神と人と愉快な仲間達   作:パルモン

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オリジナル作品も書いてみたいですね


フラッキング・ギル

「ねぇ…ギル…」

 

ギルは一人の女性を見つめる。その目には涙が浮かんでいた

 

「私を…殺して…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!」

目を覚ますとラウンジにいた。いつの間にか居眠りしてしまったようだ

 

「ケイトさん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エイジス

 

ヒロとコウタとカノンとエリナはエイジスに湧き出たアラガミの討伐をしていた

 

 

「小型種が数匹いるようだ。囲まれないように気をつけて戦おう!」

 

「「了解!」」

 

 

 

カノンとコウタはキャリアも積み、先輩として、部隊の隊長と副隊長として、素晴らしい成長を遂げた。元第一部隊のメンバーも世界中の支部に名を轟かせるほどになった。特にリンドウとユウは有名だ。リンドウは生きる伝説と言われ、ユウは極東に神薙ユウありと言われるほどの実力者である。そしてその二人に劣らないほどの実力を持った人がもう一人いたという噂が出ている

 

 

 

エイジスから見える月は3年前のあの日と何も変わっていない

 

やけに明るく夜を照らし、迷える者達を導くかのようにそこに在り続ける

 

 

 

「よしっ!任務完了だな!」

 

「これぐらい楽勝よ!」

 

コウタとエリナがハイタッチする

 

「ヒロさん、お疲れ様でした」

 

「お疲れ様です。やっぱり極東の皆さんの戦い方はすごい参考になるよ。なんかもう次元が違うみたいな感じがする」

 

「「それほどでもぉ」」

 

三人揃って照れる

 

「それじゃ、帰るか」

 

「っ!待ってください」

 

ヒロは何かを察したかのように警戒する

 

「どうした?ヒロ」

 

「何か……来ます…」

 

それを聞いた三人も神機を構える

 

ビビっ

 

『皆さん!想定外のアラガミが侵入します!この反応…おそらく新種と思われます!状況を確認して撤退か、討伐か判断して下さい!』

 

ヒバリのアナウンスがはいる

 

「了解!みんな!接近は避けて遠距離からの砲撃で敵の行動を把握しつつ、現時点で討伐可能ならそのまま続行、不可能ならスタングレネードを使って撤退する!」

 

コウタが指示する

 

「「了解!」」

 

「感応種なら即時撤退ですね!」

 

「感応種なら俺がしんがりをするからどんな能力か分かったらすぐに撤退しよう!」

 

「ヒロ、任せたぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グオォォォオオ!!」

 

「あ、あれは!」

 

エイジスに現れたそのアラガミは体が赤いカリギュラだった

 

「警戒しろ!おそらく新種だ!」

 

感応種ではなさそうだが、新種となると十分に警戒しなければならない

 

 

しかし

 

 

『そのアラガミはかなり衰弱しているようです!今のうちに倒した方がいいかもしれません!』

 

ヒバリさんの言う通り、赤いカリギュラはブレード部分にはヒビが入り、全身に傷を負い、背中には誰かの神機が刺さっている

 

「きっとあの神機の持ち主が命をかけてあいつを弱らせたんだ…俺たちはあのアラガミを倒して仇を討とう!」

 

 

すると

 

「グオ…オオオ」

 

赤いカリギュラはこちらに背を向け逃げていった

 

「なっ!逃げた!」

 

「っ!」

 

赤いカリギュラが去る直前、カノンは背中にあった傷を見て目を見開いた

 

その傷はまるでチャージクラッシュで切り裂かれたような跡だった。背中に刺されたロングブレードではできないほどの傷だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

極東支部

 

私たちは支部長室に行き今回のことを伝えた

 

「ふむ、傷を負った新種のカリギュラ…そして背中にはロングブレードが刺さっており、チャージクラッシュで斬られた跡があるか」

 

「あ、チャージクラッシュかどうかはわかりませんが、キワムとよく任務に行ってて、彼がチャージクラッシュを頻繁に使用して、その時アラガミにつけていた傷に似ていたので…」

