我輩は○○である   作:far

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けっして観光協会の回し者ではありません。

たまごんさん、団栗504号さん、辛子蓮根さん。誤字報告ありがとうございました。


我輩は宿泊客である。

 

 我輩は宿泊客である。本日はここ、ゴッド奈川県の湯河原温泉にある、温泉旅館に着ております。

 と言っても、この旅館。ただの温泉旅館ではありませぬ。

 なんと、ネコカフェ旅館なのである。今日はこの旅館で、思う存分いやされたいと思います。

 

「はいオッケー」

 

 うむ、オッケーが出た。あ、このあとさっそくネコ部屋ですか。わかりました移動します。

 と。おおう、さっそくのお出迎えであるか。よ~しよし。我輩は仲間だけど仲間じゃないから。そこ、威嚇しようかじゃれつこうか、混乱するな。我輩は人間枠だから、じゃれつくのだ。

 え、近くの寿司屋から出前を頼める? 漁港が近いから新鮮な海の幸が? これは頼むしかないのである。

 ペットホテルも兼ねていて、ネコだけ温泉旅館に泊りに来ているという、ゆかいな場合もあるとは。このネコめ。ぜいたくなのである。

 あ、お寿司来ましたか。握りとヅケ丼と……あっコラ。ワサビがきいてるから、お前たちは食べたらいかん。机から降りて、ヒザに来なさい。

 食事のあとは温泉である。まずは腹ごなしに少し歩いて、足湯へと足を伸ばそう。

 駅の反対側、山に近付いていくと見えてくる。日本列島の形をした足場に、別々の効能で分けられた九つの足湯。これは湯ではなく、それぞれ異なる形で足のつぼを刺激して、効能を出しているのであるな。

 足の裏マッサージのサービスも有料でやっておるそうな。15分1000円、レストハウス二階にて。あ、そこ。イテテテ。

 

 湯河原は東京からおよそ二時間。海と山と温泉とがそろった、週末の小旅行にも、日帰りにもちょうどいい休暇になるだろう、良い土地である。

 超人社会になった今も、多くの観光客を迎えて栄えている。

 春の梅と桜、夏の相模湾。秋の紅葉。冬は、まあ、富士山でも見ておくのである。

 箱根温泉の一つである湯河原は、江戸が大都市になったことで、その立地と好条件で観光地として江戸時代から栄えてきた。

 つまり昔からお客さんが来ていた。お客さんにはおもてなしを。すなわち、ご馳走がいる。

 

 まあ。おいしそうなラーメン屋さん見つけたから、入っていこうぜ。というだけである。

 

 ラーメンも日本に根付いて久しい。特集すればある程度の視聴率は狙えるという、テレビ的にありがたいものであり。各地にご当地ラーメンも存在する。

 ここ箱根のご当地ラーメンは、近くの小田原ラーメンに近いものも多いが、あえて新機軸に踏み込んで行ったものもちらほらあり、食べ歩きも楽しそうだ。

 

 まあ、そんな予算も時間も今回無いのであるが。

 

 あ、来た来た。この煮干の香りがクセになりそうである。でも我輩は猫舌ゆえに、少し冷まさねばならぬが。

 

 はあ、食べた食べた。観光としては、首だけの大仏とか、万葉公園とか不動の滝とかあるのだが。なんか年寄りくさいので独断でパスである。

 いいよね? うんオッケー出た。これでいいのだ。あ、美術館は大小あわせて11もあるので、興味がある方は調べてみると楽しいかもしれぬ。個人的には、かぼちゃ美術館と、刀系もある木村美術館がおすすめである。

 

 さて旅館に帰ったら、またネコたちのお出迎えである。さすがに人懐っこい。わかっているなこやつら。

 あとはここの温泉につかったら就寝であるが、もちろんお布団にはネコ付きである。

 ただ選ぶのは人ではなく、ネコの方である。これは、仕方がない。

 だから我輩のところにそこそこの数が来てくれたのは、仕方がないのである。恨めしそうに見るなスタッフ。そしてネコたちよ。来るのは良いが、頭の左右に陣取って丸くなるのはやめるのだ。身動きが取れない。

 

 いやあ、今回のレポーターのお仕事は楽しかっ――――

 

 いかん。

 

 また素で、ヴィランとしての自分を忘れ去っていた。

 恐るべし、芸能界。そしてあなどれぬな、猫。さすがは個性が世に出たあとも愛され続け、その異形系というだけで各種業界にスカウトされるだけはある。というか、我輩がそのひとりだ。

 とはいえ、今は布団の中。何もできないので。今日のところはこのまま寝るのである。

 

 おやすみなさい。

 

 

 

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