インフィニット・オーバーワールド   作:マハニャー

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どうも侍従長です。
今回から対抗戦に入りたい(ちゃんとやるとは言ってない)と思っていた作者ですが、そこはやっぱり無能。次回からです()

今回はセシリア戦以来の春万悪だくみ回。ちょっと短い、かも?




はいと言うわけでカスキャス第二弾。
最近男性バージョンも実装されたとのことでダグラスと、リクエストのあったロキです。


・ダグラス・ベルガー
実装されたばかりだからか、微妙に女っぽい希ガス

【挿絵表示】



・ロキ
エクスファーってこんな感じじゃね? とクルルシファー先輩を見ながら作りました。

【挿絵表示】





Story.22 悪辣

 とある夜。

 カーテンの隙間から差し込む月明かりのみが光源となっている、薄暗い部屋。IS学園学生寮の一室。

 聞こえるのは、部屋の住人の一人がシャワーを浴びる水音のみ。

 そこに設置された大きなベッドに寝転がり、一人の青年が端末を耳元に当て誰かと話をしていた。

 

「やあ、千冬姉。こんな時間にどうしたんだよ? ……織斑先生? 電話なんだし別にいいだろ。家族(・・)なんだからさ」

 

 家族と言う言葉を口にしただけで押し黙ってしまう姉に、青年――織斑春万は失笑を零した。

 生きていた頃は目障りこの上なかった兄だが、居なくなったことで、絶対強者だった姉の心に抜けない楔と春万でも操れる手綱を遺してくれた。そこだけは感謝してやらなくもない。

 

 口元を喜悦に歪めながら、春万は声だけは心配そうにして続きを促した。

 

「それで、本当に何の用だ? 何かあったのか? ……え? 兄さんの話? 苛め?」

 

 しかし、姉の口から出たその言葉に、春万の笑みは一瞬で消え去った。

 どうやら姉は何らかの理由でかつての兄の身に起こっていたことを知ったようで、だいぶ困惑しているようだった。

 苛めについて何か知らないかと聞かれたので、当たり障りのない言葉を返す。

 

「苛めかは分からないけど、何度かそんな風な場面を見たことはあるよ。……うん、ごめん姉さん。俺もあの頃は剣道に熱中してたからさ。……千冬姉も、あんまり気にするなよ。どうせもう終わったことなんだしさ」

 

 自分の言っていることが常識的に考えて有り得ないことであるのに、春万は気付いていない。

 気付いていても、平然とそうのたまっただろうが。

 適当に姉を慰めて通話を切った春万は、徐に上体を上げると、手に持った端末をベッドに叩きつけた。

 そして舌打ちせんばかりに唇を歪めて、

 

「……誰だ?」

 

 ポツリと、自問するような問いを口にした。

 

 誰があの人に、余計なことを吹き込んだ。

 彼女が自力でその真実に到達することは不可能だ。春万が、そのように仕組んだのだから。

 

「せっかく、千冬姉まで情報が届かないように(・・・・・・・・・・・・・・・)細心の注意を払ってた(・・・・・・・・・・)ってのによ」

 

 忌々しげに吐き捨てて、春万の脳裏に浮かんだのは最近再会したばかりの生意気な少女の姿だった。

 

「凰鈴音……アイツか」

 

 連鎖して先日の自分への態度を思い出し、苛立ち交じりに舌打ち一つ。

 そう言えばアイツは、妙に兄のことを気にかけていた。

 ……あの兄の関係者は、どこまで行っても自分を不愉快にさせる。

 

 暫し考え込んでいた春万は、ふと浮かんできた名案に楽しげな笑みを浮かべた。

 鈴音に制裁を下し、ついでに目障りなあの男(・・・)にもダメージを与えられる最高のアイデアだ。

 しかも自分で手を下す必要がない。現在シャワーを浴びている、自分の命令に忠実な幼馴染を使えばいい。

 

「ハッ……覚悟しろよ。俺の邪魔をするって言うんなら、容赦なく潰すぜ」

 

 

 

§

 

 

 

