我輩は○○である   作:far

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天然ヴィランモードとほのぼのモード。両方やっていきたいのだが、軸がぶれているせいか、方向を変えた話は、どちらでもお気に入りやしおりが減る気がする。
ありがたいことに、お気に入りは総数は増えているのですが。できうる限り書き続けますので、お付き合いのほどをお願いします。


我輩は妙な気分である。

 我輩は妙な気分である。というのも、ちょっとしたウワサを耳にしたからだ。

 リポーターは日本各地を飛び回る仕事であるが、もちろん独りで飛び回っているわけではない。カメラマンさんや監督など、スタッフの方々と一緒だ。

 すると、移動や撮影の合間に、会話くらいはする。中にはスマホ片手にずっとゲームしているような人もいるが。それは例外だ。

 それでもって。その話題に政治のはなしが出てきて、だ。なにやら、若手の議員でやり手が出てきたというのだ。

 なんでも、所属している党もバラバラの、独自の派閥を突然作り上げ。個性やヒーロー関連の法案を次々と通して、目に見える結果を出しているのだとか。

 

 どこかで聞いたようなハナシであるな。

 

「ボクは悪くない」

 

 謎の罪悪感がおそってきたのを、この呪文を唱えて耐える。その若手のやり手議員さんとやらが褒められると、気恥ずかしさもおそってきた。なんであろうか、このむずがゆさは。

 良かれと思ってやったことであるが、それをこうして世間に評価されると、誇らしいような照れくさいような。それでいて、申し訳ないような。妙な気持ちを覚える。

 

 まあ、我輩が直接ほめられてるわけではないのだが。

 

 なにやら、本当に治安が良くなっているらしい。数字的にもそれが見て取れるほどで。特殊刑事課を作った署の管轄では、犯罪の発生数と、検挙率が両方改善傾向にあるという。

 その他の地域でも、アシスタント制度のおかげか、検挙率は上がっているそうだ。

 なんでも署の近くでは、土地の値段が上昇すらしており、若干景気が良くなっているらしい。それに乗っかって、一部企業が特殊刑事たちのグッズ販売を検討中とか。

 まあ、おおむねいい結果になっているようだ。

 

 うむ。良いことをした―――

 

 ………………………………

 

 って、ちがーう。

 ヴィラン、ヴィラン。我輩はヴィランである。

 国会議員らを裏から支配し、政治を動かすのはいい。すごくヴィランっぽい。

 だが、それで世間に平和と秩序をもたらしてどうする。

 利益。せめて自分にも利益がないと。

 

 いや。国会議員の有力な派閥を一つ手に入れたって、それ自体がとてつもない利益なのでは? 我輩はいぶかしんだ。

 

 普通は。この、一見良い事をしつつも、影響力を確保するというのは、次に何か大きな事をするための布石であったりする。

 

 うむ。普通ならのハナシだ。

 

 我輩は、単にノリと勢いと、良かれと思ってやっただけであって、何の裏もなかったりするのであるが。

 なにやら知らぬうちに、そんなところまで状況が進んでしまっている現状に、困惑せざるを得ない。なにコレ怖い。

 

 あっ。 ま さ か 。

 

 ヒーロー側に利するこの一連の動きを。先生が、黙って見ていてくれたのって―――

 

 え。

 まさか。

 我輩、この先を期待されているのであるか?

 えっ。

 全く、完全に。計画なぞ存在もしておらぬのですが。

 ええっ。

 

 えええっーーーー??

 

 

 

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