神と人と愉快な仲間達   作:パルモン

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第2部と平行してやっていきます。

時系列はゴッドイーター2レイジバーストの本編終了後です。
ナナ・エリナ編1と2は第1部の完結話の後にあります。


side storyその1〜感謝のしるし〜ナナ・エリナ編3

 不意に立ち上がりナナは言った。

 

「今夜、一緒に私の実験についてきてくれませんか?」

 

 その声の大きさにラウンジにいたみんなが二人を見た。

 時は任務が終わり日が傾き始めた時間。疲れた体をだらしなく椅子に預け、注がれた紅茶をチビチビと飲んでいると突然隣に座っていたナナが大きな声でいつもの実験に誘ってきたのだ。

 前から何かコソコソとしていると思ったら案の定といったところだ。少し考えるふりをしているとナナがソワソワし始め、短い短パンを握りしめている。本当は自分から誘うつもりだったこともあり、断る理由もない。外に出るならば、アラガミに注意しなければならないため準備するから待ってと言うと弾けるような笑顔に変わり私も準備をするとダッシュでラウンジを出て行った。

 遅れてヒロもラウンジを出て自室に戻り携帯品の確認と神機の確認を済まし、エントランスに戻った。

 

「あ、ヒロさん!ナナさんと任務の受注がありますよ」

 

 ヒバリがヒロに手を振りながら任務の追加の知らせをする。了解と返事をして任務の詳細の確認をする。内容は小型アラガミが数匹というブラッドが受け持つには簡単過ぎる内容だった。しかし、常に人手不足のゴッドイーターにそんなことは言っていられない。出れる人がいるならすぐに済ませられる任務は済ませるべきだ。

 少し遅れてナナが来た。背中にリュックを背負い、今回は少し大掛かりな実験なのだろうか。

 

「よーし!それじゃ、さっそくレッツゴー!」

 

 元気よく腕を上げピクニックにでも行くかのようなテンションで出撃ゲートに向かう。

 

「ふっまるでピクニックだな」

 

「絶対くると思ったよジュリウス」

 

 どこからか入ってきたジュリウスをスルーして出撃ゲートに入る。

 

 

 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 嘆きの平原

 

 任務の内容は簡単なものだった。

 小型アラガミの掃討をし、任務はあっけなく終わった。今回はナナの実験に付き合うことが目的であるため助かるわけだが。

 

 しばらく周囲に湧いて出くるアラガミを狩り尽くし、安全を確認し落ち着いた頃合いを見計らってナナはヒロを近くの高台に誘った。

 

 今日のナナは任務中もどこかソワソワしており、今も表情が固い。動きもどこかぎこちなく距離も少しヒロと空けている。

 ヒロは何かナナの気に触るようなことをしてしまったのではないかと不安になる。だが、彼女の固い笑みはヒロに対しての嫌味や拒絶というのは一切感じず困惑してしまう。

 

「さ、さぁて!それじゃ、実験を行いたいと思います!」

 

 ナナはごそごそとアイテムポーチの中を漁り始めた。

 

「では、いきましょー!」

 

 ナナは取り出した何かを勢いよく地面に叩きつけた。

 

 目の前が真っ白になる。

 

 ヒロはふと今までのことを思い返した。ブラッドに配属されてすぐにジュリウスに実地訓練に呼び出されたナナと共に任務に向かった。その時、ジュリウスがゾーンに入って語っている矢先にオウガテイルの奇襲をヒロがナナを庇って守ろうとしたところをジュリウスが自身の腕に喰らいつかせて防いだ。

 

 任務の後に部隊の先輩であるロミオに出会いしばらく四人で任務をこなしていた。そして、ギル、シエル、極東の人たちに出会って、時には喧嘩をして、時には一緒に泣いて、笑って、かけがえのない日々を心に刻んでいった。

 

 それぞれが個人特有の血の力に目覚め、ブラッドアーツ、ブラッドバレッドを習得、感応種に対抗できる唯一の救いとして任務に励んだ。

 

 数多くの出会いでも特に印象強かった人はやはり、極東最強と呼ばれる三人。

 神薙ユウ、雨宮リンドウ、神羅キワム。この三人は今では全国の支部に名を轟かせるほどの人物だ。

 

 思い返せばこの出会いが繋がりが数多くの奇跡を生み出し、この世界を人類を守ってきたのかもしれない。

 

「——ぇ!——ヒロ!……大丈夫!?ヒロ!」

 

「…………んぁれ?」

 

「…あぁ…良かった…ヒロ大丈夫?ごめんね?」

 

「何が起きたんだ?」

 

 ナナは申し訳なさそうにこちらの様子を伺うように視線を散らつかせる。

 

「えっと…実験で使う予定のアイテムとスタングレネードを間違って使っちゃって……」

 

「……あぁ、そういうこと…」

 

「………ごめんね…」

 

 つまり自分はスタングレネードをもろに受け気絶してしまったというわけだ。相変わらずのナナにただ苦笑するしかなかった。先程のプレイバックは気絶によるものだ。

 

 改めましてとナナは再びスタングレネードに似たものを差し出す。流石にまたスタングレネードだとキツイためナナ自身にやってもらうように施すがナナは断固として自身で投げようとはしない。

 