 

「確かに断定はできないが、その可能性は十分にあると思うね」

 

 

アラガミの状態からして、すぐにけりをつけた方がいいということで明日作戦が実行される

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウンジ

 

「おー!ブラッドの副隊長さん」

 

「あ、ハルさん」

 

ラウンジの奥の窓際の席に座っていた俺はハルさんに話しかけられた

 

「隣、いいか?」

 

「あ、はい」

 

「だーい丈夫、男を口説く趣味なんてねーよ」

 

 

 

 

 

 

ハルさんとはいろんな話をした。俺が神機兵に乗ってシエルを救出したこと、グレム局長に暴言を浴びせたこと。血の力について、ブラッドについてなど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハルさん、ギルのことについて教えてくれませんか?」

 

「やっぱあいつ自分のことは何も言ってないんだな」

 

 

ハルさんは天井を見上げ、少し間を置く

 

「そうだなぁ……」

 

それから聞いた話はギルとハルさんがグラスコー支部にいた頃の話だった。三人だけの神機使いがいる支部で、ハルさん、ギル、そして、ケイトさんという女性の隊長がいたそうだ

 

ある日の任務。いつも通り作戦を遂行していた三人は突如新種のアラガミに遭遇し、別行動をしていたギルとケイトさんが二人でそのアラガミと戦闘した。その結果、アラガミに傷を負わせたものの、逃げられ、ケイトさんは腕輪が故障しアラガミ化が始まった

 

隊員がアラガミ化が始まった場合、その場で処理するのがセオリーであり、決まりである。ギルは苦渋の決断でケイトさんのアラガミ化を止めた。つまり……

 

 

 

「ケイトさんを…」

 

「そうだ。本人の希望もあったんだ。俺が駆けつけた時にはケイトの服の一部が地面に落ちていて、ケイトの腕輪を大事に抱え泣き崩れていたギルがいたよ…」

 

 

「………」

 

言葉が出ない。知らなかった。ギルにそんな過去があったなんて…

 

 

「おっと、すまんな。柄になく暗い話をしてしまったな。ありがとな、聞いてくれて。お前はなんていうか誰にでも好かれるみたいな感じがするよ」

 

「ははは、ありがとうございます」

 

少し、疑問に思ったことを聞いた

 

「その新種のアラガミってどんなやつだったんですか?」

 

「赤いカリギュラだよ」

 

「えっ!」

 

それってあの時の……!

 

「ん?どうした?」

 

「ハルさん、落ち着いて聞いて下さい」

 

エイジスでのことをハルさんに話した

 

「ほ、本当か!?」

 

ハルさんは立ち上がり険しい表情をする

 

「やっと…やっとだ……」

 

「ハルさん…」

 

「ああ、わかってる。作戦は明日だな?しっかり準備するさ。あの時の二の舞はしない」

 

 

奥からこちらに走ってきている足音がする

 

がばっ!

 

「ぐおっ」

 

ギルが血相を変えて俺の肩を掴む

 

「今の話…本当なんだな!!?」

 

「ちょっギル!」

 

「場所はどこだ!」

 

「おい、待てギル!」

 

ハルさんがギルを宥める

 

「いいか、今は焦ってもどうしようもない。作戦は明日だ。今から最善の準備をしろ」

 

「くっ…すみません…」

 

「わかればいいさ。それにヒロには明日の任務に同行してもらう」

 

「なっ!ヒロは関係ないでしょう!?」

 

「こいつに俺たちの過去を教えた。もう他人事じゃないさ」

 

「ちぃ……」

 

ギルは帽子を深く被る

 

「……わかりました」

 

渋々納得する

 

 

 

 

 

 

 

明日の作戦は俺とギルとハルさんの三人で行う。任務に私情を挟むのは危険であるが、これは二人にとってはケジメのようなものだ。縛られた過去の自分を解き放つため、因縁のアラガミとの決戦に備える

 

 

 

 

 

 

 




因縁の戦いが幕を上げる
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