私は悩んでいます。えぇ、確かにこんな時代ですから、イベントなんてほとんどないのはわかります。しかし、今日は女性も男性もドキドキの1日……そう、バレンタインなんです!それなのにここ極東支部にはそれがないなんて……!これは緊急事態です!今日は特別な1日…キワムと二人きりで過ごすにはもってこいです……!
「……と、カノンちゃんは言ってるけど?」
「やりましょう!バレンタイン!作りましょう!バレンタイン!あげましょう!バレンタイン!!」
「まぁここまで言うカノンちゃんも珍しいし、私は賛成だけど?」
「リッカさん……!!」
「そうね、たまにはリンドウをあっと言わせたいわね。私も賛成よ」
「いいと思うわよ」
「皆さん……ありがとうございます!」
「そうだな、日々アラガミと戦っていたら気が減入るだろう。たまにはこういうのも悪くないだろう」
「ツバキ上官……!」
「作るのはいいけど材料はどうするの?」
「ある防衛任務の依頼主がバレンタインを知ってて報酬にチョコなどバレンタインに必要な材料をくれるそうです」
ヒバリさんの説明になるほどとみんな納得する
「そうと決まれば早速任務ね。私とカノンとジーナでその任務に行くわ」
「私とリッカさんは手が離せないので作る時に参加しますね」
「私は必要な道具を調達しよう」
ツバキ上官がすごくやる気になっている
「こんな機会はほとんどないからな少し楽しみなのさ」
それぞれの仕事を決め取り掛かるのだった———————
「……では!さっそく作りましょうか!」
調理室を借りて私が主に教えながらバレンタインにあげるチョコやお菓子やクッキーなどをみんなで作り始めた
「なぁ?ソーマ?」
「あぁ?」
「今日は男性陣が忙しいなぁ」
「まったくだ。クソッタレ。まぁ俺は一人で充分だかな」
「ソーマはソロが大好物だもんな」
俺とソーマは任務が終わって帰りまた任務に向かうというのを繰り返していた。しかもおれは第7部隊、所謂遊撃部隊に配属されてるためあっちこっちと引っ張りだこだ一応リンドウさんも一員なんだけどね。カノンは第2部隊に配属となった
「今日だけで一週間分は働いた気がするよ」
「………そうだな」
流石にソーマも疲れが見える。無理もない。今日だけで大型種5体、中型種7体を討伐したからだ
黄昏時が終わり外が暗くなる頃
「「お、終わったぁぁぁぁあ!!」」
男性陣がヘトヘトになり帰ってきた
そして
「みなさーん!今日はバレンタインですよ!それぞれバレンタインを受け取って下さい!」
「「「おおお!!!」」」
男性陣は渡されるチョコなどに歓喜の声を上げ喜んだ
サクヤさんは第1部隊の二人に…
ソーマさんはアーモンドココアクッキーを貰い
「こんなもんのために俺たちをこき使ったのか」
と、言いつつも顔を赤くし、早々にエレベーターに駆け込んだ
リンドウさんはガトーショコラを貰い
「サクヤ…お前こんなものも作れるのか」
と、普段見ることがない照れた表情で頭をかきながら反対の手で受け取っていた。サクヤさんも顔を赤く染めてお互い笑っていた
私とジーナさんは防衛班の皆さんにカップケーキを配った。タツミさんはヒバリさんからチョコを貰い飛び跳ねて喜んでいた。ヒバリさんもまんざらではないようだった
ヒバリさんとツバキ上官とリッカさんはアナグラの職員の方々にチョコを配った。それぞれの反応にツバキ上官も楽しそうだった
その後、みんなでワイワイと食事をした。こうしてみんなで集まって食事をするなんて滅多にない。
そして食事を済まさせた後
「あの!キワム!良かったらお部屋に行きませんか?」
女性陣は頑張れと視線を送ってきた
「あのっ先に部屋に行って待っててもらってもいいですか?」
「俺の部屋でいいのか?」
「はい」
キワムの部屋にて
「今日はおつかれ様でした」
「ははっ今日だけで何日分働いたかな…」
「ご、ごめんなさい」
バレンタインのためとはいえキワムたちには苦労をさせたことに変わりはない