 仕方なくヒロは再びスタングレネードを受け取り、次はどうなるのかと緊張しつつもう一度スタングレネードを投げる。

 スタングレネードは地面に着いた途端にその衝撃で爆発、真上に何かひゅるひゅると音を立てながら狼煙弾のように打ち上がった。

 

 

 

『バァァン!バァン!』

 

「……!すごいな…」

 

「ふふーん♪」

 

 ナナは得意げな表情を見せつけ太陽のような笑みを浮かべている。その顔は花火の光に照らされているのか頬はほんのりと桜のようなピンク色に染まっているように見えた。

 

 ふと、いつもは無邪気な年頃の女の子の顔とは打って変わってどこか大人というか落ち着いた、ナナらしくない優しい笑顔になり一歩、ヒロに近づくと花火に視線を移した。

 

「綺麗だな…花火なんてノルンのデーターベースで画像を見たぐらいだよ。生で見るなんて初めてだし、すんごい綺麗だな」

 

「でしょー?リッカさんとサカキ博士に協力してもらったんだ」

 

 まぁ、こんなことができるといえばあの二人だろう。初めての打ち上げ花火につい見入ってしまう。

 

「……」

 

「……」

 

 ナナはチラッとヒロの横顔を見た。彼は花火に夢中になり目を見開いて見ていた。それが可笑しくて笑いそうになるのを堪える。

 ただ、そんな彼の横顔はいつも戦場で見ている戦士の顔ではなく、純粋な男の子の顔だった。

 

 ドキリと胸が高まり手で押さえる。この心臓の音がヒロに聞こえてしまうのではないかと思うと顔は熱くなり自分でも顔が赤くなっているとわかるほどだ。

 

 花火が終わるまでの間二人は静かに花火を見ていた。お互いに無意識のうちに手を繋いでいることに気づくこともなく……

 

 

 

「——あ」

 

 最後の一発が打ち上がり花火は終わりを告げ、周囲は真っ暗になった。それが名残惜しくてどこか寂しさを運んで来る。ずっとこの時間が続けばいいのにと誰もが思うことだろう。当然二人も同じ気持ちになっていた。

 

「…あっ!」

 

 ヒロはようやくナナと手を繋いでいることに気付き赤くなった頬がナナに気付かれないように俯いた。ナナも同じく恥ずかしくなり二人はそっと手を離した。

 

 ナナは一度大きく深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。伝えるなら今しかないと思ったからだ。

 

「……あ、あのね、ヒロ」

 

「お、おう」

 

 顔を上げしっかりとヒロの目を見る。顔が燃えているんじゃないかと思うぐらい熱くなりもはや隠すことすらできない。

 そんなナナの顔を見たヒロは一瞬視線を逸らすがナナのいつもとは違う雰囲気を感じ取り再びナナの目を見た。

 

「…これは、今まで私たちを支えてきてくれた感謝のしるしだよ。ずっとこれをヒロに…隊長に見せたかったんだ」

 

 祈るように強く両手を合わせて握り締め緊張か羞恥心なのかわからない気持ちをどうにか押さえる。

 

「私、ヒロと同じ時期にゴッドイーターになってさ初めての実地訓練に一緒に行ったよね。あの時、ヒロは私のこと庇ってくれて…その時からかな、私、ヒロのことばかりいつも見てたんだ」

 

 片手を胸に当て、どうにかヒロから視線を晒さないようにする。ヒロは無言のまま真剣な眼差しでナナを見つめていた。

 

「…っ………わ、私ね……その…」

 

 あと一言が言えない。とうとう俯きヒロから視線をそらす。顔は今にも火が出そうなほどで今までに感じたことのない感情がナナの鼓動をより早く、強くする。

 

 まだ何も言ってないヒロが今どんな風に感じているのかを考えるだけでこの場から逃げ出したくなってしまう。

 

 ただ、完全に止まってしまったのだ。少しの沈黙でタイミングを逃してしまい。気不味い雰囲気になってしまう。もうナナは何も言えなかった。恥ずかしくて、自分が嫌になって、涙が出そうになる。

 

 もう、ダメだとナナは諦めかけていた。

 

 

 

 

「…俺は、ナナの気持ちを聞きたい。もう、今しかないんじゃないかなって思う。だから、セリフ取るようで悪いけど俺から先にナナに言わせてもらう」

 

 きっと嫌われてしまったのだろうとナナは瞳に溜まった涙が溢れ出しそうになる。

 

「俺はナナのこと、好きだ。仲間としてじゃない。一人の女性としてナナが好きだ。だから、ナナの気持ちを教えてほしい…」

 

「……ヒロ……!」

 

 ナナは思いもよらなかった言葉に溜めていた涙が溢れ出してしまった。泣くなよとヒロが頭をポンポンと撫でる。

 言わなきゃいかない、伝えなきゃいけない、もう迷う必要はない。この想いをしっかりと伝えよう、

 

「私も…!私もヒロのことが好き!私と…付き合ってください!」

 

 撫でられながら小さく右手を上げ頭を上げた。

 

「ああ、もちろん。これから…今日からよろしくな。ナナ」

 

「…うんっ……!」

 

 花火の鳴り終わった静かな夜、二人は引き寄せられるように抱きしめ合い、そして…二人にとって初めてのキスをした。

 

 そんな二人を祝福するかのように夜空に一つの流れ星が二人の真上を流れ去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんだろ、自分で読み返すものじゃない気がしてきた笑

次はエリナの話です。
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