我輩は○○である   作:far

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なぜかふと 僕は麻帆良のぬらりひょん! を思い出した。
今はもう閉鎖されたサイトで連載、完結して。サイト閉鎖後にここに8日間で移植されたSS。
学園長に一般人が憑依、かつほぼバトルなしで9話完結という、もう少し評価されてもいいと思うけど、過去作で埋もれちゃってるなあ、とここでダイマしてみるテスト。


我輩は誘惑中である。

 

 我輩は誘惑中である。目の前の少年を、だいぶん取り返しのつかない道へと誘導中なのだ。

 さあ、少年。私の手を取れば、君は個性を手に入れることができるぞ――?

 

「力が欲しいか。力が欲しいなら―――くれてやる」

 

 目の前の、もじゃもじゃ頭でそばかすのある、背の低い、特に鍛えているようには見えない典型的なオタク。

 名前も確認したので、間違いない。原作主人公の緑谷少年だ。

 出会ったのは、まったくの偶然である。昼時にふらりと立ち寄った牛丼屋の扉の前で、鉢合わせただけだ。

 しかしせっかくの出会いであるので。我輩は少し声をかけてみた。

 

 少年、何か悩みがありそうだな。

 

 我ながら、うさんくさかった。

 しかしこちらには、原作知識という反則技がある。彼が無個性で、それでもヒーローに憧れているということを知っている。

 それを生かすべく、追撃を放った。そのままでは引かれてしまいそうであったし。

 

 少年。夢を見るということは。けっして間違いなんかではないぞ。

 

 案の定、どういうことかと食いついてきた。ちょろいものである。

 あとは適当に、それらしいことをささやくだけだ。

 

 個性があればヒーローになれるというわけではない。が、ヒーローは皆、すべからく個性を生かしている。

 特殊な武器や装備があれば、何人かのヒーローのマネはできるだろう。だがオールマイトはマネすら無理だ。

 心の中に、一本の折れない槍が必要なのだ。それは自分を信じる、つまりは個性を信じること。

 

 キレられた。僕じゃ無理だと言いたいのかと、思いっきりキレられた。

 

 そこでウソを一つ吐く。

 

 個性の中には、人から人へと渡り歩くような。そんなものもある。そして我輩はそれを持っている、と。

 そして続けて、あれである。

 

「力が 欲しいか―――?」

 

 なお、渡そうと思っている個性は 自爆 である。

 

 

 

 うむ、自爆だ。

 

 この間、うっかり手に入れてしまって、持っているのも怖いし、困っていたのである。

 

 さあ、緑谷少年。この個性でワンチャン輝いてみないか?

 

 

 

 一回しか輝けないだろ! そう言い残して彼は去っていった。まあ、仕方がない。当たり前と言えば当たり前だ。

 

 ところで。

 

 個性が発現して、即、制御を失敗してヒドいことになるという事故が、個性持ちが多くなるにつれて、年々増加している。

 どこぞの、手汗が爆発するマンや、手で何か持つとき、指を全部使うと壊しちゃうマンあたりが、わかりやすい例だろうか。

 

 そして中には、最悪の事態を引き起こしてしまう場合もあるのだ。

 

 この自爆の個性の持ち主もそうだった。彼の顔は、綺麗に残っていた。とだけ言っておく。あとは察して欲しい。

 そんな彼から託されてしまった個性なので、適当にそこらの動物になすりつけたり、先生に渡して証拠隠滅に有効活用されてしまうのも、なんだかしのびなかったのだ。

 だがこうなってしまった以上は、他に道は無い。先生に頼むのである。

 

 いや、ほんと。持ってるだけで怖いし。

 だって、押しちゃダメなスイッチが、四六時中ずっと目の前にあるのである。

 好奇心に負けそうで、本当に怖いのだ。

 

「自分ほど信じられんものが、この世にあるかーー!!」

 

 この件に関しては、全く反論ができないので。さっそく黒い人を呼んで、先生のところまで運んでもらうとしよう。

 電話が今、つながりますように。

 

 

 




●「力が欲しいか。力が欲しいなら―――くれてやる」
ARMSより。謎のナノマシン由来の腕や足や目を移植された少年少女らのを中心に、高度なテクノロジーの産物と、それを研究し、操る人物らに理不尽に振り回されるが、立ち向かう人々の物語。あまりに高度なテクノロジーを前に、人は逆に人間性を問われる。
物語中最強の力である、ジャバウォックが主人公へ何度も放った言葉。力の代わりに、彼が欲しかったものは―――

●「自分ほど信じられんものが、この世にあるかーー!!」
ゴーストスイーパー美神より。竜神からもらった補助アイテムで、突然霊力に覚醒し、ゴーストスイーパーの資格試験に挑む横島。その補助アイテム心眼が破壊され、最後に残した言葉「おぬしならできる。自分を信じろ」に対して、絶叫したセリフ。
これが納得できてしまうほど、彼はダメ人間であったw
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