我輩は情報を分析中である。もう入試まで一週間。そして主人公らが入学してしまえば、本格的に原作が始まる。
その前に、一度情報を集めて、考えてみよう。そういうわけである。
ほら。我輩は一応は、二次創作の転生オリ主であることであるし。原作知識からの、何かが出来るやもしれぬので。
今更であるが。自分でもよくわからぬ立場であるな。
「理由も分からずに押しつけられたものをおとなしく受け取って、理由も分からずに生きていくのが、我々生き物のさだめだ」
時折、この言葉を思い出す。十年以上も生きれば、逆に押しつけたものも多い。ならば、だ。
この押付けられた二度目の人生も。もう、そういうものだと。そう、あきらめる他はないのだろう。他人には押し付けておいて、自分はイヤだと抜かすのは。実に格好が悪いものだからして。
生きてるだけで丸儲け、とまではいかぬが。我輩、生きるのが好きであるし。ここは、前向きにとらえよう。
さて、情報であるが。まずは現状確認からいくとしよう。それではヴィラン陣営から。
先生ことオールフォーワン。原作よりも、精神的な余裕がありそうに見える。たまに建設中の空中庭園の様子を見に行ったり、何をどうやったのか、絶滅したニホンカワウソを復活させたりと、人生を楽しんでいる模様。
この間などは、海外に登山へ行ってきたらしい。山の上の空気は格別だったよとは、本人の談。
まともな食事も取れず、目も見えない。その状態で、呼吸に楽しみを見出しているのだろうかと考えると、悲しいものがある。
だが、定期的に我輩から使えそうな個性を、それも根こそぎ抜き取っていくのはやめていただきたいのだが。もう少し、手心をくわえてほしいところである。特にまともな強化系を一つでよいので、残してほしい。
次にボスこと、死柄木 弔。どこに出しても恥ずかしい、立派な中二病患者である。最近は、それを若干こじらせつつ、とりあえず何であれ否定的に見るタイプの、高二病も併発しつつあるハイブリッド。
チンピラやごろつきなど、中途半端にくすぶっているヴィラン予備軍を手下にする、カネと暴力という二つの手法を覚えた。これには先生もニッコリ。
基本的に、引きこもりのゲーマーである。ゆえに手下以外の、仲間や組織の運営は黒い人に丸投げが多い。これには先生も苦笑い。
他のヴィラン連合の面々は、おそらく原作からさほど変化は無いと思う。彼らについての記憶がおぼろげなので、断言はできぬ。
だがしかし。ゴリラがもとになった脳無よりは、変化がないとおもうのだ。
色々な素体で試した結果。哺乳類、それも人型でなければ個性を宿せる量が、少ないのだそうだ。これがヒト由来の個性を植えつけているからなのか、それとも生物としての進化の度合いが関わっているのか。それはわからない。
ただ結果として。やはりゴリラが脳無に最適であったということだ。
まとめると。脳無が若干強力に。そして先生とボスが、精神的に余裕がある分だけ怖さが薄れたが、その行動にも柔軟性が生まれたのではないかと思われる。
なにか不測の事態にも。高度な柔軟性を持ちながらも、臨機応変に対応できる。かもしれぬ。
ヒーロー側に移ろう。
主人公とS少年が最大の変化であろうが、それも少し強くなった程度。大きな変化ではない、と信じたい。原作補正を信じろ我輩。
オールマイトも、別に治療などはしておらぬ。肉体的には原作どおりだ。原作どおりに、片方の肺と胃を失い、弱ってやせ細った体を個性で補い、No.1ヒーローを張り通している。
先生もオールマイトも、とあるヤクザの個性を使えば治癒できる可能性があるのだが。この期に及んでも、まだ、我輩はそれをする決断ができないでいる。
原作補正の話ではない。
あの二人は、お互いがつけた傷を抱えて、一対一で、正面から殴りあうのが本望なのではないか。そう、思うのだ。
あの二人を癒すのは、いろいろなものをなかったことにしてしまうようで。だからその選択は、選びがたい。
他のプロヒーローらは、職業ヒーローと呼ばれるようになって、全体的に士気が落ちているらしい。一部の地域での治安の悪化という形で、それは現れた。
しかしヒーローの助手、アシスタント制度。あるいは特殊刑事課がうまく働いた場所では、逆に治安が上向いており、対応できたヒーローとできなかったヒーローの差が明確になってしまった。
そこいらへんも査定に組み込んだ結果。うまくやれなかったヒーローの給与に、それなりの打撃が。その穴埋めにと副業に走る彼らは、そのうち淘汰される気しかしない。
ふむ。副業の方が主な活動の、ヒーローでなくとも良い人向けの。そんな個性使用資格を作ろうか?
それはさておき。ヒーロー側で大きな変化は、ミッドナイトが眠らせる香りの他に、男性を惚れさせる香りを使えるようになったのではとウワサの雄英の他には。ウォーターホース夫妻の生存がある。
原作では、とあるヴィラン相手に殉職していたのであるが。原作よりも早めに仲間になったマグ姐さんが、そのヴィランをスカウト。
結果、事件自体が起こらずに、普通に無事であるという。
一時は、何もせずに見殺しにする覚悟を固めたのであるがなあ。
その影響は、ワイプシのマンダレイ先輩に飛び火した。もっと言うならば、カレシができた。
原作では、亡くなったウォーターホース夫妻の子供を預かっていたので、そんな余裕はなく、コブつきということで男の方も遠慮したのではなかろうか。
ワイプシは、女から男に性転換した虎先輩以外は女性である。そして、皆もう三十路である。それでもミニスカでがんばっている。
問題。 そんな中、ひとりだけ結婚できてしまった場合を想像せよ。
現在。彼女たちは地味に、解散の危機を迎えている。ガンバレ原作補正。我輩は信じているぞ。
こうして考えると、大きな変化は無い。そう言い切って良いだろう。原作補正、仕事したな。これからは原作補正さんと、さん付けしてやるのである。
「ボクは 悪くない」
胸を張ってそう言っても、許されるであろう。めでたしめでたし、である。
え? ステインさん? ステインさんは……
考えるな。感じろ。そして原作補正さんを信じるのだ。
頼むぞ、ガンバレ原作補正さん。我輩はお前を信じているのだ―――!
このネコは、自分が好き勝手やっている自覚はさすがにあるので
やらかした。でもまだ大丈夫だと信じたい一心で、こう考えましたが
皆さんはどうお考えでしょうか
●「理由も分からずに押しつけられたものをおとなしく受け取って、理由も分からずに生きていくのが、我々生き物のさだめだ」
山月記より。三度目なので略。
●考えるな。感じろ。
香港映画スター、ブルース・リーの映画の中での有名なセリフ。カンフー映画は古典ではあるが面白いので、いくつかレンタルしたり、ネットで見てみるといい。きっと、ああ、こういう味もあるのかと、知らない人は感じてくれるだろう。ただ基本どれも同じ感じの味なので、そこは注意。
型を修行中の少年に対する助言としての発言なので、頭で考えずに、感覚に集中しろ。体内の力の流れを感じ取れ、という意味、なのだろうか。短いわりに、深すぎる発言で困る。