ハグしよ?プリキュア 作:猫犬
「なにあれ……」
空に突如現れた謎の巨大な黒い穴。九人はなんなのかわからず首を傾げる。すると、避難してたはずの姫がやって来る。
『あれは次元の穴です』
「次元の穴?って、私たちがここに来た穴の事?」
『ええ、それと同じですが……』
「あんなに大きかったっけ?」
「どんどん大きくなってきてるような?」
穴の正体が分かったはいいが、どんどん大きくなっている事、ルカ達が慌てている事からも何か問題が発生していることを察する。
すると、さらに話が続く。
『現在、穴は肥大化し、このままでは魔法界と物質界の空間が衝突し、二つの世界が消滅してしまいます』
「そんな……でも、どうして急に?」
『それは、ルシファーとの戦いで膨大な魔力が使用されて一部の地域は魔力が薄く、またこの辺りは大気中に流れて膨大な量となり、魔力バランスが崩れたことが原因だよ』
「もしかして、私たちのせい?」
『いえ。皆さんが戦わなければ、ルシファーによって征服されていましたから』
「何か方法はないの?」
「そうだ!もともと穴を塞ぐ方法はあるって言ってたし、もうルシファーがいなくなった以上塞いじゃえば」
空間衝突による世界の消滅。このままだとまずいけど、最初の頃から空間の穴を塞げるとルカが言っていたから果南はそう言った。塞いでしまえば、脅威は無くなるはずだから。
しかし、ルカは首を振り、姫も暗い顔をする。
『あんなに大きくなったら、どうにもならない。善子ちゃんの部屋にあったサイズならできたけど、規模が違い過ぎる』
「じゃぁ、他には?」
「このままじゃ、世界が」
『それは……』
ルカ達が元々考えていた方法は、浄化の光を空間の穴に当てることだったのだが、空に浮かぶ穴は大きすぎて浄化の光で包めるサイズを超えていた。だから、塞ぐことができない。
何か方法は無いのか問うと、ルカは思い当たることがあるのか、呟くが、言っていいのか迷っていた。そして、姫は暗い表情のままルカの言葉を引き継ぐ。
『確かに方法はあります。昔魔王が現れた際にも同じように空間の衝突が起きかけたらしいです。その時は、偶然この世界に迷い込んだ異世界の方がキュアチャームの力を使いプリキュアになって魔王を退けました』
「そんなこと言ってたね。でも、私たちみたいな人がいたんだ。てっきりこの世界の誰かがやったものだとばかり」
「あっ、ルカ達もプリキュアの存在は知ってたっけ?」
『そして、その時にも空間の穴が巨大化して世界が滅びかけました。しかし、最終奥義によって空間の穴は閉じられました』
「なんだ。方法があるんだったら、私たちもそれで……」
『ロストマジック……使用者の記憶を喰らい、超魔力にして発動させる魔法なんです』
「え?それって」
どうにかする方法があり安堵するも、続いた言葉で困惑する。
姫もルカも暗い表情の理由はそれだった。
『何年分の記憶が失われるか……その時はこの世界で過ごした記憶が失われたらしいのですが』
「そんな……」
『でも、それ以外方法も無いの。それに、その時は今よりも規模は小さかったけど、今回はどうなるか。この世界の記憶だけじゃすまないかも』
「そっか。まぁ、やるしかないよね?そうしないと滅びちゃうわけだし」
皆が記憶を失うことに対して臆する中、果南はいつも通りのテンションでそう言う。できれば記憶は失いたくない。でも、滅びるのはもっと嫌。
最初から選択肢なんてない以上、果南は空気を悪くしないように、明るくするために無理していた。
八人は果南が無理していることに一目で気づく。
「記憶を失うなんて嫌だよ!せっかく皆と仲良くなれたのに」
「マルだって……」
「ふっ、私は記憶などなくても問題ないわ。仮初の器なのだから……ごめん、やっぱ無理」
でも、簡単に受け入れられる訳もなく一年生たちは抱きしめあって泣き出す。善子も最初は強がったが、やっぱり怖かったようだった。
「記憶を無くしたら、やっぱりみんなと一緒にスクールアイドルをした記憶も、遊んだ記憶も無くなっちゃうんだよね?」
