もし守護輝士の片割れがレギアスの弟子だったら 作:草賀魔裟斗
アークスシップ@ロンド
んー…ん?あれは…
「マトイどうしたの?いつにも増して顔色悪いけど…」
「…ロンド…無事?なら…良かった」
声も絞り出すような声で明らかに苦しそうだ
どうしたんだろ…この子…
「大丈夫?顔色、悪いよ」
「…なんでだろう…時々すごく不安になって…頭も痛くなって…」
頭痛が…まだ…
「ごめん、大丈夫…大丈夫だよ、この位の痛み…我慢出来る…」
「我慢…しなくてもいいと思うよ…」
ふと口に出した
そうだ、私だって痛い時は痛いッ!って言わないと壊れてしまう
人間そんな風にできている…だからマトイのこれは…悪い兆候だと思う
「それに安心したから…ロンドが…無事だし…ふふ、私の嫌な予感は大してアテにならないって事だね…それはそれで悔しいけど」
「嫌な予感は当たらない方が良くなくて?マトイさん」
ちょっとおどけてみる
そしたらきっとまた、この人は笑ってくれると思った
案の定、笑ってくれたしね
「でも…」
「うん、分かってる…きちんと休むよ、ちゃんと休む…心配かけてばっかりは嫌だからね」
「うん…そういう事ならいいんだけどね」
本当に心配だ…マトイの嫌な予感はアテにならないかもしれないが…私の悪い予感は外れた試しがない…
アークスシップ@レス
「ジグさんは…あんたでいいのか?」
俺と同じ色のキャストに話しかける
ねぇさんが集めた武器破片はこの人に預けてるらしい…
「見つかったのか!」
「あぁ…これで、ねぇさんずオーダーは完遂だ」
アーシュが勝手にこの武器を集めるのをねぇさんずオーダーと呼んでいた
俺も便乗してみる、案外いい、ネーミングセンスしてるな、うちの妹は
「?…おぉ、おぉ!まさしく!これで元の状態に復元できる!ありがとうよ!あとはワシの仕事だ!」
ジグさんはコアを手に取りながら心底嬉しそうにつぶやいた
「一体、どれほどの輝きを見せてくれるのか…楽しみじゃ!…それに新しい武器のイメージもふつふつと湧いてきよるのだ!これほどのインスピレーション…今だかつてあっただろうか…いや!ない!あれもやりたい!これもやりたい!修繕にも取り掛かりたい…ええい!くそっ!こうしちゃおれん!わしは128番艦テミスの工房に戻らせて貰う!」
ジグさんが早口言った
お喋りなおじいさんだ…ねぇさんの友人は曲者しかいねぇのか…
「破損武器の修繕が終わり次第。すぐにお主ら兄弟に連絡をする、それまでしばし時間をくれ!」
そう言うと走り去ってしまった
「でも…少し、楽しみだな…修繕武器…」
ここまで来たら完成品を見たい気がする…楽しみだ
アークスシップ@レスターン
「ういっす!こんちはー!」
はっ!この声は…
「ウルクさんじゃないっすか、どうしました?随分、機嫌良さそうですけど」
「へへ、分かる?分かっちゃうかな?」
ウルクさんはフォトンを扱う才能がなくてアークスになれなかった人
ある日会って、それ以来結構仲良くしてる
底なしに明るくていい人だ、全くどこかの誰かさんとは大違いでね
「なんと、私、アークス職員に特別枠で合格貰っちゃいました!」
「おー!凄いじゃないですか!!」
本当に努力していたんだ…これくらい報われても良いよね…
「才能の無い人の採用って特例のも特例らしいけどね、なんでも、すっごく偉い人がたまたま、私の頑張りを見て許可を出してくれたとか何とか」
へぇ…すごく偉い人?師匠とかかな?
あの人、努力って言葉好きだしね
「これ、私にとってもびっくりでさ!今こうして話しててようやく事実を受け入れて来たって感じ」
「俺もびっくりしましたよ、良かったですね…ついにやりあげましたね!」
「…これでようやく、胸張ってあいつと話せそうだ…長かったなぁ…」
ウルクさんには幼なじみがいて
その人はアークスらしいんだ
そっか…やっとか…俺もなんか嬉しいな
「レスくんにも感謝してる、今までずっと話を聞いてくれてありがとう、すごく助かった!これからは同じアークスとして仲良くしてね…それじゃ」
ウルクさんはそう言うとどこかへ行った
浮上大陸@アーシュ
ここがアムドゥスキア…初めて来たなぁ
龍族の間では少しだけロンドの妹が通じるのが嬉しかったりする…
おや?あれは…
「テオドールくんじゃん!おっす!」
ねぇさんが言ってたヘタレアークスこと、テオドールくん
なんかナベリウスでダーカーに襲われていた所助けて以来結構仲良し
少し暗い奴だけど…根は誰よりも優しいんだとボクは思ってる
「こ、こんにちは」
ん?
