ジュリウスは目を閉じ死を覚悟した
ドツ!
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だが、痛みはいつまでも感じない
目を開けると
「……!」
目の前には同じく右腕だけ異形の腕をした男が
「お前は……!」
「……やっと見つけた…」
ブン!
「くっ」
その男は敵の神機らしきものを振り払う
そして
バキッ!
「ガッ」
敵の顔をぶん殴り吹き飛ばす
敵は転がり壁に激突する
「お前の仲間はさっき見かけたやつらか…」
その男は俺の腕を掴む
「後はなんとかしてくれ」
「え?」
そう言うと思いきりブラッドが撤退した方に投げ飛ばした
「えぇぇぇぇぇぇぇええ!!?」
普通ではあり得ない腕力でジュリウスは投げ飛ばされその先は……
「おい!」
ギルが空を指す
「あぁぁぁぁぁぁああ!!」
ジュリウスが飛んで来た
みんなサッと避ける
ズボォォオ!!
ジュリウスは地面に突き刺さった
「おいおい!死んだんじゃ…!」
ロミオが焦る
ズボっ
ギルがジュリウスを地面から抜き出す
ジュリウスは泣いていた
「受け止めてよ………」
「「ごめんなさい」」
「お前……」
殴られた
「やっとだな……キワム」
「それが俺の名前なんだな」
キワムはその名を聞いて欠けていたピースが一つ埋まった感覚がした
「やっぱり、どうりで俺の名前を知ってるわけだ」
「…あの時」
それはキワムがまだ月に行く前———————
いつものようにキワムは任務をこなして極東に帰ってくる
「おーう!キワム!今日の配給品はなんだと思う?」
リンドウさんが手を後ろに隠している。明らかに怪しい
「また変なもんすか?」
呆れて尋ねる
「ほら、新種のジャイアントトウモロコシだ」
「それ味しないじゃないですかー」
「あ、それもらっていいかい?」
「誰だよ、お前」
あの時リンドウさんのジャイアントトウモロコシを持っていった…!
「シゲル!!」
「いや違うね」
「え?」
「違うな…全然」
「ジャイアントトウモロコシ持っていったシゲル」
「誰だよ」
「あ、スモールトウモロコシ……」
「いや、大きさ関係ないから。トウモロコシ関係ないから」
「え?あの日から仲良くなったけど、すぐにどっか行って……あ、わかった。あの時トイレを詰まらせて掃除のおばちゃんを怒らせた」
「エリックじゃねぇぇよ!!」
「え?」
「シゲルでもなんでもねぇじゃねぇかぁぁ!」
「はぁ……」
「俺はお前だ。そして、お前は俺だ。俺はお前の純粋なアラガミの部分だ」
キワムは赤い目でキワムを睨む
「いや……ちょっと」
キワムは首をかしげる
「ん?」
「同じキワムってあれじゃね?ダメじゃね?どっちが喋ってるかわからなくね?」
「………そうだな」
「片腕アラガミの俺がキワムで、両腕アラガミのお前が
「おけ、わかった」
「続きどうぞ」
「俺はお前の記憶を持っている。お前よりはるかに多い記憶をな」
「で、どうするつもりだ?」
「お前はその虚ろな目で何を見ている?何を探し、何を求める?」
キワムは自分が求め続けているものがある。だが、それが何なのか、誰なのか、思い出せない。つまり目の前のやつが持っているということだ
「グオォォオ!!」
「邪魔が入ったな」
キワムも同じく構える
「一旦休戦にして後でゆっくり話し合おうぜ」
「そうするか」
大量のアラガミが押し寄せてくる
これはナナだけの力ではない。別の何かが、まるでアラガミの指揮をとるかのように操る存在がいる
極東支部
『緊急事態です!大量のアラガミが極東支部に向かっているのを確認!各位、至急戦闘準備、並びに極東支部へ帰還して下さい!』
アナグラに緊張が走る
三年前、同じように大量のアラガミが押し寄せてきたことがある。
だが、今極東支部には三年前のメンバーがいる
ソーマ、アリア、コウタ、カノン、そしてシオ
彼らはこの三年間で成長した。進化するのはアラガミだけじゃない。ゴッドイーターも進化し続ける
「今回は居住区に侵入される前にカタをつけるぞ」
ソーマはバスターブレイドを担ぎアラガミを迎え撃つ。他のメンバーもアラガミを迎撃を始める
「おし、行くか!」
「了解!」
第四部隊とエリナとエミールも出撃する
アラガミを次々と蹴散らしていく
捕食、斬撃、銃撃、打撃、突撃、共に戦場を駆けた相棒を握り神を喰らう者は防衛戦を戦い抜く
かつての第一部隊は三年前以上の力で圧倒し、アラガミを居住区に近づけさせない
他の部隊も激戦区を戦い抜いてきた者に相応しい戦闘を繰り広げる
『ブラッド隊、加勢する!』
回復錠で復活したジュリウス率いるブラッドも戦場に赴く
ビビっ!
『こことは違うエリアでも急速にアラガミが減少しています!この特徴……おそらく
「来たな」
コウタはアサルトを握る力が強くなる
「どんなやつだろうとぶった斬るだけだ」
「しおもぶったぎるぞー!」
「もうあの時の失態はしません!」
「私も皆さんに負けませんから!」
ガシャン!ガシャン!