「うん……失いたくないよ」
「でも、このままじゃ世界が消滅して、皆が死んじゃう」
二年生三人にも伝播して肩を寄せ合う。
「果南」
「果南さん」
そして、ダイヤと鞠莉は果南を抱きしめる。無理に気持ちを偽らないでほしい。本当の気持ちをちゃんと口にして欲しいから。
「……私だって怖いよ。でも、それ以上に皆がいなくなっちゃう方が怖い」
「大丈夫よ。たとえ、記憶が無くなっても、絆は無くならないわ。その時はまた友達から始めましょ?それで、またスクールアイドルを始めましょ?」
「ええ。そうですわね。それに、もしかしたら、数分間の記憶だけ失われるオチかもしれませんし」
「ふふっ、そうだね」
また元の関係に戻れるようにやり直すだけ。何年かかるかわからないけど。でも、諦めるのはやっぱり性に合わない。それに、ダイヤの言う通り、全ての記憶が失われると確定したわけじゃない。
だから、果南は目元を拭う。
一、二年もそれぞれ決心が付いたのか、姫の方を見る。
「やります!それしか方法が無いから」
『そうですか。ありがとうございます。ロストマジックは願いを言葉にすれば発動します』
「意外とあっさりしてるんだね」
『だからこそ、代償があるんだけどね』
『では、ロストマジックは向こうに戻ってからお願いします。私たちの世界を救うために戦っていただき、最後まで迷惑をかけて申し訳ありません。この世界を代表して謝罪とお礼を。本当にありがとうございました』
「はい」
姫が頭を下げると頷く。
『では、皆さんこちらに』
そして、顔を上げると、九人に促して何処かに向かい、それについて行く。たどり着いたのは、ルシファーによって移動させられた城の一室。そこには巨大な扉があった。扉には巨大な魔法陣が描かれていた。
「あれ?」
「どうかしたの?」
「ううん、なんでもないわ」
善子が首を傾げていたから果南が聞くと、善子は気のせいだと思いそう言った。気になることがあるのなら話してほしかったがその前に姫が話し始める。
『ここは、転移の間です。ここがあるから今まで他の世界と隔離させることができていました。これも、かのプリキュアが残していったものです』
「あっ、だからルシファーも私たちの世界よりもこっちを先にしたんだ。簡単には来れないから」
「あれ?じゃぁ、なんでルビィたちはここに?」
『そういうことです。それと、ここに来たのは、外の穴だとちゃんと戻れる確証も無いので、ここを開いて帰ってもらう為です』
外の穴だと物質界のどこに出るかわからず、色々大変なのと空間が不安定だからちゃんと戻れる保証が無いからだった。
そういうことならと納得すると果南は気づいた。
「なるほど。じゃぁ、ルカともここでお別れなんだね」
『うん、そうだね。今までありがとう。あの時、助けてくれたおかげで出会えて、果南ちゃんに会えてなかったら世界は滅んでたと思う。だから、僕からもありがとうね』
「うん。まだ、世界は救えてないけど」
まだ空間の穴は閉じてないから頬を掻くけど、とりあえず受け取っておく果南。
『曜ちゃんもありがとうね」
「ううん。私の方こそ。一緒に居て楽しかったよ」
その隣では、曜とセイが握手していた。
『では、これより扉を開きます』
姫がそう言って扉に触れると魔力が込められて、扉が開かれていく。
扉の奥には一つの魔法陣と石碑があった。
『石碑に行きたい場所を思い浮かべれば繋がり、魔法陣で飛べます。後の事、よろしくお願いします』
『みんな、お願い』
『成功することをここからみんなで願ってる』
「うん。絶対に閉じてみせる。じゃぁね」
「ばいばい」
「またね」
三人にそう言われて、九人はそれぞれ声をかけると扉に入るのだった。
「こういうのは、堕天使のヨハネが!」
何故か善子がそう言って石碑に触れる。すると、魔法陣が輝き沼津の街が映る。そして、善子がふらつき、梨子がそれを支える。
「大丈夫?」
「……ええ。ちょっとさっきの戦いで疲れちゃったみたい」
「確かに疲れたよね?」
「そうだけど、気を付けてね」
