優憐が寝てから15分が経とうとしていた時、神社の石段の方からガヤガヤと声が聞こえてきた。
「…来たわね。」
霊夢の声と同時に、勢いよく障子を開ける音が響いた。
「霊夢!!連れてきたぜ!」
びしょびしょになりながら、元気な声でそう言ったのは魔理沙だった。
「ご苦労さま。みんなは?」
霊夢の質問に、にししと笑った。
「おーい!早く来いよ!!!」
魔理沙の声に導かれ、やってきたのは多くの妖怪達だった。
地底、冥界、魔法の森、紅魔館、永遠亭……
各勢力から多くの協力者が集まった。
「れ、れいむさあ~ん…」
みんなにもみくちゃにされていた射命丸が目を回していた。
「と、とりあえずみんな入って。」
あまりの多さに少し驚きながら霊夢はみんなを中に通した。
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「…これで、大丈夫?」
霊夢は優憐の言っていたことを今来た者達にそのまま伝えた。
みんながそれぞれ返事をした。
「ふぅ、説明するのもひと苦労ね。」
霊夢がひと口お茶を飲むと同時にスキマが開き、紫たちが出てきた。
「霊夢、準備はできてる?」
「ご覧の通り。」
たくさんの妖怪達に視線を移した紫はふふっと笑った。
「幻想郷思いの者達がたくさんいて、助かるわ。」
思い思いの会話をしていた妖怪達に紫の声は届いていなかった、
「優憐は?どこにいるの?」
紫の質問に霊夢は隣の部屋に目配せをして言った。
「優憐ならあっちで寝かせて…」
「準備できてますよ。」
霊夢の言葉を遮り、優憐は障子をあけた。
その場にいたみんなが一斉に優憐の方を向いた。
「私の力が及ばないせいで、みなさんにまで危険な思いをさせてすみません。どうかお許しください。」
優憐はみんなの前で深々と頭を下げた。
一瞬、その場は静まり返った。
「なあに、気にすることないさ。」
一番に口を開いたのは紅魔館の吸血鬼、レミリアだった。
「私達になにかあるような運命は見えていない、お前がそこまで気にする必要はないだろう。」
レミリアのあとに続き、他の妖怪達も口々に優憐に言った。
「気にするな、多少の怪我くらいすぐに治せる。」
「人は誰しも、1人では抱えきれないこともあるのです。」
「あたいなら最強だからだいじょうぶ!」
力強くも優しい、みんなの言葉に優憐は胸の奥が熱くなるような感覚を覚えた。
それはまるで、母に抱かれているようだった。
「ありがとうございます。でも安心してください。みなさんは私が守ります。」
優憐は守りたかった。
こんなにも優しい妖怪達のことを。
幻想郷を愛し、幻想郷になくてはならない存在のことを。
優憐はまっすぐみんなを見つめながら言った。
「私は'"幻想郷の守り人"なんですから。」