我輩は○○である   作:far

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我輩は未成年である。

 我輩は未成年である。そして年齢がようやく二ケタに達した、と思われる。

 正確な誕生日がわからぬが、誕生月はわかるので、まあだいたいでよろしい。別段、不都合はない。

 

 いや。あると言えばあった。

 

 うむ。なんと言えば良いやら。

 若すぎる、というだけのはなしであってだな。

 まあ。下品なはなしになるが、ありていに言ってしまえば、だ。

 

 十八禁方面の個性を受け取ってしまったのである。

 

 今まではそういったものは一切なかったので、てっきりこの世界にはそういう個性が無いのだろうと思い込んでいた。

 原作が少年漫画ということもあり、自然とそう考えてしまっていたのだ。

 高校の女教師をやっておる十八禁ヒーローも、眠らせる香りを放つという個性であった。

 

 ところでその女教師は、確か三十路を迎えていたと記憶している。十八禁ヒーローとして、あの全身タイツをいつまで、というかいくつまで着続けられるだろうか。結婚相手や恋人はいるのだろうか。将来は大丈夫なのか。少し心配になる。

 

 まあ彼女のことはいいとしよう。なるようにしかならぬ。所詮ヴィランの我輩が、何か出来るわけでもないのであるしな。

 さしあたっての問題は、この個性をどうするかだ。

 いつものように先生に持っていくのも恥ずかしいものがあるし、きっとからかわれてしまう。

 ここは久々にアレである。

 

 ボスケテ

 

 まあボスを呼ぶのでなく、我輩がボスのところに行くのであるが。

 

 そういえば。近頃ボスは気力を回復したのは良いのだが、勢い余って反抗期を迎えており、一人暮らしを始めたばかりであったな。

 先生にはさすがに逆らわないが、黒い人には容赦なく暴言を吐いたり、軽く個性で脅したり、何かにつけて苛立ちを抑えられぬ様子だった。

 これは黒い人なら許してくれるだろうという、無意識の甘えである。そしてこういう反抗を覚える相手は、普通は親が対象となる。

 うちの子が不良になった、と言わんばかりにおろおろと対応に困っている黒い人と、その子育てに慣れていない頼りない様子に、シッカリしろ! とイラだつボス。

 

 そんな二人を横目に飲む酒は、意外と旨かった。むろん隠れて飲むので、それもまた旨し。

 

 酒のサカナにするだけで終わっては、さすがに申し訳ない気もしたので、冷却期間をおいてはどうかと別居を提案したところ。

 一人暮らしへの憧れから、ボスが即行で承認。彼のアパート暮らしが始まった。

 

 なお黒い人からは、たまに様子を見に行ってくれと頼まれた。直接ワープゲートの個性でのぞけば良いのではと聞いたが、今はこれ以上嫌われたくないらしい。

 

 まあ、ちょうど良いことだ。アパートを訪ねてみるとしよう。部屋の中に何が置かれているのか、少し気になるのもある。

 

 

 そして。

 

 引っ越したばかりで、荷解きすらめんどうがって、いくつかはそのままになっているボスに相談した結果。

 

 爆笑された。

 

 後日、先生に個性を渡すときにやっぱりからかわれて、なぜ十八禁ものが手に入るようになったか、と聞かれて。

 

 爆笑された。肩をばんばん叩かれた。おめでとうと言われた。お祝いだと、十八禁の個性は取り上げられなかった。余計なお世話である。

 

 少し早いが、普通のことだ。単に体が成長した結果なのだ。

 

 だから精通が来たことくらい、放っておけ、世界よ。

 

 

 

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