我輩は○○である   作:far

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我輩は模索中である。必殺技とか。

 

 我輩は模索中である。必殺技とか。

 

 仕事の方がムダに順調で、そういうヒロアカっぽいこともしないと、業界人に染まりきりそうで怖いのだ。

 というのも、ウワバミさんである。我輩の所属事務所は彼女の所で。なんかやたら張り切って売り込みをかけてくれるおかげで、早くもレギュラー番組があったりするのだ。

 この間の先輩たちの取材もそれである。お昼の情報番組の、現場リポーターの役。けっしてスタジオには呼ばれない、あれである。

 日本各地を飛び回る仕事であるので、条件さえ整えば地方の葬儀場などで個性収集ができるかもしれぬと、今気付いた。

 

 あとはちょこちょこネコが関係したり登場する番組と、ラジオであるな。だいたいはバラエティ方面である。

 ドラマや芝居などは、我輩たち異形系は基本、個性が世に出て以降のものにしか出られぬこともあって、最初から出るつもりは無い。時代劇ならやってみたかったのであるが。

 

 いや化け猫とかならワンチャン…?

 

 ラジオはまず経験を、ということでゲストで呼んでもらいまくっている。プレゼント・マイクのぷちゃへんざレディオにも呼んでいただいた。

 なぜか妙に歓迎された。ネコ好きの同期がいるらしく、少し影響を受けたんだそうな。ヨーコソー。

 

 閑話休題。必殺技の話に戻ろう。

 

 必ず殺す技と書いて必殺技。ヒーローが使うには正直どうかと思うが、日本の古き良き伝統である。そのへんは気にしないことにして、これからも使い続けられて欲しい。

 英語のフィニッシュブローを直訳して決着技とか、最終攻撃とかにしても、ぴんと来ないことであるし。

 

 まあ、なにはともあれ必殺技である。ヒーローもヴィランも、一般大衆もみんな大好き少年の夢。もちろん我輩も大好きさ。

 たとえ今この手にあるのが、先生に買い取り拒否された個性ばかりだとしても。

 

「ないもんねだりしてるほどヒマじゃねえ。あるもんで最強の闘い方探ってくんだよ 一生な」

 

 悪魔なアメフト指揮官もそう言っていた。この言葉は実に現実的であるな。

 

「ないならよそから持ってくる。他の方法を考える」

 

 まあどんなことであれ。時と場合によるので、こちらの魔術師的発想も忘れずに。実際、我輩はよそからもらってこれるわけであるし。

 だが今はまず。手持ちの個性で検討してみようと思う。

 

 場所を人気の無い公園に移して。実験開始である。

 

 まずいきなり本命。力をストックする個性から。

 まずは発動。力をぐぐっと溜め込んで、拳を前に――――放ってはならない。

 かまえて、前に踏み出そうとした瞬間、気付いた。直感した。シッポがぶわっとふくらんだ。あ、これヤバい、と。

 おそらく、そのまま拳を力いっぱいにくり出していたら、ひどい事になっただろう。

 

 具体的には原作主人公みたいになる。ストックされた力が我輩のものだけなので、あれよりはマシなのだろうが。

 

 原作のようにはいかない。ならばオリ主らしく、裏技的ななにかを考えようではないか。

 

 力をストックする。この力とは、筋力だけか? エネルギー全般ではないか?

 試しに、熱エネルギーをストックしてみよう。なんとなく、感覚的にいけそうな気はする。そして、実際にいけた。

 

 ただ。溜め込んだ熱って、熱いのである。

 

 しかも。あくまでストックする個性なので、うまく放出できない。そっちは別売りらしい。いや、売ってはいないと思うが、比喩表現である。

 水を求めて、水飲み場へと走る。場所を公園にして良かった。やけどでもしそうであった腕に水をかけて、事なきを得る。

 

 個性を譲渡する個性も、他の個性との組み合わせ前提であったが、この力をストックする個性も、単体ではかなりつらいのではなかろうか? 我輩はいぶかしんだ。

 

 ハァ…

 

 大本命がコケたことで、かなりやる気がそがれてしまった。それとこの世界でため息をついたら、ステインさん来そうで怖いので以降ひかえよう。

 

 え~~っと、あとの個性は、と。

 

1.間接が外せる個性(はめるのは手動。もしくは別売り)

2.香りを出す個性(カレー)

3.毛を生やす個性(まつ毛)

4.首から花粉(杉)が出せる個性

5.タンポポを誰よりも輝かせる個性

6.

 

 ってもういいわ! 使えるかぁこんなもん!

 もういいのである。今の我輩の必殺技は、先生に言ってやろう、でいいのである。もしくはウワバミさんに、お姉ちゃん助けてとでも言えば万事解決である。

 

 今日はもう。帰って寝よう。無駄な時間を過ごしたのである。

 

 

 




●「ないもんねだりしてるほどヒマじゃねえ。あるもんで最強の闘い方探ってくんだよ 一生な」
アイシールド21より。蛭魔妖一の発言。なお、あるもんの中には脅迫やイカサマも含まれる。ただし、試合の中には持ち込まないし、プレイに関わるものにもナシだ。しかし練習環境を整えるためや、チームメイトを確保するためには活用される。

●「ないならよそから持ってくる。他の方法を考える」
型月こと、TYPE MOONの世界観の中の、魔術師という人種の基本的な考え方。月姫、Fateシリーズと来て、ソシャゲのFGOで荒稼ぎ中。据え置きゲームには帰ってくるのであろうか。
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