我輩は小人である。身長が低いという意味ではない。ないのだいいね?
こびとと読むのではない。しょうじん、である。俗物で小物という意味で孔子が使っていた単語だ。
小人 閑居して 不善を成す
うむ。よく言ったものである。そういう人物がヒマを持て余すと、ろくなことをしないものだ。
さて。
なにを仕出かしてしまったのか。そろそろ告白しようと思う。
混ぜるな危険。なんとかに刃物。寝た子を起こす。藪をつついて蛇を出す。
知るべきではなかった人物に、渡してはいけなかった物を与えてしまったのである。
具体的に言うと、ボスにゲームを教えた。
悪気は無かったのだ。なにやら毎度そう言っておる気がするが、本当だ。
「良かれと思ってぇ!」
わざとではない。引っ越し以来どんどんと自堕落になっていって、日がな一日引きこもってはマンガかテレビか、ぼうっとして過ごすか。
ろくに飯も食わずに、みるみる痩せていき、背は丸まり、思考は暗くなってゆく。
少しでも栄養とカロリーをと、酒とツマミを与えた。たまに外に連れ出したりもした。そして、趣味の幅を広げようとした。その一手だったのである。
思った以上にドハマリした。
原作でゲームゲームと言っていたので、興味が引けるのではなかろうか。その程度の軽い思惑しかなかったのであるが。
完全に表に出なくなってしまった。これはどうにも良くない。
どう見ても、犯罪者予備軍へと急速に近づいているようにしか見えぬ。
それもコンビニ強盗くらいの小さなやつか、小学校爆破の予告。それも実際は何もせず予告だけ。しかも身元特定されて逮捕される。そんな小悪党ですらない、社会不適格者で終わってしまう。
いつかやると思っていました。我輩がボスと呼んだ存在に、そんなコメントをしたくはない。
しかしハマってしまった以上、今更取り上げてもどうにもなるまい。手遅れである。どうしたものか。
「逆に考えるんだ。あげちゃってもいいやと考えるんだ」
英国紳士が心の中でそう諭してくれた言葉に、我輩の直感がプッシュされた。
よし、まずは先生に相談である。
そして、その後。
PKギルドを立ち上げて、そこそこの規模にまで育てたあと。無事にギルドが崩壊して元気に荒れるボスの姿が!
先生からの課題として、組織運営の練習という名目でギルドを立ち上げてもらったのだが。
基本、ネトゲで崩壊しないギルドは存在しないのである。何事にも例外はあるが。
そもそもろくに社会経験や人生経験も無い、学校すら通っていないボスにいきなり出来るわけがないのである。
しかも、先生からはギルドとしか指定されておらぬのに、自分の趣味でPKギルドなんぞを立ち上げて難易度を上げてしまっては、こうなるのは火を見るよりも明らかだ。
仲間の作り方と、生かし方や動かし方を学ぶべき、という先生の意思と。人としてもう少しまっとうに育って欲しいという黒い人の願いと。原作よりさらに小物な状態はいかがなものかという我輩の気持ち。
この三つの心が一つになった結果の、課題である。
だから荒れているところ、申し訳ないのであるが。コンティニューである。
もう一度、ギルドを作るところからやりなおし。
●「良かれと思ってぇ!」
遊戯王ZEXALより。真月零のセリフ。当初、主人公らの仲間と見せかけており、足を引っ張る行動をしては、このセリフを言っていたらしい。ごめん、アニメの遊戯王くわしくないんだ。
しかし気付けば、このSSを表すようなセリフになってしまっている。このセリフを挨拶に使う感想すらあった。以降、このセリフは解説する必要は無いだろう。
●「逆に考えるんだ。あげちゃってもいいやと考えるんだ」
ジョジョの奇妙な冒険第一部より。初代ジョジョの父親のセリフ。子犬がオモチャの鉄砲を咥えて離さなくて困っていた息子に、アドバイスとして送られた。取ろうとするから、抵抗するんだよ、と諭した。