我輩は○○である   作:far

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50話くらいまで、解説終了。これがわからんぞ、というネタがありましたら、感想欄などでご指摘ください。
気付けば百話一歩手前。読んでくださっている方々、ありがとうございます。


我輩は打ち明け話の最中である。

 我輩は打ち明け話の最中である。ラーメンを冷まして、すすりながら。同じく冷ましてすすっておる、ボスがお相手だ。

 どうしてラーメンを食べながらかというと。例の番組の写真集。我輩の旅の記録を本にしたアレを、ボスが読んで、うらやましくなったらしいのだな。

 美味いものを食べに連れて行け、と。そんな命令が来たのである。

 

 原作よりはマシであるとはいえ、やせ気味のボスが食欲を見せたのだ。これは、連れて行かねばなるまい。

 原作では、アバラが浮いているどころか、ホオ骨が浮き上がって見えるほど病的にやせていた。

 

「君は痩せるという事が、どういう事なのか。わかっているのか!?」

 

 パンツ一丁になって、そう言うだけで。無理なダイエットに挑もうとする、覚悟を固めていたはずの女子の心を折れるくらいに、やせていた。

 今でもたぶん、五十キロもないのではなかろうか。

 

 さて。連れて行くとしてもだ。ウナギや中華などの、コッテリしたものは、ボスの胃が受け付けない可能性がある。

 それでいて野菜よりも肉が好きという、若い男にありがちな、困った好みをしておるからなあ。

 ふむ。肉多めで、アッサリといえば、最近食べた中ではあれであるな。

 

 サウザンドリーフ県は茂原市(もばらし)の、ご当地ラーメン。豚バラ肉もりもりラーメン、茂原市(もばらし)の名前ともかけて、略して もばラーメン である。

 

 中太縮れメンに、カラむスープはトンコツである。入れ放題の地元のネギが、いい感じに臭みを消してくれる。

 トンコツがダメでも、味噌や塩にもできるし、あの店は確かメニューだけで五冊くらいあったので、何か見つかるであろう。

 我輩は今回はもばラーメンではなく、ワタリガニの味噌ラーメンを頼もうと決めている。メニューが多い店は、何度も足を運ばねばならぬ。が、それもまた楽しい。

 餃子は、水餃子にしよう。前回いただいた焼き餃子も美味しかったので、そちらはボスに頼んでもらって、半々で交換すれば良い。

 

 そうして外房線の茂原駅から、東へ約二キロ。たったそれだけの距離を、タクシーに乗ろうとするボスをなだめて、散歩がてらブラブラとお店へ。

 年中無休でやっておるそうなので、定休日を気にしないですむのは良いことであるな。

 たどりついた店の店主は、さいわい我輩のことを覚えていてくれた。個室を頼んで、ざっと注文をやっつけて、出てきたラーメンをすする。

 

 さて。ようやくここからが本題である。

 

 実は我輩。未だにPの事をボスには言っておらぬのだ。

 死刑囚の件もあって、洗脳の個性のことは打ち明けてあるのだが。それを使って、表社会をある程度動かしておるなどとは、さすがに思っておらぬであろう。

 

 で。ラーメンをすすりながら、軽い感じで打ち明けた結果。

 

「ロクなことはしてないだろうな、とは思ってたよ。でもなあ。まさか増税が、お前の仕業とは」

 

 えっ。そこ? ツッコミどころは、そこでいいの?

 

「ヒーロー制度がなんか変わったのも、先生のやったことかと思ってた」

 

 ああ、うん。それは何となくわかる。

 

「あとあれだ。この間、ヘタ打って辞職と離党のコンボ決めた政治家。あいつが散り際に、マスコミ相手に好き放題言ってたヤツだ。あれも、お前のせいだろ」

 

 ○○○は□□だと、事実なのに言ってはならない指摘をして、叩かれての結果でしたので。

 どうせならば、言いたいことを言ってから辞職しろと叩き込んだら、あんな結果に。

 自分のエリも正せないやつらが、なに不正を追及するとか言ってるんだ、というあたりは反響も大きかったようでありますが。

 大きすぎて、辞職に離党までくっついてきたという、残念な結果になりましたな。

 いやいや。お前のせいだろと言われたら、その通りではありますが。

 思ってもいなかったことを、言わせたわけでもありませぬので。そこまで我輩は悪くはないですよ。たぶん。

 ああ、そうでしたね。我輩たちはヴィランですから、悪くてもよいのでしたな。

 

「それでさあ。今、打ち明けたのには、どうせ大した理由は無いんだろ?」

 

 ありませぬなあ。

 

「でも、黙ってた理由はあるんだよな?」

 

 すいません。なんか言い出しにくかっただけです。

 ないのかよと言われても、本当に無いのであります。

 強いて言うなら、ヴィラン連合にお金を出しておることで。ボスが我輩に気を使うようなことには、なって欲しくなかった、から?

 

 ボスはそれだけか、と聞き。我輩は、はい、と答えた。

 

 ボスは首筋を軽く、カリカリとかき。大きなため息を一つ。そして呆れたように「バカだな、お前は」とだけ、つぶやいた。

 

 我輩が洗脳の個性を隠し持っていたと、告白したときと同じ。疲れたような、あきらめたような反応である。

 普通は、怒られたり、なじられたり。こう、もっと責められるものだと思うのであるが。

 

「ここ、お前のオゴリな」

 

 ボスはそれだけで済ませてくれるらしい。

 

 さて。これは信頼関係と言っても良いと思うのだが。

 諸君は、どう思う?

 

 

 




●「君は痩せるという事が、どういう事なのか。わかっているのか!?」
セクシーコマンドー外伝 すごいよ!! マサルさんより。外伝といいつつ本編はどこにもないと思われる、週刊ジャンプで連載されたギャグマンガ。
なぜかドラマ「俺のセンセイ」に寿司屋の大将として出演した、うすた京介先生のセンスが光を放つ、キレのあるギャグの数々と、独特の味のあるギャグ。つまり笑いがいっぱいだ。
アニメ化もして、OPが実に曲とミスマッチなオカしさであった。一見の価値はあると思うので、気が向いたら探してみて欲しい。
そうそう、上記のセリフは、キャシャリンと呼ばれたガリガリの男子が、ヒロインがダイエットで体調不良を起こしながらも、続行しようとした時にブリーフ一枚になって言ったセリフ。 すごい説得力だー!?(ガビーン!) というリアクションが次のコマであったことまで記憶している。
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