神と人と愉快な仲間達   作:パルモン

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作戦失敗

最強の三人が揃ったその戦場ではただならぬオーラが放たれていた。食うか食われるか、その世界を生き抜いてきた三人には経験に裏打ちされた落ち着いた様子だった

 

「さっさと終わらせて一杯やろうぜ」

 

「いや、今そんな状況じゃないんですけど!?」

 

久々にツッコミを入れたキワムは懐かしい感覚と嬉しさがこみ上げてきた

 

「キワムさん、リンドウさん、行きましょう!!」

 

ユウの掛け声で一斉にハンニバルに迫る

 

ハンニバルが紫色に輝く炎を三方向に吐き出す。その火の玉はホーミングし、キワムたちに襲いかかる

 

それに対しキワムがチャージクラッシュで三つの炎を打ち消し、リンドウとユウがハンニバルに接近する

 

「合わせろ!」

「了解!」

 

ブシィィィィイ!!

 

ハンニバルの体をクロスに切り裂く

 

「ギャオオオァォオ!!」

 

血飛沫を撒き散らしハンニバルはダウンする

 

「攻め時だぁ!」

 

リンドウが真っ先に捕食、続いてユウ、キワムが捕食をする

 

「おおおぉおぉおお!!!」

 

ユウとキワムは同様に銃形態に変えキワムはリンドウに二つ、ユウに一つオラクルの受け渡しをし、ユウはリンドウに一つ、キワムに二つ渡し、全員フルバースト状態になる

 

「一気に決める!」

 

ユウが神速でハンニバルに詰め寄る

 

が、ハンニバルもそれに対し反撃をする

 

「くっ!」

 

ユウは装甲で攻撃を受け止める

 

「もらったぁ!」

 

直後、リンドウが側面からハンニバルを斬り伏せる

 

「大人しくしとけよぉ!」

 

ザシュ!

ブシィィィィ!!

 

「グオォ!!」

 

ユウも追撃をし、ハンニバルの足を切り裂き動きを止める

 

「今だ!キワム!!」

 

「おおぉぉぉぉおお!!」

 

キワムは金色に輝くチャージクラッシュを溜め終わり、たなびく風を浴びながら神機を思い切り振り下ろす

 

「くらえぇ!ジ・エンドぉ!!」

 

ドゴオオオアォオォォァォォオ

 

ブシャァァァア!!

 

一撃でハンニバルがいたその場所は血の沼と化し、跡形もなく葬り去った

 

「おいおい、もう終わりか!?」

 

ガシャッと機械音を出しながらリンドウは神機を肩に担ぐ

 

他の神機使いならば死闘は免れないだろう。しかし、この三人にかかればもはや倒せないアラガミはいないかもしれない

 

「さて、こっちの仕事も終わったしブラッドのみんなの様子を見に行こうか」

 

「了解だーキワム殿」

「はい」

 

三人は遠くに見えるフライアに向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フライア 神機兵保管室

 

ギィイイィィィイン!!

 

ドゴォオオオン!!

 

「うわぁっ!!」

 

「ナナ!」

 

ナナは吹き飛ばされ地面を転がる。それをヒロがなんとか受け止める

 

「ごめん、ありがとう…」

 

「大丈夫、一旦下がって」

 

「うん……」

 

神機兵零式の怒涛の攻撃にブラッドの皆は満身創痍で戦っていた。長期戦になれば確実にこちらが不利になるのは考えなくてもわかる

 

「うぉぉぉお!!」

 

ギルがチャージクラッシュを展開し突撃する

 

「グオォォオ!!」

 

神機兵零式が腕を振り払いギルを弾き飛ばす

 

「ぐあぁぁぁぁああ!!」

 

「ギルっ!!」

 

ギルは神機を地面に突き刺し勢いを殺す

 

「がはぁ!」

 

ギルは血を吐き出し呼吸も荒れている

 

「回復します!」

 

シエルが回復レーザーをギルに撃ち込み、ギルを貫通した後そのままナナに当たる

 

「助かった」

 

高密度なオラクル細胞を取り入れている神機兵零式はその巨体に関わらず機動力は通常の神機使いよりも遥かに上をゆく

 

それでもここで食い止めなければどの道終わりの時を迎えてしまう

 

「まだ…まだだ……!」

 

ヒロが神機兵零式に突進する

 

「うぉぉぉぉおぉぉお!」

 

零式が繰り出すパンチをギリギリ交わしその伸びきった腕の関節部分に神機を突き刺す

 

ブシィィ!

 

「効いた…!?」

 

一瞬の隙をついたヒロの一撃は確実にダメージを与えた

 

「ギギギギギ!」

 

鈍い音を立てながら神機が刺さったままの腕を振り上げ、ヒロも神機と一緒に持ち上げられる

 

「うお!?」

 

そしてその腕を思い切り地面に叩きつけた

 

ドゴォォオ!

 

「がっ……あ………………………」

 

「ヒロォォォォォオ!!」

 

ブシャァァァア

 

血しぶきをあげヒロは動かなくなった

 

トドメをささんと神機兵零式が再び腕を振り上げる

 

「もう…許さないんだからぁ!!」

 

ナナが高速のブーストで神機兵零式の顔面を強打し、そのまま顔を乱打する

 

「はぁああああ!!」

 

バコ!ボキ!ドゴ!ドゴ!ブン!バシ!

