我輩は○○である   作:far

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プロット? そんなもの ウチにはないよ


我輩は潜伏中である。

 我輩は潜伏中である。まだ見つかってはいない。

 不思議と高揚するものがあり、ヒゲがピンと張る。ネコの本能として、これは楽しいことなのかもしれない。

 まあ、念のためのお遊びであるし、楽しいに越したことはないのである。

 

 あ、見つかった。

 

 しかしこんなこともあろうかと、花束を持ってきている。ニュースで知って、慌てて駆けつけたファンであると言い訳すれば、切り抜けられる。

 

 よし、言い分が通った。状況クリア。

 

 あとは亡くなった彼が、我輩に個性を渡してくれたら、お仕事は完了。お土産を買って帰るだけである。

 

 うむ。今回もまた、個性受け取りのための地方出張中なのだ。なお場所は沖縄。

 ご当地ヒーローのような存在であった人物が、ハブにやられて亡くなったので、面会に来たのだ。

 彼の個性、血流操作は、どこぞの海賊王を目指すゴム男のように動作の加速を可能としていたのだが、毒の巡りも速くしてしまったのだ。運が悪かったとしか言えぬ。

 こっそりと葬儀の会場に入ろうとしていたのは、今後出張が増えて、各地で我輩が目撃されているのに誰かに気付かれたらまずい。そう思ったからである。

 

 顔が猫である以上、変装も難しいわけであるし。色を変えて、別人を主張するのも無理がある。

 

 そういうわけで潜伏して、見つかって、花束を見せて切り抜けた我輩は、弔問をして尻尾を丸め立ち去った。

 次はもっとうまくやると、自分でもよくわからぬ決意をして。

 

 ともあれ、仕事は終わった。あとは観光とお土産である。

 

 この超人世界でも、観光地はだいたいそのまま生き残っている。個性があろうと、遊園地は楽しいし、動物園や水族館は面白いし、温泉は気持ちが良いのだ。

 沖縄も栄えている。魚類や海獣の異形系個性の持ち主が、美しい海を目当てに世界のあちこちから集まっているのだ。

 サーファーや漁師の彼らを見ているだけでも、割と楽しい。ダイビングで、彼らと海中で魚とたわむれたなら、それもきっと楽しいのだろう。

 

 我輩はネコである。海は苦手だ。

 

 実は風呂も面倒に思っている。入るのは良いが、乾かすのが実に面倒くさい。よく女性は髪を長くして、あの面倒を自分から背負い込むものだと感心する。

 乾かすのにいい個性とか、どこかにないだろうか。

 

 まあ、海に入らなくても魚は食える。黒砂糖を使った菓子やら、パイナップルやマンゴーの南国の果物。あとは豚料理に古酒に。沖縄料理を楽しもう。

 

 古酒は、ちょっといいものを黒い人に買っていこうと思う。

 このあいだとうとう 死柄木 弔 という、どう考えても中二病なヴィランネームを名乗り始めたボスに、育て方を間違えたかとちょっと悩んでいたから。

 

「だがボクは謝らない」(キリッ)

 

 原作でも同じ名前を名乗っておったし。ボスがああなってしまったのは、決して我輩がジャ○プを読ませたせいではない。そのはずである。

 ただ少し。少し、優しくしてあげようかな、と。そう思っただけである。うむ。

 

 

 




●「だがボクは謝らない」(キリッ)
元は仮面ライダー剣の烏丸所長の言葉。使うと体が壊れていく戦闘システムを使わせ、実際にボロボロになった橘さんに向けてのセリフである。いや、謝れよ。
しかしこれはそのパロディの、魔法少女まどか☆マギカに登場する、邪悪なマスコットもどきのきゅうべえのアスキーアートネタの方です。
他にも派生多数。
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