうした?ナナ!」
『副隊長がね…神機兵に乗って行っちゃった』
「な、何だと!?」
グレム局長は唖然とする
ビビっ
『あー聞こえてますか?』
「神機兵θから通信です!現在βに向かって進行中です!」
「ヒロか!」
「グレム局長、そこにいるんだろ?」
「な、なんだ」
グレム局長は顔をしかめる
それはヒロとは思えない冷たく怒りが込められた声だった
『神機兵が最優先?ふざけたことほざいてんじゃねーよ。いいか?神機兵はいくらでも量産できるがな、人の命はそんなことできねーんだよ。まさか、あんたみたいなお偉いさんがこんなオモチャより人の命が安いなんて思ってんじゃねーだろうな?戦場に出たこともねぇ甘ちゃんが調子に乗ってんじゃねぇぞ!!』
「くっ……なんだ…こいつはっ!」
『はっ!なんだ言いたいことでもあるのか?悪いが人命軽視するオッサンより必死に人命救助するクソヤローの方が案外人に恵まれることもあるのさ。言いたいことは以上だ。後で懲罰房でも入ってやるからそこで大人しくしてな』
そこで通信が切れる
グレム局長は何も言えず悔しそうにその場を去った
「ははははっ!」
ジュリウスは笑いブラッドに連絡する
「シエルとヒロ以外は即時撤退だ。あの二人のことだ、どうせ生きて帰る」
蒼氷の峡谷
シエルは神機兵で赤い雨を避けていた
「グオォォオ!」
「くっ!」
空からシユウが降りて来た
こちらを捕食せんと睨んでいる
「グオオ!」
シユウは飛び上がりシエルに突進する
「……!」
ドシィィィイ!!
何が起きたのか、顔を上げる
そこには神機兵がシユウを木っ端微塵に吹き飛ばしていた
『シエル!無事か!』
「えっ……ヒロ…?」
『なんとか間に合ったようだな』
ヒロが乗った神機兵はシエルを覆い被さるように包む
フライア 懲罰房
懲罰房に入れられたヒロにシエルが会いに来た
「……君の行動には理解に苦しみます……こうなることをわかっていてあんな行動を…?」
「えっと…そんな感じ…かな?」
まあ自分で言ったんだけど
「神機兵の搭乗には入念な事前検査が必要なんですよ…最悪、命を落とすことだってあるのに…ホント君は…命令違反だらけですね…」
ヒロは真剣な表情になる
「シエル、俺は仲間を見殺しにするぐらいならどんな任務でも放棄して助けに行く。俺にとってブラッドのみんなは、命令よりも…自分よりも…守りたい、大切な人なんだ」
「っ!」
シエルは何かを感じたのか目を見開く。そして俺の手をぎゅっと握る
「命令よりも…自分よりも……守りたい…大切な人…とっても、暖かいですね…」
この時シエルは自身の中で何かが目覚めた感覚がした
この瞬間二人目の血の力が覚醒した
ドゥエリストは誤字ではありません。意図的に書いています
これから投稿ペース落ちるかも