炎症起こしたら切除だと言われたけど、現状はまだ問題は無い。
我輩は力が欲しいのである。使うあてが、ないではない。あるにこしたことは無い。その程度の話であるが。
地道にきたえている時間は無い。個性頼り。それも、他人の個性が頼りである。
それすらも。使いこなすのに、ある程度の時間が必要なのであるが。
生まれ持った個性すら、きたえたり、使いこなすのに時間がかかるのだ。他人の個性ならばなおさらである。
先生くらいになれば、それはもうどんな個性であれ、多かれ少なかれ使いこなしているし。似たような個性ならば、初見でも感覚で使いこなしてしまうだろう。
何十という個性を、腕だけに発動など。どう考えても頭がおかしい所業も平然とやってみせていた。
我輩が同時に使えるのは、せいぜい三つまで。
孤独死した老人からもらった、存在感を薄くする個性と、小池という名前の人からもらった、とあるカップラーメンの謎肉を爆発させる個性。
元アーチェリーの選手からもらった、親指と人差し指の間に輪ゴムを張ると、超強力なパチンコになる個性。
この三つを同時に使った、狙撃型。
同じく存在感を薄くする個性と、先生から許可してもらった、敏捷の増強系の個性。
そして男性の少女マンガ家からもらった、竹槍やら手裏剣やらをノドにしまっておいて、勢いよく発射できる個性。
ついでに我輩自身の、猫の体の柔軟性も合わせた、中距離から近距離の射撃型。
射撃型であろうか? ううむ。射撃型で良いと思うのであるが。正直自信は無い。
そういった、直接戦う手段もないではないのだが。求めている力は、あいにくと、そういったものではない。
もっと、こう。ウソをついて、だまして、裏をかく。そんな都合の良い力だ。
「一体いつから―――鏡花水月を使ってないと錯覚していた?」
「「なかったことに」「した」」
理想を言うなら、そのようなものである。
表の世界で飲んで、遊んで、仕事をして。裏にも顔を出して、飲んで、遊んで、仕事をして。
あれ? どっちでも、やってることが変わらないぞ?
おかしいな。いや、まあそれはいい。
大事なのは、どちらもとても楽しいということだ。
そしてそれが間もなく、欠けてしまうということだ。
先生が、いなくなってしまう。
生命維持装置無しでは、もう呼吸さえも難しいあの人は。全力で戦ってしまえば、きっともうその後は―――
原作どおりに行けば、むしろ良い。身動きも取れないが、絶対安静で。二十四時間体制で監視されているが、ずっと健康状態も見てもらえている。
ある意味、入院である。
そしてその場合でも、あの専用の刑務所には。身内の面会などという優しい制度はありはしない。
あの施設を制圧するような、大規模なテロでも起こさねば、会えはすまい。
かといって、あの戦いに。ワン・フォー・オールとオール・フォー・ワンの、一対一の戦いに。介入することも出来ない。
あれは、そういうものだ。あの戦いは、あの二人だけのものだ。
無論。戦い自体が起きないようにもできない。先生も、オールマイトとの戦いを望んでいる。命がけで、望んでいる。
つまり。どうにもならないし、何も出来ない。
我輩が探しているのは、そのあたりを何とか出来そうな。何か都合の良い、そんな力だ。
最終手段だけは、隠し持ったが。これもできれば使いたくは無い。無い無い尽くしである。
両方を洗脳して、戦ったことにする、という禁断の計画もあるのであるが。
これ。どう考えても、成功率低いのであるよね。
特に先生が、そちらの個性への対策がしていないはずも無し。ああ、また一つ無いが増えた。
ああ、本当に。どうしたものであるかなあ。
●「一体いつから―――鏡花水月を使ってないと錯覚していた?」
BLEACHより。着物に日本刀の死神が、悪霊の強力版、虚(ホロウ)などと戦うバトルもの。特殊能力アリアリ。だがその勝敗は、独特のルールで決まるといわれている。その名もオサレ=バトル=システム。自分の技や能力を説明する。相手の名乗りを邪魔しない。回想などで自分の強さの根拠を示す。など、オサレな行動を取ってオサレ値をためるのだ。
偽ヨンさま→オールバックイケメン→ハンペン→顔出し→眼帯と変化した、ラスボス系の愛染さんのセリフ。完全催眠で、相手の認識を操って、他人を身代わりにしたり、自分や攻撃の位置を悟らせなかったり。でも霊圧でツブす覇王色の覇気が一番得意な人。
●「「なかったことに」「した」」
めだかボックスより。特殊能力ありきの、学園バトルもの。西尾維新原作なので、ヘタな中二をぶっちぎって濃い。
セリフが基本的に「」(カッコ)つきで記され、本音の時のみカッコが外れる、普段はカッコつけているというキャラ、球磨川禊の代名詞オールフィクション<大嘘憑き>の能力使用後のセリフ。あらゆることを、自分の死すらも無かったことにする。