「善子ちゃんも平気そうだし行こっか」
千歌がそう言って、九人は魔法陣の中に張り、自分たちの世界に戻るのだった。
『結局私たちにできることは無いのですね』
『ですね。だから、みんなを信じましょう』
『きっと大丈夫』
九人を見送った姫とルカとセイは立ち尽くしていた。結局最後まで九人に頼むことしかできなかったから。でも、信じることにした。
『姫様!』
すると、空間の穴のことを知っていて、書庫で調べていた城の学者のカメが慌てた様子で現れた。
その慌てようにどうしたのかわからず、首を傾げる。
カメは言うより早く、一冊の本のとあるページを見せた。
それを見た姫とルカとセイは目を見開いた。
『これって?』
~☆~
「ここは?」
「私のとこの屋上ね」
九人は善子の住むマンションの屋上にいた
どうやら、屋上の扉に繋がっていたらしい。
「って、こっちにもあるんだね」
「しかも、けっこうなサイズになってるし」
空を見上げれば魔法界同様巨大な空間の穴が開いていた。
屋上の柵に寄って街を見れば、あんなに大きな穴が開いているのに、騒ぎは一切起きておらず、まるであれが見えていないかのようだった。
「まぁ、騒ぎになってない方がやりやすいよね」
「そうですね。集中できそうですし」
でも、それは穴を塞ぐことにのみ集中できることであり、都合がよかった。
「じゃ、始めよっか」
「うん」
あまりのんびりしている時間はなさそうだから、そう言うと九人は手を繋ぐ。
「……」
でも、決めたとはいえやっぱり記憶を失うのは怖い。きっと、今までの思い出を失ってしまう気がするから。
だから、ロストマジックの発動に至れない。
「はぁー、やっぱりそうなるわよね」
すると、善子はため息をついてそう言う。どうして、善子がそんなことを言ったのか八人はわからなかった。
「きっと、あの時も……ねぇ、一つ試してみない?」
「試す?」
「ええ。キュアフォンが無くなって、どうにもならなくなった時私たちは諦めずに希望を持ち続けた。そしたら、これが私たちの元に来た」
善子はキュアチャームを指で挟んで見せる。善子の言った通り、諦めなかったからキュアチャームが皆を護り、ルシファーと戦えた。
「だから、もう一度。私たちで奇跡を起こすの。一度できたのだから、きっとできる」
「あはは。確かにそうだね。そんな簡単に受け入れるなんてできない。だったら、これだって足掻こう!」
「うん!私たちなら、きっと」
善子の言葉は荒唐無稽な話だった。ルカ達がロストマジック以外に方法が無いと言っていたのに、それ以外の方法があると信じる。
「でも、どうやるの?」
「それは……」
「願おう!」
「千歌ちゃん?」
「みんなで願うの。記憶を失わずに世界を救いたいって!」
「そんな都合のいい願い、叶うのでしょうか?」
「そうだね。願おう!」
千歌が言った言葉にダイヤが首を傾げるモ、曜は千歌の言葉に乗る。そもそも、方法なんてわからないのだから、もう願うことくらいしか思いつかない。
「そうだね。私も千歌ちゃんに賛成」
「ルビィも!」
「マルも!」
「私も賛成よ」
「私もよ」
「私もかな?それでダイヤは?」
「はぁー。もちろんできるのなら賛成ですわ」
結局全員千歌の案に乗る。
そして、それぞれ手に力を込めてぎゅっと握る。
願いは、記憶を失わずに世界を救うこと。そんな都合のいい願いが叶うかはわからない。でも、叶って欲しい。
みんなとの思い出を失うのなんて嫌だから。
「(私たちの願い、叶って!)」
そして、みんなが願う。
すると、九人の衣装が輝き出す。
「わっ!これって?」
目を瞑っていても届く光に目を開くと、衣装が変わっていた。
千歌とルビィダイヤは白と水色の服とショートスカート、鞠莉と梨子と花丸は白と青の服にロングスカート、果南と曜と善子は黒と青の服にショートスカートで、それぞれ髪には羽やフリル等が付いていた。
「これって?」
突然の変化に困惑するも、みんなの頭の中にとある魔法が浮かぶ。どうして、急にこうなったのかわからないが、その魔法の力を知った九人はもう迷わなかった。
