反応があると、単純にうれしい。
我輩は悩んでいるのである。はて、どんな名前にしたものか、と。
言っておくが、必殺技の名前などではない。もののついでに、言っておくが。中二病とロマンは違うのだ。
「そこになんの違いもありゃあしねぇだろうが!」
違うのだ。
それと悩んでいるのは、自分の名前である。もちろんのこと、ヒーローネームではない。それはもう持っている。
ヴィランネームをネコから変えるわけでもない。ただ、増やすだけである。
政財界の裏に根を張る、表には顔すら出さぬ、謎の黒幕。一見ヒーローよりの活動をしているが、その存在を知る極一部の人々は、口をそろえてこう言う。
あいつは絶対に、何かたくらんでいると。
まあ、その正体は札束ビンタを駆使した我輩であり、言っているのは、先生やボスなのだが。
だがテキトーに、思い付きやらで動いているし、動かしているので。世間の動きを俯瞰して見ることができるような、そんな有能な人や、勘のいい人。そういう人たちならば、黒幕の存在に気付いている。やもしれぬ。
それが我輩であるとまでは、さすがに気付けないであろうが。
まあ、絶対とは言えぬ。記憶を読む個性とか、直感で答えがわかる個性なども、この世にないとは言い切れぬわけであるし。
であるからして。いっそ、そういう人物がいる。ということにして、少しでも我輩につながる糸を断とう。と、まあ。そういうわけである。
それで、そいつの名前をどうしようか、と考えたが。これがなかなか、良い考えが浮かばない。
ボスは自分で死柄木 弔と名乗ってしまう、患者であるし。黒い人も黒霧という、そのまんまな名前であるし。
いや。そういえば、ヴィランネームなんぞは、だいたいがそんなものであるか。ではそれで良かろう。
正しき社会という、ステインさんの夢を。
ついこの間も、ヒーロー免許に階級制度の採用が決定したところだ。実績に応じて、階級なしを筆頭に、A級~C級。仮免許と続くいずれかの階級に、自動的に割り振られる。
階級なしは頂点というよりも、限定解除みたいなものであるな。現状では、オールマイトとエンデヴァー氏のみが該当する。
事件解決数など実績では上回るのに、オールマイトを超えたとは自他共に認めない、永遠のNo.2ヒーロー エンデヴァー。その誇り高さは、キライではない。家庭は若干。若干だけだが、崩壊気味らしいが。
これでまた、ヒーローを名乗る価値のないヤツらがヒーローを名乗るな! というステインさんの主張に、一歩近付いた。
B級や、C級ヒーローです。という名乗りならば、きっとステインさんも、ギリギリアウトくらいの判定を出してくれる、と良いな。
まあ、所詮は他人事である。
さて。名前を決めたのならば、周知せねばなるまい。と、なれば。まずは名刺でも作ろうか。
せっかくである。ついでに、ヒーローとしての名刺も作ろう。というか。一応就職した社会人として、今まで持っていなかったのは、いかがなものであろうか。しかも、持っていないことで、困ったことがないのであるが。
芸能界とヒーロー業界は、カタギの世界とは言いがたいようであるな。
ヒーローの方の肩書きは、所属事務所のウワバミさんのところの。え~っと。アシスタントで良いのであろうか? しかし研修先は、バックドラフトさんのところなのであるが。
というか、研修中の仮免ヒーローは、どういう扱いなのであろうか? 医者の研修医と同じようなものなのであろうか?
あ。言い忘れておったが。仮免、受かったのである。
緑谷少年らと今年一緒に受けて、落ちたら恥ずかしい。そんな理由で、昨年にがんばったのである。
両手のポンプから出した水をロープのように操れる、災害救助の専門家。そんなバックドラフトさんの教えは、救助試験で大いに役に立った。
応急処置と、その優先順位の見極め。時に効率のみを考え、命を見捨てて、命を救う非情な決断。危機に飛び込む勇気と、乗り越えるための知識。
実地で鍛えられ、その経験は、大いに我輩の身になってくれた。受け取った、個性らとともに。
室内での火事で、燃えるための酸素が足らずに下火になったところへ、ドアを開けたり窓を破ると、流れ込んだ酸素で盛大な爆発が起きる。
その災害現象の名前、バックドラフトを名乗る災害救助ヒーロー。それが何となく、我輩の琴線に触れたので彼を選んだのだが。意外なまでに正解であった。
しかし何を考えてこの名前にしたのであろうか。救命ヒーロー出血多量とか、防犯ヒーロー サムターン回しとか、そんな感じなのだが。
名前の響きがカッコよかったからね。と笑顔で答えてくれたら、きっと我輩は彼が好きになる。今度、聞いてみるのである。
さて。
●「そこになんの違いもありゃあしねぇだろうが!」
筋肉マン完璧超人始祖編より。現在連載中の、原作終了後の続編の中のヒトコマである。人気は高いが戦績は悪い、ザ・ニンジャ。彼が悪魔超人として完璧超人の幹部に苦戦する中、かつての原作終盤でのチームメイト、ブロッケンJrが応援しに駆けつける。
が、ニンジャ、これを拒絶。あの時はチームメイトだが、今は違うと。それにブロッケンが「何を言ってやがる、違わねぇよ! おまえはニンジャで、オレはブロッケンJr.だ!」と熱く返した後に続くセリフ。
なお、それに対するニンジャの返し「違うのだ!」まで含めてネットでネタとなっている。コラ画像だけで1000超えってなんだよ。
例「俺はBLが好きでお前は男の娘が好き。そこになんの違いもありゃあしねぇだろうが!」「違うのだ!」