「いや、いいよ。みんなバレンタインで疲れが吹っ飛んだだろうしさ」
そう言ってはにかんで笑う彼……
「あのっこれ…受け取って下さい!」
両手で差し出された箱を受け取りカノンを見ると赤くなってはいるもののいつもとは違う真剣な表情だった
「今、開けていい?」
カノンは無言で頷く
箱を開けるとそこにはティラミスが入っていたそれもかなり本格的だ中央にはハートのマークが入っている
「す、すごいなカノン」
普段からよくお菓子を作っているだけあって一目見ただけでもそのレベルの高さに驚いた
「すげー嬉しいよ!ありがとな!カノン!では、いただきます」
彼女は正座をして俺の食べる様子をジッと見つめている 正直食べづらいが……
一口食べてみると
「うまい!クリーミーであっさりした生地もいいし、程よい苦味が俺の好みにバッチリ合ってるよ!」
俺はあっという間に食べ終えてご馳走さまと言うと、カノンは満足そうに微笑んでいた
「良かった……キワムがどんな味が好みかわからなかったから…口にあって良かったです」
彼女はほっとした表情を見せるとコツンっと肩に頭を乗せてきた
「これ…すごく落ち着く……」
「カノンって意外と甘えん坊なんだな」
「むっ今日はバレンタインだから特別です」
「じゃあ今日だけしかないんだなぁ」
ちょっといじわるを言ってみた
「あぅぅ…その…キワムが迷惑じゃなかったらいつでも…」
そう言う彼女の柔らかい手を優しく握る。彼女も優しく握り返す
「今日くらいアラガミとの戦いも忘れていいよな」
「特別な日ですから……わっ!」
俺は彼女を強引に抱きしめた。カノンは驚いたものの抵抗はせず、体を預けている。
「カノンの髪いい匂いがするな」
おそらく少し遅れて部屋に来たからシャワーを浴びてきたのだろう
「あわわっ恥ずかしいです//」
カノンは俺の胸に顔を埋めぎゅっと服を握る
そして何度かこちらを見上げてまた顔を埋める。少しソワソワしているようだった
「あの……その……」
何かもごもごと言っている。俺は彼女が何を求めているか察した。急に心臓がドキドキしてきた。でもここは男を見せる時だ
「なぁ、カノン…」
俺は優しく頭を撫でながら囁いた
「はい、なんでしょ…んっ!」
彼女の口にキスをした。そっと顔を離すと彼女は目を見開いて口をパクパクさせていた
「うぅ……ずるいです。そんな急に…」
「ははっ今日は特別な日なんだろ?」
そう言って今度はお互いからキスをする
相手の存在を確かめるようにそっとカノンは舌を入れてくる。最初は恥ずかしさがあったが、その後は恥ずかしさは消え、ただ好きな彼を求めた
「んんっ はぁはぁ」
長いキスを終え息が少し切れる彼女を抱きしめる
「ふふっ甘いですね」
「カノンから貰ったティラミスを食べたからな」
彼女は俺の首に手を回し顔を俺の顔に引っ付ける。彼女の息が耳元で聞こえる。そして女性特有の柔らかい感触が俺の胸に感じる
「今日は一緒に寝てもいいですか?」
「あぁ…いいよ。てか、最初からそのつもりだったろ?寝巻きだし。俺まだ風呂に入ってないから入ってきてもいいか?」
「うん……」
彼女から離れると少し悲しそうな表情をしたが、すぐに微笑んで
「急がなくていいからね?」
と、先にベットに入った
「キワムの…匂いがする…//」
とても安心する。彼を感じられる。私重症かもね
俺が風呂から戻るとカノンはベットですでに寝ていた。おそらくバレンタインで張り切り過ぎて疲れたのだろう
「さて、俺も寝るか」
カノンの隣に入り頭を撫でる
「へへへ……」
「あれ?起きてたのか?」
「うん……寝る時は一緒がよくて…」
彼女は俺の胸にすりすりと顔を埋め、俺を見つめて
「おやすみなさい」
「おやすみ」
アラガミとの戦いはいつ終わるのだろうか。ずっと彼女のそばにいたい。そう考えながらウトウトとする意識を手放した
戦闘にしろ、イチャイチャするにしろ書くの難しいね