「あれー?なんか嬉しそうじゃない?なんかあったの?」
「僕、元気そうに見えますか?そうですか?そうなのかなぁ…まぁ理由は自分でも分かっています、知り合いが久々に笑っていたのでそれにつられて、ですね」
ふぅん…ウルクちゃんが…
「随分、迂回しちゃったけど、やっと追いついた…と、彼女の弁です…いろいろからかわれたりもしました…でも…その時の彼女はなんだか無理していない、昔のような感じがして…ほっとして…」
「いやぁー妬けますなぁ…ラブラブそうで…」
少し茶化しながら小突いてみる
「いや…違う…無理をしていたのは、僕か…彼女になろうとしてずっと…だから彼女も無理をするなって…あぁ、なんだ、そういう事か…」
「…分かるよ…眩しいよね…太陽のようでさ…なりたくなるのも…憧れるのもきっと…」
ロンドねぇさんが目に浮かんだ
「つまりさ、ボクも君も馬鹿だったってことさ!どんなに憧れても届くわけないんだもん」
「…でもこれからは大丈夫だと思います…」
「そうだね…ボクらがバカでもあの人達は優しく諌めてくれるもんね…」
アムドゥスキア@ギルス
「元気ですか?」
「あー、リサ…元気ですよー、リサは少しくたびれてます?」
リサはいつも背後から話かけてくる
危ないなぁ…私だからいいけど
(あたいは苦手だね、その女)
あーはいはい、今は黙っててね
「分かりますか?ダーカーが多くて面倒なんですよぉ…じっくりとお相手してあげたいんですが数が多いとそうもいかないんですよね…」
「確かに…増えましたね、ダーカー…」
(的が増えるのはいいことだろ?だが確かに多くて面倒なのは嫌だな…)
「リサは倒すのは好きなんですけど倒されるのは好きじゃないんですねぇ…一方的にやりたいんですよぉ!」
倒されるの好きな人いるのかな…
(そういう性癖の奴ならすきなんじゃないか?)
「だから、ダーカーもリサにもう少し気を使ってやられて消えていって欲しいですね…きらいなものいっぱいありますがやっぱりダーカーが一番嫌いですね…人間よりずっと嫌いですよ」
(同感だ…こういう所だけ同じなのも気に食わない)
まぁまぁ…
「リサは人間嫌いですもんね…ダーカーはもっと…」
私も…と昔なら言っていたでしょうね
(ロンドの姉御のおかげだな)
そうですね…
「ふふ、安心してくださいね。あなた達はどちらかと言うと好きな方に入りますからね」
(そりゃどうも光栄だね)
アークスシップ@ロンド
内線が通じるのを感じた…緊急内線!?
[各員に緊急連絡!各員に緊急連絡!アークスシップ内市街区画にてダーカーの侵入が確認されました、緊急司令が発布されています!繰り返します。緊急司令です!アークス各員は逐次出撃!攻め込まれたアークスシップの救援に向かってください]
なっ…市街区画の…襲撃…?
足元が揺らぐ感覚を覚えた…あの時と同じ…
「ねぇさん!」
聞き覚えのある声が私を現実世界に引き戻した
「…レス」
「ねぇさん。緊急司令だよ、行かなくちゃ」
「分かってる…アーシュは?」
「行かないように釘を刺してきた」
「ありがとう、我が弟…じゃ行くよ…」
[アークスシップ128番艦テミスにてダーカーの侵入が確認されました]
「128番艦テミス!?」
「どうしたの?レス」
「ジグさんの工房があるところだよ!」
「なっ…!マトイの手がかりを…ダーカーなんぞに壊されてたまるか!」
気付いたら全力で出撃ゲートに向かっていた
レスもあとから着いてくるだろう
@テミス
仰々しいアナウンスが繰り返し響く
こんな不安な襲撃は久しぶりだ…
嫌な予感がする…それも序章なんだろうか…
テミスに降りると見たくない顔があった
「あ…ロンド様」
「おい。あんたもアークスだろ?何してんだよ…てかお前の相方はどこだし」
「分かっています。私もアークスですから緊急司令で出撃しています、ゲッテムハルト様はいません、私は1人…得に問題もありません」
あ?あいつは居ないの?なにやってんのマジで
「後衛の法撃が前に出てどうするの…私だって目的がある。だから…前衛は任せなさい、あんたは回復と補助をしなさい!」
「よろしくお願いします…」
市街区画は酷い荒れようだった
「酷い…くっ!ジグさんは無事か?…市民の避難は…?」
ふと見るとダーカーが湧いてでてきた
邪魔よ!どけぇ!