神機兵も戦場投入され、こちらが優勢に推し進める
万が一に備え、居住区の人たちは避難させている。もう同じ失敗はしない
ビビ!
『こ、これは!?』
「どうした!?ビバリ!」
『この反応…感応種です!特殊な偏食場パルスを確認!周りにアラガミを従え、こちらに接近しています!』
「ならば、我々が対処しよう」
ジュリウスが答える
「任せました!どうか気をつけて!」
アリサが無線越しに伝える
「承知した!行くぞ!ブラッド!今こそブラッドの力を発揮する時だ!」
「「了解!」」
ビビ!
『ブラッドのみんな!きこえるかい!?』
その声はサカキ博士だった
「え?博士!?」
コウタや他の人も驚く
『ナナ君が医療室からいなくなったんだ!まだ血の力を制御しきれていない!このままだとかなり危険だ!』
「まずいな…ヒロは?」
「今ナナ君を追いかけている。彼女はどうやら輸送用の車でアラガミの注意を引きつつ極東支部から離れていってる」
「くっ!やむを得ん!シエル、ギル!副隊長の支援に行ってくれ!」
「二人では危険です!」
「へへっ大丈夫だって!ブラッドとしてのキャリアは俺とジュリウスが先輩なんだから、ここは俺たちに任せな!」
ロミオはグーサインを作ってニシシと笑う
「すぐに戻る!」
そう言ってギルとシエルはナナのもとへと向かう
鎮魂の廃寺
ナナは一人アラガミの群れと戦っていた
「ギャオオオ!」
「おりゃあ!」
ゴキッ!
「ギャアァァア!」
「…はぁ…はぁ…はぁ…」
本調子でない体では限界がある。いつもより息切れが激しい中でなんとか耐え抜く
「…みんなに…もう迷惑かけられない」
「グオオオ!」
「くっ!」
なんとかアラガミの攻撃をかわし、ブーストを点火し、間合いを一気に詰め殴り飛ばす
ドカン!
「ギャオオオ!」
「うぐっ」
ナナは疲労し切っているのもあり、うまく止まれず壁にぶつかる
ドン!
「うわぁっ!」
ドサっ
そのまま地面に倒れる
体が痙攣している
震える手で神機を握る
「グオオオ!」
そこに現れたヴァジュラが襲って来る
ビュウウウウ!
ナナはブーストを起動させなんとか避ける
が、そのまま地面に打ちつけられながら転がる
「あっ……げほっ」
「ギャオオオ!」
さらにシユウが現れる
自身がアラガミを呼んでいるのだ
もう避ける気力はない
シユウの火の玉が直撃する
「………」
激痛と熱さが体を襲うが悲鳴すら上がらない
そしてヴァジュラの電撃をもらう
「あ''っ!」
黒い煙を上げながらナナは抵抗することもできず吹き飛ばされ地面をすりながら何度も地面に叩きつけられる
ドツ!
「………う…」
何かにぶつかる。途端に消えかけた意識が急速に回復する。回復柱だ
「……え?」
徐々に口の中で血の味がしてくる。自分がこれだけ吐血していたことにすら気づかなかった
「大丈夫か!?ナナ!」
「ヒロ…」
意識が途切れかけたことで血の力は収まったようだ
「ホントに心配したんだぞ!」
ヒロは涙目になっている
「…ごめんなさい……私…」
「一人でなんでもしようとするな!もっと仲間を頼れ!死んだらどうすんだ!!」
ヒロの怒涛の叫びにビクッとする
「一旦あいつらを潰す」
ヒロは回復球を二つ起動させナナを包み込ませる
そしてヒロはブラッドアーツを発動、蒼い輝きはさらに増し、進化しているのがわかる
どっ!
血を蹴りアラガミに突撃する
「グオオオ!」
ブシ!ザシュ!ドツ!
ブシィィィィ!!
ゴキッ!
ジュリウスに引けをとらないほどの神速の乱撃はアラガミを破壊していく
「おらぁ!」
ヴァジュラをズタズタにしてとどめに口の中に神機を突っ込みアサルトを乱射
ブシィィィィ!!
ブシ!ブシ!
ブチ!!
血飛沫をこれでもかと上げ絶命する
「ギャオオオ!」
シユウが低空飛行からの突進してくる
ヒロは正面に立ちゆっくりと神機を振り上げる
すると赤いオラクルが溢れて出しヒロを覆う。その姿はまるで鬼のようだった
「落花ノ太刀!」
ドシュゥゥゥウ!!
ブシィィィィイイ!!
シユウを真っ二つに斬り裂きシユウはその一撃で絶命する
彼らの周りを散りばめるオラクルはまるで紅桜のように美しく散った
ヒロはこちらを振り向くとゆっくりと近づく
ナナはビクッと縮こまる
ビンタを覚悟した
「ナナ……」
「……はい…」
ナナは目を瞑る
コツっ
ヒロはナナの頭に軽く拳をぶつけた
「え?」
「無事で良かった」
その一言で自分の溢れ出す感情を素直に爆発させた
今度は暴走ではない
「うわぁぁぁぁあん!ごめんなさい……!ごめんなさい……!」
ヒロはそっとナナを抱き寄せる
「一人じゃないから…仲間がいるから…みんなを信じて、どんな困難でもみんなで乗り越ればいい…」
「うん……!」
ピシィィィイン!
ナナの血の力が覚醒した
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この前新しい小説を買いました。だから何ってね。