我輩は○○である   作:far

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今回は平和です。


我輩はヒーロー活動中である。

 

 我輩はヒーロー活動中である。そろそろ真面目なところも見せておかねば、お母(ウワバミ)さんが怖い。

 きれいなお姉さんから、ヤンママに。順調に印象が変わってきてしまった。

 言えないことが多いので、やむを得ぬのだが。心配をかけたり、不安にさせたりと。申し訳ないことにも、なってしまっている。

 そろそろ孝行の一つもしなければ、バチでも当たるのではなかろうか。

 

「人は同じ手で、良い事もすれば悪い事もする」

 

 針医者をしながら、裏では殺し屋をしている男が、そんなことを言っておった。

 まさしく、その通りであると思う。

 

 まあ。我輩はヴィランであるので、基本悪いことが多いはずなのだが。

 

 最近では。ベストジーニストの事務所の近くで、パトロール中の姿を「偶然にも」見かけて「たまさか」持っておったデジカメで8:2坊や(ばくごう)を激写しまくったくらいである。

 それを緑谷少年や轟くんに、メールで送ったりもしたが。まあ、ささいなことである。

 

 なお、飯田くんはステインさんの事件がないので、保須市には関心が無い。よってマニュアルさんのところではなく、ガンヘッドさんのところへ行っている。

 お茶子さんと、同じところであるな。

 飯田くん。妙に彼女と同じ場所にいることが、多い気がするのであるが。

 その辺をいじるのは、ヤボというものか。

 

 話を戻そう。孝行の話であるが。

 何かしてあげる、というのもいいだろうが。この場合、我輩の生活態度が問題なのであって、そこを改めた姿を見せた方が良いと思うのだ。

 すなわち、ヒーロー活動である。それも手柄を立てるとかそういうのではなく。パトロールなど、地道なことをコツコツこなす方が望ましい。

 

 あれ? でも我輩、そっちの方はサボッた覚えは無いのであるが。

 無断外泊やら、門限破りは何度かしたが。ちゃんと仕事はやっておる。

 あれ? 我輩の作戦、開始前から、不発であるか?

 

 ううむ。作戦の方向を切り替えるか。

 贈り物で行こう。うむ。そうしよう。

 

 で、問題がある。

 

 あの年齢の女性って、何を贈ったら良いのであったっけ?

 

 いや、違うのだ。

 個性の影響やら、前世の記憶と経験やら、今の実年齢やらで。我輩も、自分で自分の精神やら常識やらが、大分怪しいものになっておるのだ。

 けっして、女心がサッパリわからぬ、ヤボな男というわけではないのである。

 とりあえず。わからぬことは、他の人に聞くとしよう。

 

 そういうわけで、モモちゃんや。ウワバミさんに何か贈りたいので、相談に乗ってください、お願いします。

 

 妙にうれしそうに、二つ返事で乗ってきてくれた。

 あっ。この娘、ダメンズの素質があるぞ。

 すぐに信じてダマされるチョロさと、頼られたらすぐに喜ぶチョロさと、謝られたらすぐに許すチョロさを全部持っているぞ。これはヤバい。

 

 俺が守護(まも)らねばならぬ。

 

 やっぱりこの娘は、ヒーローやってる場合ではない。守られておらねばならぬ存在である。

 あらゆる希少鉱物を、しかも理想の合金の状態で生み出して、人類を発展させることも。

 反物質を生み出し、地球ごと自爆して、人類すべてと無理心中することも。

 個性 創造で、あらゆる物質を創り出す彼女には、できてしまうのだから。

 

 素材限定で、代わりに同じ物を無限に出せるドラ○もんみたいなものである。そりゃあ保護するであろう。

 

 彼女のような個性は、登録されたら政府の保護下に置くような。そんな法律は作った方が良いのだろうか?

 しかし職業選択の自由など、生きることが不自由になっては、その個人には申し訳ないことではあるし。しかし世のため、人のため。本人の安全のためであるからして。

 

 う~~~むむ。

 

 あっ、すまない。何を贈るか、考え込んでしまっていたのである。

 服や装身具などは、好みがわからない。

 食べ物は、肉と卵と甘い物が好きであるが。今回、食べ物を贈るのは、何か違う。

 花束は悪くは無いが、ひとひねり欲しい。

 我輩の女性への贈り物なぞ、この三択くらししかないのであるが。今回は少し迷っておって―――え? 下手にひねるな? 素直に花束で良いのであるか?

 

 わかった。ありがとう。すぐ、これから花屋に行ってくるのである。

 

 この後。メチャクチャ部屋に花かごを飾った。

 

 お礼として、モモちゃんにも芍薬のブーケをあげた。

 芍薬の花言葉は、生まれながらの素質。漢方薬としても有用で、鎮痛剤などに使われる。

 生まれ持った素質で、人類の薬になって欲しいという、裏のメッセージを込めてみた。

 

 ふつうに喜ばれて終わったが。

 

 ウワバミさんは機嫌をなおしてくれたので、これでよしとしよう。

 最初は、一月もいればいいと思っていた場所であるが。気付けばもう、ずいぶんと長居をしてしまっている。

 ひょっとすると。潮時というやつが、近いのかも知れぬが。

 

 まあ。これも、気が向くままである。

 

 

 




●「人は同じ手で、良い事もすれば悪い事もする」
仕掛人 藤枝梅庵より。池波正太郎作。表向きは腕の良い針医者で、貧乏人からはロクに金ももらわぬ善人。裏では金づくで人を殺める、自称極悪人。そんな梅庵先生の言葉。
盗賊の男が人助けをしたと聞いての言葉だが、自分のことでもあっただろう。

●俺が守護(まも)らねばならぬ。
刃牙道より。超実戦柔術の雄、などと言われていたものの、その戦績はふるわず、しかし解説者として優秀だったためネタキャラに。その後、強敵に公園で挑んだら、急に強くなって倒して一瞬輝くも、ラスボス勇次郎が出現。すぐ元に戻る。その後長らく出番が無かったが、宮本武蔵が生き返ったら、なぜか急に出てきた本部(もとべ)さんのセリフ。
ツッコミどころが多いのはわかるが、流してくれ。迫力があるから説得力があるって寸法だったんだ。実際に読んだら、納得させられてしまうんだ。
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