どちらかの話だけを読んでも無問題です。
「ちわーっす!!いつもお疲れ様ですーーー!今回は8000万の賞金首ですか!やりましたね!姐さん!」
「流石だぜ。相変わらず強くなさそうなのに厄介な海賊を連れて来るもんだ。賞金首稼ぎとして一流だ、この俺が保証する。くーーっ!相変わらずクールな女だぜ!」
「いや、お前の保証なんて別にいらないだろ。それはともかくこの海の平和を守るためいつもありがとうございます!賞金は来客室でお渡ししますのでお待ちください!」
好き勝手言ってくれているこの男たちは海軍の連中だ。私は決して賞金首稼ぎではない、倒してしまった海賊をそのまま放置するのは金銭面とか、人びとの安全面とか諸々考慮した上で気が引けて海軍まで引きずりながら連れて来ているだけである。
私は新聞記者だ、この仕事を始めてもう何年か経つ。何度もその事を言っているのに海軍の連中は聞きやしない。
新世界で海賊の情報を集める記者として働いているのだが、こちらが下手に出ても取材に応じてくれる海賊たちがいないのが悪い。世を騒がす事件を起こしたことのある、または起こしそうな海賊どもばかりなのでこちらの話を聞きやしない。
何もせずとも襲いかかって来るのを返り討ちにしていたら、いつのまにか海軍の連中に凄腕の賞金稼ぎだと思われていた次第である。
海軍と仲良くし、賊たちの動向を掴めるのは良いのだがいつまで脳筋賞金稼ぎだと思われていればいいのだろうか。
東の海出身だという後輩のように私は話を聞き出すのも伝えるのも上手くないのだ。記者であるのに、致命的であるとは分かっているのだが、それでも雇ってくれた世界時報社に感謝である。
「失礼する、お前達が新世界のライジン島で先の事件を起こした海賊で間違いないな?話を聞かせてもらおう。」
「なんダァ?お前に答える義理はねぇよなぁ?何を聞きたいのか知らねえが海賊の礼儀って言うモンを教えてやる。やっちまえ!野郎ども!!」
「「「うおおおーーー!!死ねぇっっ!!」」」
「はぁー、全く。何故いつもこうなるのか。」
───ガッ、キィーーン
「…はっ?おい、今何が起きた!!??何本もの剣が一気に折れただと!?」
バタバタと襲いかかって来た連中が倒れていく。私は腰の刀を抜き瞬時に敵の刀を折っていった。新世界を共に生き抜いてきた相棒、私の黒い刀をなめないでほしい。
「その程度の棒っきれなんぞ折れて当然。話をする気になったか?再度願おう、先の事件の詳細と今計画している企みについて教えてもらいたい。」
「「このアマ!!ナメやがって!!ふざけんじゃねぇぞ!!」」
一礼し、失礼すると言った。下手に出ているのになぜいつもこうなってしまうのか。このままではこいつらも海軍連中に引き渡すことになるだろう。
ああ、考え事をしながら刀で斬りつけていったら遂に最後の一人、おそらく船長だけになってしまった。まぁいい、本命は目の前のやつだ。海賊連中の返り血を浴びた状態で船長に話をするように言う、ここまでくると大体の海賊はこの船長のように怯えながら話してくれるのだ。仕事道具の真っ黒なノートを取り出し、メモを取る。
こちらは話を聞きたいだけなのに襲いかかって来たのだから正当防衛だ。決して過剰防衛ではない。なぜ命乞いを始めるのだろう、こちらは話を聞きたかっただけであるのに。
船長は私のノートを凝視している、なにをそんなに恐れているのだろうか、黒いノートにはdear noteと表紙に書いてあるだけなのだが。rが少々消えかけているのはご愛敬だ。
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「はぁ、これは迂闊に記事にはできんな。ドフラミンゴ関連を迂闊に情報をばらまいてしまうと簡単に世界時報社は潰されてしまう。」
先程の海賊たちは下っ端も下っ端、というより利用されていただけに過ぎないがドフラミンゴの手先であるらしかった。時期が来たらある船を襲え、その代わり起こした事件については揉み消してやると言われたようだ。
取引に応じた連中は、意気揚々と武器や麻薬などの積み荷を船へ詰め込んでいたらしい。しばらくは手先として働き、金儲けをしながらドフラミンゴの言う時期を待つ予定だったようだ。
「きな臭いな、裏の連中との繋がりは少ないが探ってみるか。大きな事件が起きるような気がする。」
向かうはドレスローザ、リク王が治める平和の国だ。
野武士のような無礼系女子。青年と違って武装色が大得意。