世経新聞なんぞ潰れてしまえ   作:スーも

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一発ネタ


ある青年の話1

 

拝啓、お母様

 

記者になりたいという夢を叶え、新聞社へ無事入社できたことをお伝えします。いつか僕の書いた記事がそのままお母様まで届けば幸いです。

 

お母様方をブタ箱にぶち込むノウハウを学ぼうと政治部門担当志望で入社し、裁判所にはり付いて記事を書くつもりでしたが、気づけば海賊の追っかけをやる毎日です。

 

お母様の方はお元気でいらっしゃいますでしょうか。元気じゃない姿など思い浮かばないので大丈夫でしょうね。

僕の方は何度か死にかけながらも、何とか元気でやっています。お母様より絶対先に死んでやらないので安心してください。

 

勘当された息子より

 

 

 

────

 

 

 

カシャッ

パシャ カシャッ

 

 

 

「やっぱり僕に写真の才能ないなあ、ブレブレじゃないか」

 

今日も今日とてスクープ探し、とは言っても僕が居るここは東の海。凶悪な海賊は比較的少ないので、海賊や海軍の小競り合いを写真に撮ってメモを取る。

 

「でも今日はいい物を見物できた、明日には新しい海賊の手配書ができるぞ。」

 

海賊どうしの争いを見れたが、勝利をおさめた片方の海賊団の名を僕は知らない。新しく出てきた海賊だろうか。

船長は小物臭はするものの悪魔の実の能力者であった。剣で切られてバラバラにされても元通りになるようで抗争後もぴんぴんしていた、ピエロみたいな派手な見た目も相まって話題性がある。海賊団自体もまるでサーカスのようで、愉快そうな一味であった。

 

「そうだなあ、赤い鼻、ピエロみたいな派手な見た目。バギーと名乗っていたし、道化のバギーってところか。社長と海軍に連絡しよう。」

 

 

──東の海で新たな海賊が誕生!まるで手品師、道化のバギー!

僕がつけた手配書の名前と撮った写真が、世界中にばらまかれるということを考えると少しいい気分になる。

 

そう思っていたのに、僕の撮ったものは数週間後差し替えられていた。実際見た印象よりはるかに強そうな写真である。

 

「ん、なんでだ?最初は僕の写真使ってあったのに…残念。それにしてもうまくとれてるなあ、至近距離で撮らないと無理じゃないか?こんなの。あと写真映えがすごい。」

 

 

 

 

 

な~~に~~!!こんなブレブレの写真がおれ様の手配書だと!!

誰だこんなの撮ったやつは!!新しく海軍に送りなおせ、バギー様のデビュー写真をこのままにしておけるか!

その後、船長の納得いくまで海賊団で写真撮影大会が開催されたことを彼は知らない。

 

 

 

 

───

 

 

 

 

「う~ん、クック海賊団の足取りが追えないって言われてもなあ…」

 

東の海では珍しく強かったという赫足のゼフ率いる海賊一味なのだが、グランドラインからまたこちらに帰ってきたらしい。

海賊団に襲撃されたという客船オービット号に乗っていた乗組員や一部の客を探し出し、取材をしていた。

嵐に見舞われ大変でその後の船や乗組員がどうなったかは分からないらしい。ただ、一人の子供が海賊連中にたてつき、海に落ちた。その子供を助けるかのように赫足のゼフが追って海へと飛び込んだらしい。

 

 

──クック海賊団、解散か!?東の海への帰還後、当海賊団は客船オービット号を襲う。……

 

駄目だ、こんな推測に推測を重ねたような記事は書けない。仕事道具のノートに聞いた話をメモだけ取って、聞いた話を整理した。

そもそもあの嵐の日からしばらく経っている、遭難して全滅か。もしくは東の海に帰ってきたくらいであるので平穏に解散したのではという疑念も残る。

クック海賊団はそもそも記事にしにくい海賊団だ、そこまで悪事を働いているわけでもないが、略奪はしている。要は微妙なのだ。そもそも「逃走者」としての烙印が押されている者達に世間の関心は向くだろうか。

 

「新聞記者って仕事は難しいなあ、ただ事実を書けばいいってもんじゃない。」

それでも自分で選んだ道だ、きつい仕事だがちゃんとやっていこうと思う。

 

 

 

 

 

「………!!…!」

うるさいなあ、子どもの泣く声が聞こえる。

ガキがそんな泣き方するなよ。

 

 

 

 

 

───

 

 

 

 

世界に地方紙は数あれど、世界中の出来事を扱う新聞社などこの世に世界経済新聞社くらいであった。

ただ一つの新聞社によって、公平公正に物事を伝えることなんてできるだろうか。この状況に危惧の念を抱いた者達によって作られた、世界時報社。

権力なんてたてついてなんぼ。これは在野精神豊かな社員の話である。

 

「世界の人々に事実を伝えたい。」そんな熱い気持ちがある人を随時募集しております。

人種、性別、年齢、果てには生死も問いません。熱い気持ちがあるのなら、幽霊だってご気軽にどうぞ。

ぜひぜひ当社まで一報を。

 

───ただし、記事は足で書くもの、命の保障はいたしません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




写真を撮るのがへたくそなダダンの実の息子

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