 

神機兵零式の顔にヒビが入りバチバチとショートする音が響く。ナナの怒りと連撃は怒涛の乱打となり追い詰めていく

 

「はぁ!!」

 

ビュゥゥウウウウウ!!

 

ブーストを最大に溜めたハンマーでフィニッシュを決める

 

「グギギギギ…」

 

その巨体が宙を浮き吹き飛ばされる

 

ドゴォンン

 

「す、すげぇ…」

 

ロミオはその光景をただ見ることしかできなかった。他のブラッドメンバーも同じ状態であった

 

動かなくなった神機兵零式はバチバチと音を立て起き上がってくる様子はない

 

「ヒロ!ねえ!ヒロ!しっかりしてよ!」

 

ナナがヒロの下に駆けつけて血だらけの彼に必死に呼びかける

 

「ヒロ!」

「おい!まだ終わるじゃねぇぞ!」

 

皆も集まり呼びかける

 

「……はは…だい…じょう…ぶ…」

 

かろうじてみんなに手を弱々しく振ってみせる

 

ナナはヒロの胸に手を置き意識を集中する

 

「今、私の元気分けてあげるから」

 

ナナがヒロにリンクエンドをし、ヒロの傷が癒えていく

 

「はぁ…ふぅ……」

 

ほとんどの体力をヒロに分け与え、少しよろけてしまう

 

「ごめん、助かったよ。ナナ」

 

「ううん、ヒロにはいっぱい恩があるからね」

 

少しホッとしたような表情を見せる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ…晩餐の始まりです」

 

「「………!!」」

 

一斉にその声がする方を見ると、神機兵零式の背に車椅子のまま乗っているラケルがいた

 

「始めましょう…世界のリセットを」

 

ゴゴゴガガガガガ

 

ブチッブチッグニュニュニュニュ

 

奇妙な音を立てながら神機兵零式から触手のようなものが辺り一面を覆うように溢れ出す

 

ビビっ

 

『ブラッドのみんな!無事かい!?』

 

「サカキ博士!」

 

「今君たちのいる地点から極力な感応波を受信した!おそらく…」

 

「終末捕食の始動ですか」

 

今まで存在が空気だったリビィが答えた

 

「リビィどこにいたんだ!?」

 

「この辺りを調べてた。どうやらこのフライアの半分近くが既にあの触手に覆われているようだ」

 

「じゃ、じゃあ俺たちが来た時から既に準備はできてたのか!?」

 

つまり、神機兵零式との戦いはあくまで時間稼ぎに過ぎなかった

 

しかし、ここで逃げれば未来はない。かといって何かを手段があるわけでもない

 

「このまま終わるってのか……!」

 

ギルが地面を殴りつける。皆もただその光景を見ることしかできなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだおわってないぞ!」

 

「えっ?」

 

その声の主はシオだった

 

「こっちはひみつへいきがいるからなー?」

 

「いや、俺兵器じゃねぇよ!?」

 

ツッコミながらキワムが後ろから駆けつけてきた

 

「キワムさん…」

 

キワムがゆっくりと歩み寄る

 

「…極東支部の全部隊にはな、ある掟があるんだ」

 

シオとキワムが息を揃える

 

「生きることから逃げるな」

「いきることからにげるな」

 

「———!!」

 

その言葉はブラッド全員の心に響いた

 

「でもどうやってこの状況を打開するんだ?何か策があるのか?」

 

するとキワムのシオは何やら不敵な笑みを浮かべる

 

「決まってるだろ。もちろん、あれに殴り込みに行くのさ」

 

一同は固まった。あれに殴り込みに行ってただで済むわけがない。むしろ命を捨てに行くようなものだ

 

「そんなこと……!」

 

キワムはヒロの肩に手を置き真剣な表情で見る

 

「ちょいと手を貸してくれないか?この作戦にはブラッドの副隊長さんの血の力が必要なんだ」

 

キワムはヒロと手のひらを合わせるように促す

 

「お前さんの血の力で俺の力を最大限に引き出してほしいんだ」

 

一刻を争う場面であり、ヒロはキワムの言う通りに手のひらを合わせ、意識を集中する

 

ピイィィィイン

 

「……サンキュー」

 

キワムからなんとなく先程とは違うオーラを感じる

 

そしてキワムはロミオの側に行くと神機を見つめる

 

「えっと…キワムさん?」

 

ロミオが不思議そうに見る

 

「この作戦はな、ロミオの血の力が必要不可欠なのさ」

 

そう言うとロミオの神機に触れる

 

「あ————」

 

声に出すよりも早くキワムが神機に触れたとたんロミオは内からなにか熱い、強いものが伝わってきた

 

「感じろ、自分を信じろ、内に眠る力を…!」

 

ロミオは目を閉じ、自分の中に眠る力に集中する

 

(みんなを守る力を俺に……!)

 

ピイィィィイン!!

 

ロミオの神機から強い光が溢れ出し、キワム達を飲み込み何も見えなくなった

 

 

 

 

 

 

 

 

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