投稿前に、たまに思う。
今回も思いました。
我輩は体育祭のただの観客である。で、あるからして。
今、競技場にてマッチョな集団が、マッチョなポーズを次々とキメている異常事態には、何ら関わりがないものであると言わせてもらおう。
ここまで全力で、他人のふりをしたのは、前世も含めて初めての体験である。
唐突に、何事か。
そう思った方も多いであろうが。それも、あまりにも衝撃的な事件であったがゆえにである。勘弁して欲しい。
何となくではあるが。どこかで、乱入するのであろうなあ。そう、予測はしていた。
でも、まさか応援目的に乱入するとは思わないじゃん? 諸君も、思わなかったであろう?
温存されていた黒い人。まさかの撤退の時のためではなく、この演出のための温存である。
なにげにマッチョ三銃士も駆けつけている。駆けつけなくていいのである。
なお、さすがに正体は隠している。ボスの手など、わかりやすい特徴は身に着けていないし、変装マスクはつけたままだ。
ところで。妙にダンスの息が合ってるんですけど。
かなり練習したのが、見て取れるんですけど。ファイトA組じゃねーのである。
ブーメランなのはワカっているのである。だが、言わせてくれ。
君ら。普段いったい、なにやってるんだ。本当にヴィランか。
あ~。うん。うむ。経緯を、成り行きを、説明しよう。
「ありのまま、今起こった事を話すぜっ!」
彼らは突然、登場した。
午前の部が終わり、プレゼントマイクと相澤先生の「イレイザー、メシ行こうぜ」「いや、嫁が弁当作って来ててな」という、放送室を出ながらの会話が小さく流れ。観客たちもいったん席を立とうとした、そんな時だ。
競技場の全ての者が気を抜いた、その時であった。黒い霧が、何の前触れもなく、競技場の真ん中に出現したのは。
それはすぐさま、風にかき消されるように、薄く広がりながら消えたのであるが。そのあとには、覆面マッチョたちが、キレイにそろったポーズをキメて立っていた。
しかも。だいたいのヤツが半裸であった。
警戒するべきか、いっそ攻撃するべきなのか。それとも逃げるべきなのか。ヒーローも含めて、競技場の全員が反応に困っておった。
我輩は逃げようと思ったが、残念ながら、いい逃げ道が見つからなかった。
すると、あらかじめ仕込んでおいたのか、会場の設備から軽快な音楽が流れはじめたのだ。
仕込んだのは、雄英に潜伏中の内通者だと思われるが、内通者の使い方が間違っていると思う。
そして始まる、マッチョたちのポージングダンス。
見たことはないが、ボディビルの大会とは、このようなものなのであろうか。
さて。他人のフリと、現実逃避とで、解説をしていたわけであるが。とうとう現実に追いついてしまった。
ヤツらはまだ気持ち良さげに踊って―――あ、終わった。
と思ったら、全員その場で覆面を脱いだ―――!?
「こんにちは。我々はヴィラン連合。先日、雄英高校を襲撃したモノだ」
なに名乗ってるのであるかー!? とっとと逃げんかー!
「我々は、今の社会が気に食わない。だから壊す。その宣言に、利用させてもらった」
あ、端っこのメンツから、こっそり逃げてる。というか、黒い人が回収してる。
「今日は祭りなんだろう? 壊しゃしないから、気にせず続けてくれ」
じゃあな。そう言い残して、ボスも消えた。
とりあえず。いくつも飛んできてた遠距離攻撃を、がんばってサバき続けていた黒い人、お疲れさまでした。
いやあ。さっきまでの騎馬戦も、色々あったのであるがなあ。
S少年と緑谷少年が組んで、一位を奪取。もともと障害物競走からの流れで、会場も味方であったので大いに盛り上がっておったし。
飯田少年が謎の委員長力を発揮したのか、A組の3チームを率いた、群れで相手を狩る戦術を披露したし。
それを爆豪が一斉爆破で仕留めようとして、轟が氷で相殺。巻き込まれた多数のチームが脱落。などといった派手なこともあった。
全部、持っていかれたであるな。いろんな意味で。
さて。はたして雄英は、このあと体育祭を続ける勇気が、あるのであろうか。
続けても、取り止めにしても。どちらを選んでも叩かれることは、目に見えておるが。
どっちだと思いますか、ボス?
というか。いかに場が混乱しているとはいえ、戻ってくるとはいい度胸してますね。
さすがに他のメンツは置いてきたようですが。え、違うの? 置いてきたんじゃなくて、一足早く打ち上げやってるだけ?
むしろ我輩の迎えに来た、と。
説明しなかったから、ビックリしたろって、笑い事じゃねーのである。よくトガちゃんとか、荼毘くんとか、マスキュラーとかが一緒にやってくれたであるな。
あ~、はいはい、成長しました。ボスは成長したでありますよ。偉い偉い。
それじゃあ、帰りますかね。この後のことは、テレビででも確認しましょうか。