「おやおや、妖怪の賢者様のお出ましかい?」
神奈子が声がした方に向けて言うと、霊夢と魔理沙と優憐もそっちを見た。
スキマから出てきたのは紫だった。
「紫さん!今、幻想郷がっ…。」
優憐の話を遮るように紫は口を開いた。
「大丈夫よ。実はとても有力な情報を頂いたからそれを伝えにきたの。」
「有力な情報?」
神奈子は紫の方をじっと見た。
「ええ、優憐、あなたがいた空間が消えた時なにか、穴のようなものがなかったかしら?」
優憐はしばらく考えた。
「あ!ありました!本当に小さな穴でしたけど…。」
「そう、実はそれは魔力が溜まりきってないからできている、いわば弱点のようなものなのよ。」
「じゃあ、そこを突けばいいのか?」
魔理沙の問に紫は首を振った。
「いいえ、そこに攻撃をしたからといってきっと相手には届かないでしょう。」
「じゃあ、どうすればいいの?」
冷静に霊夢が聞いた。
「その穴から、そいつと真っ向から戦える場所に移るしかないわね。」
紫が言ったあと、一瞬の沈黙があった。
「…。あんたがスキマでも開けてあの空間にでも行くというの?」
霊夢が聞くと、紫がふふっと笑った。
「無理よ。前にも試したでしょ、私の力ではあの空間に行けないわ。」
「じゃあどうしたらいいんだよ!」
なかなか話の先が見えず、魔理沙は苛立っていた。
「優憐、あなたなら向こうに行ける力を持ってるはずよ。」
「私が?」
優憐はぽかんとして聞いた。
「ええ、むしろあなたしかいないわね。」
紫がにこりと優憐に向かって微笑んだ。
「ちょっと待て、なんであんたがそこまで知ってるんだ。それはどこからの情報だ?」
神奈子が思わず口を挟んだ。
「どういう事かしら?」
神奈子の方を見ず、紫が質問で返した。
「なぜ、この優憐とやらですら知らない情報をお前がそんなに知っているのかと聞いている。」
「あらあら、怖い顔ね。」
紫の表情は変わらずにこにこしていた。
「茶化すな。もし、お前がこの異変の首謀者と関わっているのなら容赦しないぞ。」
神奈子の言葉に、霊夢と魔理沙と優憐は一気に立ち上がり構えた。
「まったく…。野蛮な人は嫌いよ。」
紫は立ち上がり、スキマを開いた。
「また、逃げる気かっ!?」
魔理沙が八卦炉を取り出すと、紫のスキマから本が落ちてきた。
それは魔理沙の頭に直撃した。
「いってえ…。なんだよこれ。」
魔理沙が本を開いた。
「逃げる気なんか無いわよ。紅魔館の図書館から借りてきたのよ。どうやら、"幻想郷の守り人"について書いてあるみたいね。」
紫の言葉に、優憐はどきっとした。