我輩は○○である   作:far

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バトル要素が無い本作のかわりに、畳廿畳氏の 明治の向こう などいかがでしょうか。
こないだ作者が捕まった、るろ剣の二次。更新が続くといいなあ。


我輩は反逆中である。

 

 我輩は反逆中である。

 我輩はネコである。それゆえ、苦手とするものがある。いくつもあるのだ。

 中には克服したものもある。入浴とか。これはウワバミさんのおかげである。ほぼ全身に体毛があるので、風呂上りに乾かすのがひたすら面倒であったのが、それも気持ちのよいことであると教えてくれた。

 大きな音も、ある程度は大丈夫だ。これは当初、体が勝手にびくりと反応していたものだが、日々の暮らしの中で、次第に慣れた。

 牛乳でおなかを壊しやすいのと、石鹸やかんきつ類のニオイはいまだにダメである。男性のワキのニオイもダメだが、これは逆に克服したらダメなやつだと我輩は確信する。

 マタタビなどは別の意味でダメだ。あれには逆らいがたい何かを感じる。

 虎やライオンも、マタタビの丸太を抱えてごろごろ転がったりするらしいので、これはネコ科の宿命であろう。

 

 だから仮に。我輩がたまにマタタビ粉をキメていたとしても、仕方がないはなしなのである。

 

 チョコ、ブドウ、キシリトールは大丈夫だった。ネギもいけた。玉葱は元々嫌いである。

 エビやタコやアワビなどは、ネコにあたえると耳が欠けるなどと言われているが、これはよくわからない。ビタミン不足になるともいわれるが、連続してそれらだけ食べさせなければ良いことだし、食べるものが偏ったら、そもそも良くないと思うのだ。

 

 同じく、塩分や糖分の取りすぎも良くないと言われるが、それは人間も同じである。単に体の大きさが異なるので、影響が出やすいので注意しよう。そういうことではなかろうか。

 我輩の身長は、この間とうとう110cmの大台に乗った。頭頂部ではなく、その上の耳で測った場合ではあるが乗ったのだ。だから問題は無い。無いのだいいね?

 これでも戸籍上は16歳。実年齢12歳なのだ。まだまだ身長は伸びる。伸びるはずである。我輩はそう固く信じる。伸びろ。

 

 他にも調べたところモモやスモモ、アンズ、アボカド、サトイモ、コーヒー、唐辛子などがネコには害になるらしい。ウワバミさんと一緒に実験した結果、アボカドだけアウトであった。

 なんでもアボカドの果実や種、葉っぱに含まれている、ペルシンという成分がダメらしい。少量を食べてみる、という実験方法だったが、それでも気持ちが悪くなって吐き気がした。

 どうやら今回の人生では、我輩はカリフォルニアロールを食べられない体であるらしい。

 

 うむ。びっくりするくらいどうでもいいな。全く喪失感を感じない。

 

 サトイモの煮っ転がしを食べられない、とか、コーヒーを飲めない、だと思うところはあった。しかしアボカドである。正直、反応に困る。

 

 あとはタバコも苦手になったが、これは嗅覚が鋭くなったせいなのかもしれぬ。

 ワサビもこの歳になっても、いまだに受け付けない。これは年齢的な問題で、刺激物に対して弱いのか。それとも個性の副作用であるのか。どちらとも判別がつかぬが。

 まあ、十年もすれば、そのうちに答えが出るであろう。

 

 ワサビ茶漬けや、ショウガを利かせた麻婆豆腐、七味をふりかけたモツ煮。豚キムチ。タンタン麺。甘口以外のカレー。

 これらは絶対に、そのうち食べられるようになりたい。特にカレー。これは絶対である。絶対だ。

 ココ○チの3辛などとぜいたくは言わぬ。1辛とさえ言わぬ。せめて普通のを食べさせてください。2甘とか3甘とかを頼むのは、なぜか気恥ずかしさを感じてしまうのだ。

 うむ。コ○イチは辛さだけでなく、甘さの段階も選べるのだ。やるな○コイチ。生前は知らなかったぞココイ○。

 だがドリンクのバナナジュースがなくなったのは許さぬ。あとトッピングのジャガイモとアサリも復活させるのだ。それとチキン煮込みは、複数注文してダブルやトリプルにできるのはメニューに書いたほうがいいと思う。あれは良いものである。

 

 閑話休題。というか、なんのはなしだったのか。

 

 そうそう。反逆のはなし。個性由来の、本能への反逆のはなしである。

 

 今、目の前に、柴の子犬がおるじゃろ?

 

 ネコの本能的に、警戒して後ずさってしまう。しかし、こいつは可愛い―――

 しかも向こうは無邪気に、遊んで遊んでと、こちらへシッポを振ってはしゃいでいる。

 こちらのシッポは勝手にピンと立って、警戒してしまっているというのに。

 まさか、もう慣れたものである。と思って、少しナメていたレポートの仕事で、ここまで危機を感じようとは―――

 

 だが我輩も、生前からの犬好き。この程度の試練、乗り越えてみせよう。

 

 たとえハタから見た姿が、ぷるぷる震える我輩が、腰が引けた姿勢で子犬に手を伸ばすという情けない姿であろうとも。

 我輩は、この本能に反逆する――!

 

 

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