「「「「「「「「「WATER BLUE NEW WORLD!」」」」」」」」」
九人は同時にそう口にすると、九人を中心に青の羽が舞い上がり、空に浮かぶ穴に向かって跳んで行く。穴の中に羽が入るとどんどん穴が塞がって行き、瞬く間に空に浮かんでいた穴が消えて、青空が広がっていた。
そして、それで力を使い切ったのかキュアチャームは輝きを失い、九人は制服に戻る。
「私たちの願いを叶えてくれたんだね?」
「そうだね」
キュアチャームの輝きが無くなったことで、果南たちは自分たちの願いを最後に叶えて力を使い切ったのだと理解した。そもそも、できるかわからなかったことだから。
「でも、おかげで世界は救われた」
「そうね。っと、私の部屋のもちゃんと塞がないと」
「あっ、そう言えば、そっちもか。って、私たち力使い切っちゃったよ?」
「ああ、そっちは平気。プリキュアじゃなくても封印できるし、今の私ならね」
「ふぇ?」
善子がそう言ったことで、千歌は首を傾げ、皆も善子の言葉の意味が分からなかった。
~☆~
『あはは。まさかでしたね』
『ええ。そうですね』
姫とルカは世界を見渡していた。
空間の穴からは青い羽が降り注ぎ、空間の穴がふさがると同時に、ルシファーや怪物たちのせいでボロボロになった地面や建物が元通りになって行く。
昔使われたロストマジックは穴を塞いだだけだったのだとカメが持って来た書物に書かれていた。だから、これがロストマジックでないのは二人とも一目でわかった。でも、世界を救うだけでなく、この世界を元通りにまでしてしまうのには驚きだった。
『あの子が混ざっていたからでしょうね』
『おそらくは。果たしてこれは偶然だったのか?必然だったのか?』
『さぁ?でも、それは別にいいでしょう』
『それもそうですね』
結局、この出会いが偶然か必然だったのかわからないが、わからないものはどうにもならないからそう割り切る。
『さぁ、世界は戻ってもこの騒動のおかげでやることは多いから、仕事を始めますよ』
『了解です。姫様』
姫は手にしていた本を一度見てから、閉じると歩き出す。
姫が最後に見ていたページには世界を救ったプリキュア――キュアエンジェルのことが書かれていた。
~☆~
「じゃぁね、果南ちゃん、ダイヤちゃん」
「うん。まぁ、夏休みにはこっちに戻ってくると思うけどね」
「わたくしは二人と違って戻ってこられない距離ではないですし、夏休みには一度戻りますわ」
あの騒動から一か月ほど経ったその日。果南たちは駅前にいた。
結局あの後、善子の部屋に行くと元々あった空間の穴は残っていて、善子は迷う素振りなく空間の穴に書かれた魔法陣の一部の文字を消した。すると、魔法陣の輝きが失われ、完全に魔方陣が消滅した。
どうして、善子がこうも手際よくできたのか、そもそもどうして善子が空間の穴を開くことができたのかもわからなかった。
「さっき石碑に触れた時に思い出したんだけど、前に魔法界に行ってたみたい」
「え?」
善子の話を纏めると、ルカ達の言っていたその人は、不登校で儀式をしていた善子が誤って空間の穴に落ちて跳んでしまった善子だったとのこと。
その時は時間すらも歪んで、今よりも前の時間軸の魔法界にたどり着き、なんだかんだでそこで姫たちの祖先に良くしてもらい、元の世界への帰り方がわからず、方法を探して一月ほど経っていた。善子は魔法の呑み込みが早かった。
そのさなか魔王が攻めて来て、偶然キュアチャームに善子が触ったことでキュアエンジェルとかいうのに変身していて、配下の一体が自分に攻撃を仕掛けてきたから反射でパンチをしたら倒しちゃって、そのまま流れで戦っただとか。で、魔王が撤退し、プリキュアになったことで魔力が増したことで空間の扉を作ると、ロストマジックを作って発動させて、魔法界での記憶を失った。
その後、気を失った善子を扉に運び、善子は家に帰された。
記憶が無くなったから善子は目を覚めても全く気にすること無く平穏な生活に戻った。
