娘可愛いよ娘!
その日レオン様は見たことの無い娘を連れやって来た。
見た所年齢は10才程、私とそれ程変わらない年頃でしょうか。こう言っては失礼かも知れませんが幸薄い娘と言った言葉が似合いそうな娘ですね。
「やあラナー様今日も元気にしてるかな?」
「はい!今日も天気が好くて気持ちがいいですね」
レオン様は
「ところでレオン様、そちらの方は何方でしょうか?」
私の質問にレオン様の表情が一瞬引きつりましたが…もしかしてレオン様はそのような娘がお好みなのですか!?確かに私も最初にお会いしたときは幸薄そうな雰囲気を出していたかも知れない!と言う事は明るく振舞うよりあの娘のように何処と無く影を落としたほうが振向いて頂けるのですか!?
「いや、まあ話すと長いようで短いんだが。さっきそこでリットン伯爵?ってのに捕まってな、この前壊れたブレスレットの代わりに新しいのを持って来たんだが…譲ってくれって煩くてな、色々あってこの子をメイドとして譲ってもらう代わりに持って行かれたんだ」
リットン伯爵、この前はエ・ランテルに行くのに都合がいいと思って役に立ってもらいましたが。レオン様の物を奪うとは…殺す。まして私の為にレオン様が用意してくださった物を、レオン様を不快な気分にさせた上で奪うなんて…絶対に殺して差し上げます。
「まあ、それは大変でしたね。でもレオン様お城で暮していればメイドさんなら沢山いらっしゃいますけど、専属メイドが欲しかったと言う事ですか?」
「いや、そういった意味では無かったんだが。専属メイドか悪くない響きだな」
「レオン様?」
「いや、気にするな失言だ…ラナーには言っていなかったんだが、今朝王都の外れに屋敷を購入してきてな。そこの管理をする者が欲しいと思っていたから丁度良いと言えば丁度よかったんだ」
「屋敷の購入、ですか?」
何ということ、レオン様が
「ああ、王城での生活は悪くないんだがカーディナルを何時までも周辺の森に隠すのも可哀想だからな。俺も色々と好きに出来るスペースってのも欲しかったから周辺に建物が無くて都合の良さそうな物件を購入してきたんだ」
なるほど、カーディナルを隠す為に。確かにあれらを森の中に何時までも隠し通せる物ではない、そして城内に連れて来る気も無かった。結果屋敷を買って隠すという訳なのですね。
「成る程!屋敷をお掃除していただくには確かにメイドさんは必要ですものね!」
「そう言う事なんだ、流石にドレスのままで仕事はしたくないだろうから、後でメイド服や今後の生活で必要な物を買いに行ってから帰るとするよ」
「そうなんですか?でもそうなると早めにお店に行かれたほうが宜しいのではないですか?」
「ん?それは何故かな?別にお店が閉まる位までラナーの護衛をしてからで問題ないんじゃないのかな?」
「私としてはレオン様に護衛をして頂きたいですけど、誰も住まわれていなかった屋敷なら汚れが凄いんじゃないんですか?お洋服などを買って帰った後にお掃除をされていてはゆっくりする時間が無いのかと思いまして」
「確かに言われてみるとそうかも知れないな。だがそうなると護衛として居れないが…そうだな、じゃあ代わりにアルカディアをバルコニーに呼んでおくよ」
「はい有難うございます♪」
レオン様がメイドを連れて部屋を出て行かれた。
「本当はその屋敷で私も一緒に暮したいところですが…今はまだ辛抱のときですね」
私の目的はレオン様と共に暮す事、そしてあの目で見て頂いて可愛がって頂く事。
あぁ、私はあの目で見て可愛がって頂けるのならペットでも何にでもなりましょう。
メイドはまあそうね、レオン様の素晴らしさが理解できるなら一緒に飼って頂くのも良いかもしれません。素晴らしさが理解できるなら、ね。
「まあメイドの事は置いておきましょう、
私の護衛として相応しいか調査するため。いえ、レオン様がどれ程の力を持っているかと危険人物ではないかの調査ね。
やはり
「レオン様にご迷惑をかけなければいいけど」
そんな事よりもリットン伯爵を如何するか考えなくては。
いえ結末は決まっているんです、殺します。
レオン様を不快にさせる者は必ず殺す。レオン様を馬鹿にする者は殺す。誰であろうと必ず殺す。
「あぁ、レオン様、そのお屋敷で暫しお待ちください、必ずやレオン様のお手を煩わせないように準備いたしますので」
ラナー様とツアレ嬢のファーストコンタクトでした!
さすがラナー様でございます、寛大なお心をもってツアレ嬢がメイドである事をお許しになられました。
ラナー様万歳!ラナー様お美しい!
え?最後にラナー様が物騒な事を言っている?いや、私には何言ってるか分からないです。
短いけどお許しください