神と人と愉快な仲間達   作:パルモン

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旧友

キワムとカノンはフライア内に入っていた

 

二人ともフライアに来るのは初めてであり、豪勢な施設に思わず感嘆の声を上げていた

 

「凄い施設ですね」

 

カノンの言葉に頷き周囲を見渡しているとロビーの受付場に立っていた金髪の少女が話しかけてきた

 

「貴方達は確か極東の…」

 

「は、はい!台場カノンと申します!こちらは神羅キワムです!」

 

「ブラッドの副隊長さんから聞いてるよ。フランさんだよな」

 

「はい。今回はラケル博士にお会いにいらしたんですよね」

 

彼女の言葉に頷き、ラケル博士がいる部屋の場所を教えてもらった。これだけ大きな施設だと迷子になりそうである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラケルの部屋の前

 

二人はフランの案内を受けてラケルの部屋の前に来た。キワムは彼女と対面するのは二回目であるが、正直面と向かって話をしていないので少し緊張していた

 

「ラケル博士、キワムです」

 

「どうぞ」

 

中からラケルの声が聞こえ、カノンと目を合わせた後、扉を開いた

 

中に入ると画面がたくさん映し出されており、様々な情報が閲覧されているのがわかる

 

「待っていたわ。今回はどんな用件で?」

 

どこか不思議なオーラが漂った笑みは何を考えているのかわからなかった

 

二人は慎重に話を切り出す

 

「一度ラケル博士とは支部長室前ですれ違いましたが、ちゃんとお話ししていなかったので」

 

「それは親切にありがとう」

 

特に変わった様子はないようだ

 

二人はブラッドのことや感応種などについて聞いた

 

そして本題に入った

 

「先日黒蛛病患者が全員姿を消した件についてご存知ですか?」

 

一瞬ピクッと反応したことをキワムは見逃さなかった

 

「……えぇ、サカキ博士から連絡を受けたわ。私たちも出来る限り原因の追求に尽力しますね」

 

「では、サカキ博士の現状についてもご存知で?」

 

ラケルは想定外の質問だったのか戸惑いを見せる

 

「それは…知りませんわ」

 

「そうですか…今サカキ博士は今回の件で責任を追求されています。博士につけられた疑惑と誤解を解決するためにもラケル博士やブラッドにも協力をお願いしようと思いまして」

 

ラケルはキワムが何を聞き出したいのかよくわからなかった。そのため曖昧な返事をしてしまう

 

「ええ…もちろん」

 

キワムはフッと笑みを浮かべる

 

そして

 

 

 

「どこに黒蛛病患者を連れ込んだんですか?」

 

「っ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フライア 庭園

 

「久しぶりだな、ロミオ」

 

「……!リヴィ…か?」

 

何年ぶりの再会か、ロミオは一人の少女を見て目を見開いたまま動かなかった。彼女…リヴィ・コネットとは幼い頃に面識があった。そしてある約束をしていた

 

「まだあの時の約束を果たせていないのかもしれないが、またこうやって会えたのも何かの縁なのだろうな」

 

リヴィは包帯で巻かれた右腕を撫でながら呟いた

 

ロミオはその右腕が気になったが彼女との再会を素直に喜び、そのことについては後で聞けばいいと思った

 

「ほんとに久しぶりだな!今までどうしてたんだ?」

 

マグノリア=コンパスで共に過ごした日々を懐かしく思い出しながらロミオは現状についてきいてみた

 

「私は……」

 

少し影を落とした表情を浮かべるリヴィにとっさにロミオは拒否した

 

「言いづらいならいいんだよっ!」

 

「…すまない、話せる時がきたら話す」

 

「ああ…」

 

ロミオは自分の現状について教えた。ブラッドのことや極東のこと、新たな仲間たちのこと

 

「皆すげぇよなー。どんどん強くなっていってさ…ブラッドだけなら俺はジュリウスの次に入ったってのに、すぐに皆に追い抜かれて…ブラッドアーツは使えるけど、血の目覚めがないのはもう俺だけなんだよな」

 

ロミオのその言葉には焦りが見える

 

リヴィはかける言葉が見つからず、黙ってロミオの話を聞いていた

 

ロミオは明るく振舞っているが、それが空元気であることは目に見えていた

 

久々の再会は嬉しくも複雑な気持ちだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラケルの部屋

 

その場は沈黙が続いていた

 

「———————やはり、貴方は……ですね」

 

ラケルの言葉に二人は首を傾げた。最後の言葉は上手く聴き取れなかった

 

「何のことですか…?」

 

カノンが恐る恐る問う。ラケルは一度下を向くと、いつもの考えが読めない笑みを浮かべる

 

「少し、お話をしませんか?」

 

ラケルの唐突の提案に戸惑いを見せる二人。ラケルはフフっと笑うと静かに語り始めた

 

「これは、今から14年前のお話—————」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 ヨーロッパ支部

 

「おーし!そんじゃ、行こうかぁ」

 

白の制服の背中にフェンリルマークを背負った二人がヘリに乗り込む。一人は金髪の青眼で穏やかな表情をしており、もう一人は黒髪に黒目で生きる伝説と呼ばれるに相応しい体格と幾多もの死線を乗り越えてきた強者のオーラを放っている

 

「久々の故郷だ。あいつらもきっと成長してるんだろうなぁ」

 

煙草に火をつけ一服する彼ともう一人の彼も懐かしい思いに浸っていた

 

「アリサ元気にしてるかなぁ」

 

「おーおーお暑いですなー」

 

苦笑いを浮かべる彼と煙草を吸う彼に声がかけられる

 

「神薙中尉、リンドウ中尉、ヘリの離陸準備ができました」

 

「へいよー」

 

ユウとリンドウは懐かしい我が家に向かおうとしていた。極東に迫る脅威の排除、そして、追い求めているあるアラガミを突き止めるため……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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