それが過去にあったことだった。
それを聞いたみんなはどこか納得がいった。特に果南と曜は魔法界に行く前に善子が穴の封印の強化をしているのを見たから嘘ではなく本当の事だとわかった。
それからはプリキュアの力は使えず、そもそももう脅威は去ったからその必要も無く平穏な生活に戻った。
それから、あの日に九人が纏ったあの衣装を作り、Aqoursはラブライブの決勝に出て優勝した。
で、この前卒業式と閉校式をして、今日果南とダイヤがそれぞれの道に歩き出す。
「じゃっ、行って来るね」
「行ってきますわ」
「うん、いってらっしゃい」
「リトルデーモンたちに幸運を」
「いってらっしゃいであります!」
「元気でね」
「がんばルビィ!」
「電話とかメールするね」
「二人とも離れてても一緒だからね」
「うん、わかってる」
そうして、果南とダイヤは改札を抜けるのだった。
~☆~
「ふぅ、久しぶりに戻って来たや」
海外でライセンスの取得をしに行った果南は夏休みに内浦に一度戻って来た。
数か月しか経っていないから、街並みは一切変わっておらず、果南は大きく伸びをする。
今日戻って来ることは誰にも伝えていないから、駅前には千歌達はいない。
果南はちょうど来たバスに乗り、街並みを見ながら揺られる。
「ここも変わってないなぁ」
バスに揺られると、三津海水浴場のそばで降りる。今家に戻っても仕事の邪魔になるから、もう少し時間が経ったら戻ることにする。
それと、
「千歌驚くかな?」
千歌を驚かせたいからと、悪戯っぽく笑みを浮かべる。
「「『おかえり!』」」
「よくわかったね」
「なんとなくね」
「うん。勘かな?」
浜に降りると、優勝旗の隣に千歌と曜の二人がいて、まるで果南が今日帰って来ることが分かっていたかのようだった。なんとなく、いる気もしていたから、あまり果南も驚かなかった。
「二人とも元気そうだね」
「よく電話とかしてるから元気なのはわかってるでしょ?」
「まぁね。でも、直接会わないとね」
『うんうん。やっぱり、直接会わないとね』
「果南ちゃんは海外どう?というか日に焼けたね」
「海に潜ってるとはいえ、休憩とかは海から上がってるからね。それに、海汚しちゃいたくないから日焼け止めもあまり使う訳にもいかないし」
三人は久しぶりにあったから思い出話に花を咲かせる。
それを何分かした頃、それはしびれを切らした。
『ねぇ、なんで僕のことスルーしてるの?』
「いや、気にしたら負けかなって」
何故かそこにいたルカ(最初にあった子イルカver)がツッコんだことで、ようやく果南は反応する。
「それで、なんでいるの?二人は知ってる?」
「ううん。そこでぷかぷかしてるのが部屋から見えたから降りてきたから。で、すぐに果南ちゃんが戻って来たわけで」
「だから、私たちもさっぱり」
『そうだ!大変なんだよ!』
「その割にはのんびりしてたような?」
ルカがそう言うも、何分か思い出話をしている間ツッコミが来なかったからあまり大変じゃないのだと思う三人。
『前にルシファー倒したでしょ?』
「あー、そんなこともあったね」
『で、他の魔王が攻めてきた……だから、また力貸して!』
「はい?」
「え?」
「ふぇ?」
ルカの言葉に、三人は首を傾げた。
どうしてそうなったのかとか謎はあるが、とりあえず、
「大学生の歳であれは流石に無理かなん?」
大学生のプリキュアはダメな気がした。そもそも、果南自体抵抗があった。
「大丈夫!高校生+αってことで!」
「大丈夫な要素が皆無でしょ!」
果南の悲痛の叫びが浜に木霊するのだった。
「また妙な日常が始まる予感がする果南ちゃんだった」
「しかし、どこかわくわくする気持ちもあるのだった」
「二人とも変なナレーション入れるなー!」
てなわけで、これで【ハグしよ?プリキュア】は終わりです。
いわゆる”俺たちの戦いは続くEND”ってやつですね。
果南ちゃんの誕生日に短編として出し、曜ちゃんの誕生日に連載になったこの作品を今までお読みくださりありがとうございました!
では、ノシ