 今日は何だか体が軽い気がする。

 職員室に向かう廊下を歩きながら、今日何度目かのその疑問に俺は首を傾げた。

 いつもは肩にのしかかる倦怠感も、鬱陶しい周囲からの視線もあまり気にならない。体の調子が良くなったと言うよりも、心が軽くなったと言うべきか。

 ……昨日のほほんさんに甘えたからだろうか。

 

 凄まじい母性だった。布仏本音、侮れない。などと馬鹿なことを考えつつテクテクと歩く。

 やがて階段に差し掛かったところで、上から俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。

 

「あっ、イチカ」

「ん……凰か」

 

 見上げれば、上階へと続く階段の踊り場から凰が俺を見下ろしていた。

 ……どうでもいいが、背後から日光を受ける凰をこうして見ていると後光が差しているように見え――

 

「凰、後ろだ!」

「えっ……」

 

 俺の発した警告に凰は振り返ろうとして、ドンッ、と背中を突き飛ばされた。

 完全な不意打ちを受けた凰は踏ん張ろうとするが、元々体が軽い彼女では勢いに逆らえなかった。

 そのまま彼女の体は、真っ逆さまに階下へ――

 

「よっ、と!」

「い、イチカ……!?」

 

 墜落する直前で、何とか抱き留めることに成功した。

 腕の中の感触に心底安堵しながら踊り場を振り仰げば、誰かが駆け去っていく足音と、翻る黒いポニーテールが見えた。

 その姿に犯人の正体を確信して、追いかけようとするが……いつの間にか、周囲に人が集まってきていることに気付いた。

 

「ねえ、見て見て! 凰さんとヴァンフリーク君、抱き合ってるよ!」

「え、二人ってそういう関係だったの?」

「マジかぁ、私狙ってたのに」

「でもイチカ君はソフィーちゃんと……」

「ってことは二股……?」

「凰さんって、亡くなった織斑君のお兄さんが好きだったんだって」

「えーじゃあ乗り換えたってこと?」

「そう言えば前にウチの教室で、ヴァンフリーク君を誰かに見間違えてたよね?」

「そのお兄さんにヴァンフリーク君が似てたから?」

「酷くない? それー」

 

 ……何だ、これは?

 どう考えても、そう、どう考えても会話の流れが不自然だ。

 まるで誰かが考えた台本をそのまま読んでいるような、何とも言えない違和感。

 

 ちぐはぐな発言ばかりだが、彼女たちが凰へ向ける目は、徐々に徐々に別のものへと変化していく。

 

「なっ……ちょっと、何言って……!」

 

 焦ったように反論しようとする凰を置いて、周囲を見回せば、人垣の向こうから俺たちを眺めている織斑の姿を見つけた。

 その端正と評しても構わない口元は、確かな喜悦に歪んでいて……

 

「――やってくれたな、織斑」

 

 悠々とした足取りで去っていく織斑の背中に向かって、苦々しさと忌々しさを込めて、吐き捨てるように呟いた。

 

 

 

§

 

 

 

「……と、言うことがあったんだ」

「それは大変だったわね……」

 

 その日の放課後。俺は再び生徒会室を訪ねていた。

 ちなみに用事と言うべきものは特にない。最近恒例になってきたクラスの女子へのお料理講座を終えて、そこで作ったケーキをお裾分けにやってきたと言うだけのことである。

 しかし自分で言ったこととはいえ、どうして俺が教える立場なのだろうか。普通ああ言ったものは女子が教えるべきでは……こういう思想も男尊女卑なのか?

 

 生徒会の面々との世間話のついでに今日あった出来事を振ってみたのだが……。

 

「この話を聞いて、どう思う?」

「故意でしょ」

「故意ですね」

「恋だね~」

「故意だよな」

 

 ……のほほんさんだけ違う『こい』だった気がするが、全員一致か。

 机に肘をついた楯無は、ケーキを一切れ口に運んで溜め息を吐いた。

 

「んぐ……全く、色々調べてて思ったけど……予想以上に酷いわね、彼。……何これおいしっ」

「そうですね。想定以上の屑のようです。……美味しいですね、このケーキ」

「んまんま~」

 

 好評なようで何よりである。……いやそうではなく。

 