「はぁ!」
ニレンアギトでなぎ払い先へ進む
次々とダーカーは湧いてでくる
「すごい量…何が目的で…」
「分からない…けど進むしかない!」
市街区画を1つくぐるとそこはダーカーだらけだった
さっき。情報がでるとかなんとか言ってたがこれなら目視で十分だな
「…すさまじいダーカーの数ですね…およそ見たことないような量が集まっています…どこからこれほどの数が集まってくるのか正直分かりません…それに対し、アークスの人的被害も甚大復元も大変でしょう」
「そんなこと考えなくても良い…」
仮面のアークスがゆっくりと歩いてきた
あの仮面のあいつとは違う気持ちの悪い殺気を抱えている
「貴方様は…?」
「ダーカーを殺すものだ…」
そう言うと彼or彼女は巨大なソードを構えてダーカーと対峙した
「アークスが押そうがダーカーが追い込もうが…根をたたねば負けてしまう…そうだろう…」
「何者か分からないけど…そうだね…だからうじうじ考えるな…目の前の敵を殺せばいい…」
「ダーカーは私が殺す」
そう言いながら彼or彼女はソードを重く扱いながらダーカーを粉砕していく
「ここはあの人に任せましょう」
目の前に中型のダーカーが沸いた
それを見てか否か銃座が転送された
「私が引き付けます、ロンド様は銃座で迎撃を!」
「要らない!フォトンソード!」
フォトンソードの一撃の元、ダーカーは消える
「強引ですね」
「女は度胸!強引なくらいが丁度いいの!行くよ!」
「はい!」
通信で戦闘機墜落が聞こえた
「戦闘機が墜落したって!今から援護に行くよ!」
「は。はい!」
「待たれよ!その司令は私が引き受けろう!」
急な声に驚いたが何奴!
「何者?」
「私は!アークス兼スーパーヒーロー…デラックス雪だるまさんだぁ!!」
……………は?
「私が来たからにはもう!大丈夫だ!ここいらのダーカーは蹴散らしてもらうぞ!とぅ!」
市街区画に降り立った彼の顔は雪だるまの被り物で隠れていた
武器は刀らしい…カザミノタチが見える
「ふはは!アークスの皆々様よ!助太刀致す!悪党共に咲く徒花は血桜のみぞ!とぅ!」
そのまま跳躍でどこかへ行ってしまった
「かっこいい…ですね」
「は!?」
メルフォン…お前…まじか…
「彼に任せましょう、私たちは先へ」
「お、おう…」
瓦礫を飛び越え次の市街区画に来た
「おぉ、丁度いいところに…ロンドよ、それにもう1人もアークスであろう、少し手伝って貰えぬか」
「師匠!?どうしてここに!?六芒星も呼ばれたんですか!?」
師匠が立っていた、あービックリした…
「その純白の装武は…まさか六芒均衡が一…レギアス…て師匠とは…」
「いかにもソナタが私を知っていると言うなら話は早いな」
「師匠どうなっているんですか?ナベリウスに出掛けたのでは?」
「私もアークスだ。本拠の聞きとあらば馳せ参じるのは当然だろう」
相変わらず、めちゃくちゃなおっさんだ…だがここに来てここまで心強い助っ人は居ない…師匠がいるなら百人力だ!
「とはいえ、優秀なアークス諸君の活躍によって戦局は安定…完全に出遅れてしまったな」
「まぁ?師匠もお年ですしお寿司?もうそろそろ世代交代なのではぁ?」
いって!殴ることはなくね?弟子のお茶目っ気だよ!可愛いだろ!?
「理解しました…それで手伝って欲しいこととは?」
「うむ、何のことはない、一般市民の避難誘導を手伝って欲しいのだ、自分の、工房から離れたくないと典型的なキャストらしい頑固ものもいるのでな手を焼いてる」
「…ブーメランぶっ刺さってますよ師匠」
いったい!
「ちょっと、さっきからぼこっぼっこ殴り過ぎですよ!師匠!こんなに美人な弟子をよくもまぁそんな躊躇いなく殴れますね!?アホになったらどうするんですか!?」
「二人ともとは言わん、どちらか手を貸してほしい」
無視かぁ?傷つくぞ?心はガラスだぞ?
無限の剣製だそ?
I am the bone of my sword.だぞ?
「それでしたら私が手伝います、実力的にもそれが妥当ですし」
ねぇー!なんでスルーするのぉ!?
なんでこの場はこんなにスルースキル高いやつばっかなのぉ!?いい加減にしないと本気で無銘の英霊になっちゃうぞ!
「ロンド様はこのまま進撃しダーカーの撃退をお願いします」
「という事だそうだ。昨今の女性は判断が早いな…」
なに?私が昨今の女性じゃないとでも言いたいの?喧嘩売ってんの!?
「さぁ!急ぎましょう、手分けすればすぐに終わります…早く!」
「やれやれ、女性に先導されるとは私も歳を実感するな…では失礼する」
「分かてっるよ…師匠、くれぐれも無理はなさらぬ様に…では」
メルフォンと師匠が逆方向へ走っていった
通信が入った
この先には強いダーカーが隔離されているらしい…なんか途中から反応がおかしくなってるらしいけど
帯をしめ直そう…
隔離壁が開きダーカーがお目見えする…
と思いきやそこには見知った顔がたっていた
「レス…色々してたから乗り遅れちゃったね…」
「…」
レスはいつになく恐ろしい顔をしていた
キャストでも見ればわかる
「どうしたの?レス」
「…ウルクさんが…死んだ」
!?
歓声と通信が入り乱れる中、私とレスの時間だけ止まってしまった
この小説、考えるの楽しいけど書くの大変…w