ここに、真実の記録を残す。 記録者◯◯
2060年5月、例の計画が始動した。この計画には核となる存在が必要、その核となる人物は彼の息子だった。できれば、顔も知らない誰かであってほしかったと思う私は既に堕ちているのだろう。彼も自分の息子が核と知り動揺を隠せないようだ。当たり前のことだ、自分の息子を手にかかるなど……
翌月、彼はなんとこのプロジェクトに参加する意思を示した。彼の妻も現場に居合わせるようだ。
6月10日、研究所に彼の息子を招いた。これがあの子にとって最期の晩餐となるだろう。
6月11日、準備は順調に進んでいる。去年、偶然採取することができたこのオラクル細胞はあらゆる環境に適応することができる非常に優れたものであり、人類は敵対するには恐ろしいものだ。我々はこのオラクル細胞を万能型オラクル細胞P40偏食因子と名付け、人間への投与による、対アラガミに特化した人類を救う剣を生み出そうとしている。これは、あまりにも非人道的な行いだ。我々はきっと地獄に落ちるだらう。
6月13日、ついにこの日がきた。この1年間、適合率が95パーセント以上に達する人材を探した。あまりにも細く、狭い道のりだった。
同日、PM20:00
計画は成◯◯◯あの子は◯◯◯◯◯◯◯皆 殺さ◯◯◯◯あの子が、人類を◯◯◯する存在で◯◯◯◯◯◯始まる◯◯◯神が人◯◯◯◯人となるか、競争の始まりだ。
※このページは血で汚れており、解読不可能。が、最重要機密事項に関するためこのまま保存する。
この記録は私が引き継ぐ。 記録者 スターゲイザー
2061年、彼が研究所から逃走して1年。彼に投与されたP40偏食因子には我々が観察できるようマーキングがされてある。P40偏食因子の投与による一時的な暴走は予想がついていた。が、この事実を知っているのは私と彼だけだ。他の者は失敗したと勘違いするだろう。過去に適合率95パーセント未満の対象で実験したところ失敗し、暴走した経緯があるからだ。
この計画はかなりの長期プランによって構成されている。彼がP40偏食因子に適応するまで5年、徐々に自我を取り戻すまで3年と自分が何者であるかの認識まで1年、次郎が彼を引き取り、人間性を養うのに約1年。あくまでもこれは予定であるため早まる可能性も遅延の可能性もある。
私の研究者として、そして、人類の剣となり、盾となるゴッドイーターの育成のためにこの計画は必ず成功させなければならない。
神が人となるか、人が神となるか。その競争は始まったのだ。我々の計画『ゴッドイーター計画』により、神と人と愉快な仲間たちの結末を見届けるとしよう。