「生徒会でもアイツのことは調べてたんですか?」

「はい。オルコットさんの一件があってから、と言う但し書きは付きますが。何分、あなたやドラクロワさんと違い、彼は身元がはっきりしていましたから。少し裏表のある人物、と言う程度の認識でした」

「ははは……申し訳ない」

 

 やや棘のある虚さんの言葉に、苦笑が漏れる。

 あんな屑でも、【世界最強の女性《ブリュンヒルデ》】の弟などと言う御大層な肩書がある。ある意味誰よりも保証された身元である。

 織斑春万についての調査が進んでいなかったのは、俺たちにリソースを割かれていたからか。これは申し訳ない。

 

「ちょっとー、どうして会長の私じゃなくて虚ちゃんに聞くのよー!」

「いやだって……なぁ?」

「何よー!」

 

 そうやってジタバタしている内は、俺がお前を頼ることはないと思うぞ。

 と言うかお前……、

 

「楯無。お前、あれから簪と話したのか?」

「うっ……」

 

 話してないな、これは。

 

「まったく……このシスコンストーカーヘタレ生徒会長め」

「何その呼び方!?」

「否定できる材料があるのか?」

「くっ……! 何も言い返せない!」

 

 ちょっとふざけた雰囲気にして有無耶無にしようとしているのが丸分かりである。

 本当に簪のことになると、途端に雑魚になるなこの学園最強様は。まあ、姉と言うのはそういうものなのかもしれないが。

 

「だ、だって……わ、私簪ちゃんに嫌われちゃってるし……私に話しかけられても、簪ちゃんは嫌がるじゃない……」

「前も言ったが自業自得だし……そもそも、簪はお前を嫌っちゃいないぞ」

「気休めは――」

「気休めじゃなく、本当のことだ。……あれはな、ただ寂しがってるだけだよ」

「え?」

 

 俺の言葉に、呆けた表情をする楯無。

 ……全く、本当に鈍くて、素直じゃない。

 

「お前らは、昔はずっと四人で一緒に居たんだろう? その昔を恋しく思っているのが、どうしてお前だけだなんて言える?」

「で、でも……なら、どうして私を避けるのよ?」

「それもお前と同じだ。要するに、恥ずかしがってるのさ。今までずっと避けてきてたから、どうしていいか分からないんだ。お前だって今までずっと簪のストーカーをしてるだけで、怖気づいてただろう?」

「…………」

 

 ばつが悪そうに視線を逸らす楯無に嘆息。このヘタレめ。

 

「意地を張って、後悔して、逃げ出して、どうしていいか分からなくなって、踏み出すこともできなくなって……本当に、似た者姉妹だよお前らは」

「そう……かもね」

 

 そう言って、楯無は気が抜けたように笑った。

 

「うん、ホント、めんどくさいわね、私たちって」

「そうだな、めんどくさい」

「けど、どうにもならないものじゃないのね」

「ああ。お前たちは、やり直せる」

 

 ……今度は、大丈夫か。

 思わず胸に手を当てて息を吐いた俺の髪を、のほほんさんの手が労るように撫でてくる。

 見上げれば(・・・・・)、いつかの夜のような、慈愛に満ちたのほほんさんの笑顔がある。

 心配いらない、と言うように、俺も微笑を返す。

 

 この姉妹のことを口にしても、胸に痛みが走ることはない。

 今の俺は、全てを一人で抱え込むようなことはない。

 もう、一人などではないのだから。

 のほほんさんの手と後頭部(・・・)からの心地よい熱に身を委ねていると、

 

「……ねえ、ちょっといい?」

「ん? どうした?」

「いえ、あまりにもスムーズな流れでそうなってたから思わず流しちゃったけど……何で本音はずっとイチカ君に膝枕してるの?」

 

 心底困惑した様子の楯無に言われて、思わず真上ののほほんさんと顔を見合せ、自分たちの体勢を確認する。

 のほほんさんはソファーに膝を揃えて座って、俺はソファーに寝転がりながら頭をのほほんさんの膝に乗せて……うん、膝枕だな。

 何でこんな体勢なのかって疑問だが……

 

『あっ、いっちー』

『よう、のほほんさん。ほれ、お土産のケーキだぞ』

『わぁ~い、おいしそぅ! ……いっちー、何か疲れてる?』

『ん? まあ、色々あってな……』

『そっかぁ~……膝枕、使う?』

『遠慮して……いや、すまん。甘えさせてくれ』

『いいよ~! はい、どうぞ』

 

 と言うやりとりの結果である。

 甘えていいって言われたので、甘えてみたわけだが……何か間違ったか?

