我輩は○○である   作:far

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我輩は負けネコである。

 我輩は負けネコである。うむ。普通に戦闘で、敗北したのであるな。

 相手は、バネバネの実を食べたバネ人間。それと、だいたい同じな個性 筋骨発条化を持ったヴィランである。

 やっていたことは、ただの引ったくりであるが。

 この個性、先生も原作で持っていた気がする。カブりなのか、これから手に入れるのか。あとで、こんなやつと戦ったと、世間話がてらに報告しておこう。

 

 それでその、ベ○ミーであるが。ボクシングをかじっていたらしい。つまりは、戦闘訓練をつんでいたわけで。

 個性を振り回すだけの、素人ではなかった。バネ化した、ふくらはぎと胴体と二の腕。それをたわませて、左右に鋭く飛び跳ねながら、突っ込んできての、左右の連打。

 

「まっくのうちっ まっくのうちっ」

 

 バネになった骨と筋肉が、衝撃を吸収して関節を守る。吸収した反動は、次なる一撃への加速となり。止まらない連撃が始まった。

 我輩の背が低かったことで、拳の軌跡が限定されて、殴りにくかったこと。

 我輩が軽すぎて、早々に吹き飛んでしまい、結果的に逃げられたこと。

 この二つの幸運がなかったら、もっとひどいことになっていたであろう。

 

 我輩をしとめ損ねた。そう判断した○ラミーは、即座にその場から逃走。バネにより跳びはね、ビルを駆け上り、通りを飛び越え。まんまと逃げおおせてしまった。

 

 オノレ。やってくれたであるな。

 

 殴られた頭と腕が痛い。しかし、そんなことよりも。

 今はこの頭の中で鳴り響く、あぶ○い刑事と○棒の作中曲が、我輩の何かを熱くする。

 

「倍返しだ!」

 

 あれ、さらに何か混ざった。

 

 さて。まずは電話である。110番が警察。119が火事や救急というのは良く知られている。海難事故が118なので、ついでに覚えておくと良いかも知れぬ。

 117が時報。177が天気予報。113,4,6が電話関係で、115が電報の依頼。

 

 そして888がヒーロー協会への電話となっている。政府広報や、CMで周知を始めたところだ。

 困った時。助けてくれっていう時は、ここに電話してくれ。番号はオール8っと。

 

 オール8と。オールはちと。オールマイト。

 

 ダジャレである。

 

 これも、決定には我輩は何ら関わってはおらぬと、声を大にして主張するものである。

 

 ともあれ、スマホを取り出し、888を押す。負けてしまった以上、このまま何もせずに単独で追跡するのは悪手である。まずは協会に通報せねば。

 追跡するのはそれからだ。殴り返すのはそれからだ。復讐するはワレニアリ、である。

 

 ヒーロー的にはダメであろうが。我輩はヴィランでもあるからして。

 先生の生徒として、あんな野良ヴィランにおくれを取ったままでいては、いけないのである。

 我輩の誇りにかけても。

 先生にバレたら、補習が怖い的な意味でも。

 

 通報はしたので、義理は果たした。再び負けるつもりはないが、これで我輩が失敗しても、他のヒーローが後始末をしてくれるであろう。

 

 さて。

 

 意識を入れ替えろ。気配を消せ。使える個性を把握しろ。

 

 さあ。まずは―――――――

 

 

 

 ………………………………………………

 

 

 

 追跡に使える個性って、我輩何か持っていたであるかなあ……

 

 

 

 

 

 その日。ひとりのヒーロー見習いが、引ったくりに敗北するニュースが、電子版の片隅に流れたが。

 見なかったことにしといてください。お願いします。

 

 

 

 

 




●「まっくのうちっ まっくのうちっ」
 はじめの一歩より。いじめられっ子から、強者鷹村との出会いを経てプロボクサーを目指す。数々の強敵と戦い、やがてリングを去った。一言でまとめると王道である。不思議。私としてはベストバウトは鷹村vsブライアンホーク。異論は認める。
 主人公一歩の必殺技、∞の軌道を描きつつ左右の連打を放ち続けるデンプシーロールが放たれている間などに送られる、観客からの声援である。

●「倍返しだ!」
もはや懐かしいドラマ、半沢直樹より。銀行内を舞台にした、不正を扱ったドラマ、のはずであったが。上司に言えない事を言いまくってくれる主人公にスカッとした、ストレスのたまっていた色んな層からの支持を受けて高視聴率を叩き出す。
恋愛要素も話題の歌手の主題歌もテーマソングも、視聴率を稼ぐには、いらんかったんや! 最終話は42.2%の視聴率を出し、平成ではドラマで一位となった。瞬間最高では46.7%いったらしい。最終回が放送されていた時、私はたまたまスーパー銭湯にいたのだが、休憩スペースのテレビ付きのリクライニングチェアーは、これを見ているお客さんでいっぱいであった。
主人公、半沢のモットーで決め台詞が「やられたらやりかえす、倍返しだ!」である。
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