side storyは同時進行で進めていきたいと思います。
第2部から読み始める方にもストーリーの内容がわかるように頑張ります。
もう一つの物語
2080年 2月21日 9時06分
深い、長い眠りについていた。
カプセルの蓋が開き、緑色の液体が溢れ出す。その瞬間、呼吸を思い出しむせながら這い出る。今の格好は全裸。動いていなかったにもかかわらず鍛え上げられた肉体は維持されたままだった。
外に出たものはいいが、ここで一つ問題が発生した。
「何も…思い出せない」
過去の記憶がないのだ。自分は何者で、何故こんなところにいるのか、これからどうすればいいのかも何もわからない。
四角い部屋で周りには機械がたくさん並んでいる。奥には上に上がる階段があり、出口はそこだけだ。
階段は鉄製で少し錆びついている。あまり派手に動くと壊れるかもしれない。階段を上がると天井に排気口のような網目状の吹き出し口が点々と並んでおり、前は灯りがなく真っ黒で何も見えない。
どこか肌寒く感じるため今は冬だろうか?暗くて何も見えないため状況の判断が難しい。
とにかくただひたすら壁に沿って真っ直ぐ進むことしかできない。
「……ん?」
少し歩いていると壁で行き止まりになっていた。手で探っているとドアノブらしき形状のものに触れた。それを握って右に回すとゆっくりとドアが開いた。
「うわ……眩しいな…」
突如流れ込んできた光が目を刺激し思わず顔を背けた。光が目に馴染んできたところで手をどかし目の前に広がる景色を見る。
その景色は廃墟と化した街、建物、ひび割れた地面、滅びた世界が広がっていた————————
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———2050年代、世界で初めてオラクル細胞が発見される。オラクル細胞は急速に発達。『考えて、喰らう細胞』は地球上のあらゆるものを捕食した。建物、兵器、人間……
それらを取り込みその性質を喰らうことで進化を遂げていったオラクル細胞は瞬く間に人類の生存圏を奪っていき、その脅威に人類はいつしか八百万の神々になぞらえてこのオラクル細胞の集合体の生物を『
2056年、フェンリルが『神機』の実用化に成功。アラガミには既存の兵器は全て無効化されていた状況の中、それまで抗う術がなかった人類に唯一の希望がもたらされた。
アラガミを倒すことの出来る唯一の方法、それはアラガミ自身の細胞を人体に連結し、兵器として操ること。
「神」に対抗する兵器「神機」をたずさえ戦う彼らのことを、人は「
翌年、2057年には世界各地で支部が展開され、ゴッドイーターの活躍により、人類の急速な衰退は和らいだ。
だが、それら全ての功績は過去のものとなった。
2079年、フェンリル本部、灰域の侵攻により壊滅——