 

「いえ、まあ……本人がいいなら別にいいんだけど……イチカ君ってば、いつの間に本音を落としたのよ?」

「どちらかと言うと、俺の方が本音に落とされてるんだよなぁ……」

 

 ちょっと簡単には抜けられないぐらい深い沼に。

 一向に動こうとしない俺に溜め息を吐いて、楯無は話を変えた。

 

「それで、最初の話に戻るけど……何か手立てはあるの? まさか、やられっぱなしってわけじゃないでしょ?」

「……まあ、一応考えてはいる」

 

 今回の時間の首謀者の目的は、肉体的、精神的問わず凰にダメージを負わせること。

 そのために、俺の目の前で階段から凰を突き落とすと言う手段が使われた。

 角度的に傍から見れば、凰が俺に飛び付いてきたように見えただろう。恐らくそこまで計算されていた。

 そしてギャラリーを使って、俺が突き落とされた凰を抱き留めたと言う事実を、喜び勇んで抱きついてきた凰を抱き留めたと言う虚言へとすり替え、流布させた。

 多分あのギャラリーのうちの何人かは犯人の用意したサクラだ。いや、もしかしたら決行するより前にそういう噂を密かに流していたのかもしれない。

 ともかくこのやり方で、首謀者は凰の評判と、そして心を傷つけた。

 今の凰は、かつて自分を救ってくれた恩人の名を、自らの行いによって穢してしまった。そんな後悔と自責に苛まれている。

 

「当の凰さんはどうしてるの?」

「ああ、アイツなら」

 

 答えようとしたその瞬間、校内のどこからか……具体的に言えば第三アリーナの辺りから、ドゴォォォン!! という爆音が聞こえてきた。

 思わず沈黙してその方角へ視線を向ける生徒会役員たち。

 

「……ソフィーとオルコットの誘いで、絶賛ストレス発散中だ」

「……そ、そう。なら、メンタル面での心配は要らない、のかしら?」

 

 多分な。俺としても自分のせい(なのかは分からんが)で凰に傷ついて欲しくはない。

 

 まあ、心配するべきが精神面でのことだっただけ、まだマシと言ったところか。

 この策のいやらしいところは、目論見通り行かずとも凰にダメージを与えられる点だ。

 十数段分の階段から落ちたのだ。もし俺が受け止めなければ、よしんば何とか受け身を取れたとしても、大怪我は避けられない。

 そしてもしそうなれば……対抗戦には絶対に間に合わない。

 

 呆れるほどに周到な悪巧みである。

 その労力をもっと別のものに向けられないものか、としみじみ思う。

 

 ともあれ、目下最大の問題は、例の騒ぎによって凰の悪評が一定の範囲に広まってしまったこと。

 このまま放っておいてもいつか鎮静化するだろうが……何だか泣き寝入りしたようで気に食わない、と被害者からは強気な発言を頂いている。

 まあ、現状を打破する策がないでもない……ひっじょーに、気は進まないのだが。

 ちなみにこれは俺が考えた策ではなく、事情を聴いたソフィーが提案したものである。

 

「ふーん……それって、どんなの?」

「……簡単に言えば、俺が精神的にとんでもなく疲れる方法だな」

 

 不思議そうに首を傾げる三人の少女に策を説明していくと、徐々にげんなりとした表情に変わっていった。

 のほほんさんの俺の頭を撫でる手つきがさらに優しくなった。

 ハァ……明日から頑張るか。

 

 

 

§

 

 

 

 翌日の昼休み。

 教科書類を直して、食堂に行くために立ち上がったところで、ポスッ、と。

 横合いから何かが突っ込んできた。

 黙って下を向けば、俺の胴体に腕を巻き付けるようにして、ぐりぐりと擦り付けてくる亜麻色のつむじが。

 

「えへへ……せーんぱい?」

「あー……どうした、ソフィー?」

「いっしょに食堂行きましょー」

「それはいいが、わざわざ抱き着いてくるな」

「あう、ごめんなさい……先輩を見ると、嬉しくてつい……」

「……まあ、俺が恥ずかしいだけで別にいいんだが」

 

 しゅんと眉を下げて落ち込むソフィーに、思わずフォローの言葉を入れ、指触りのいい髪をそっと撫でる。

 

「ぁ……えへへ~、せんぱぁい」

 

 途端にうれしそうに笑って甘えてくるソフィーに、思わず苦笑する。

 まあ、あんな垂れた尻尾が幻視できるほどに落ち込んだ様子を見せられたな……甘いとは分かっていても、どうしても甘く接してしまう。

 

「さっ、行きましょう!」

「おう。……いやちょっと待て、何で腕を組む?」

「だって先輩かっこいいですから」

「……?」

「先輩は誰よりもかっこいいから、他の人のとこに行っちゃわないか心配になるんです。だから、こうして利き腕の右腕を捕まえてるんです!」

「……そうか」

 

 愛想のいい織斑はともかく、俺がそんなことにはならないと思うが。

 

「その理屈なら、空いてる左腕はどうなる?」

「えーと……そこは私が分身とかして……あ、ダメです、やっぱりダメです」

「何が?」

「私の分身が先輩に抱き着いてたら、分身にヤキモチ妬いちゃいますから!」

「分身出来るかどうかについては論じないんだな」

「先輩のためって思ったら出来そうな気がします」

「凄いなお前」

 

 

 

「抱き着くのはいいがしっかり歩け」

「んふふ……先輩が抱っこしてくれてもいいんですよ?」

「ふざけんな、ここ学校の廊下だぞ」

「ここじゃなかったらしてくれるんですか!?」

「……そういう問題ではなく」

 

 

 

「先輩何にします?」

「今日の日替わり定食」

「じゃあ私もそれにします」

「ラーメンじゃないけどいいのか? 今日は……納豆だぞ」

「うっ……頑張ります」

「無理するなよ?」

「出来る限り、色んなものを先輩と共有したいんですよぉ……」

「……残ったら俺が食ってやるよ」

「先輩大好きっ」

 

 

 

「せーんぱいっ! はいあーん♪」

「別にそんなことしてくれなくてもいいんだが」

「私がしたいからしてるんです。私もう食べ終わっちゃってるんですもん」

「おばちゃんが男だからって大盛りにしてくれたからな……飯と納豆が九対一なんだが」

「というわけで、はいあーん♪」

「どういうわけだ」

「食べるの辛くても、可愛いソフィーちゃんのあーんだと思えば楽になるかと思って」

「……はぐっ」

「やーん♡」

 

 

 

「……ちょっとナニコレ。私たち、何を見せつけられてんの?」

「鈴さんの噂を払拭するための作戦らしいですわよ。……ソフィーさん曰く」

「私たちが付き合ってるっていう噂を塗り潰すレベルで、盛大にイチャつくってこと? 糖分高すぎて胸焼けしそうなんだけど」

「安心してください、わたくしもですわ」

「ていうか、それただの口実でソフィーがイチャイチャしたいだけじゃないの?」

「わたくしもそれを聞いてみましたが……『そんな口実なくても堂々とイチャつきます』だそうですわ」

「……強いわね」

「……強いですわね」

 

 

 

§

 

 

 

 そんなこんなで数日後。

 ついに、クラス対抗戦の日がやってきた。




現実感? ああ、いい奴だったよ。
これおかしない? 普通こんなならんやろってツッコミは二次元だから許して(震え声)




クロレベルマしたいのにQPが足りん……なんも考えずに聖杯ぶっこんでスキルレベル上げてたら残り36000……宝具レベルすら上げられんってどういうことやねん。
仕方ないからイベ周回……オラッ、パラPオラッ! 妙な薬ばっか作ってねぇでぬいぐるみ落とすんだよオラッ! デーモン君もオラッ、心臓と一緒にぬいぐるみ落とすんだよオラァッ!!
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