●月$日
(空白になっている)
●月€日
うで うごか
(ここから先はグチャグチャになっていて読めない)
●月%日
筋肉痛が治まってきたので日記を書こうと思う。
¥日の夜、人の寄り付かない場所を探して士郎さんに稽古をつけてもらった。その時に士郎さんが俺の実力が知りたいと言って始めに模擬戦をする事になったのだ。断る理由がなかったので俺は木材を適当に削った木刀を構え、士郎さんは他に何も持たずにあたかも剣を持っている様に構えた。
何をやっているのかと思ったがそんな考えは模擬戦が始まるのと同時に吹き飛んだ。士郎さんは空手で剣を持っていないはずなのに、俺からは彼の手に真剣が握られている様に見えたのだ。腕が振るわれ、幻想の剣閃が走る。木刀なんかでは受けごと叩き斬られると判断し、俺は形振り構わずに避ける事を選んだ。
目の前の光景が信じられずに驚きながらも流石は最強レベルの戦闘民族だと感心し、俺から斬りかかっても最低限の体捌きだけで避けられる。幽霊だから当たらないのではなく、完全に見切られているので剣が届かないという、圧倒的な実力差が俺と士郎さんとの間にあったのだ。
その事実に流石は最強レベルの戦闘民族だと感心することはあっても絶望することはしなかった。むしろ届かせてやると滾る思いだった。
そうして真夜中に始めた模擬戦は気がつけば朝日が昇るまで続けられた。結果、俺が全力で向かっていっても士郎さんに一度たりとも届くことは無かった。士郎さんの振るった剣も俺には当たらなかったのだが、それは彼が手加減をしてくれたからだろう。もしも彼が最初から本気で戦っていたら、初めの一撃で両断されていたはずだ。
そして人に見つからない様に家に帰り、仮眠を取って目を覚ましたら全身が筋肉痛になっていたのだ。そりゃあ身体がまだ出来上がってもいないのに全力で動かせばこうなる。一昨日、昨日と指一本どころか身じろぎするだけでも悲鳴をあげてしまいそうになる程の重傷だった。何とか日記を書ける程度には治ったが、運動が出来るほどには治っていない。明日あたりまではベッドに寝たきりで過ごす事になるだろう。
士郎さんからは大人気ない事をしたと謝られたが俺の負けず嫌いが原因でこうなったのだから謝られるのは筋違いだと説得し、動けない俺の代わりに高町家の様子を見てもらう事にした。報告を聞く限りでは¥日と変わらない様子らしい。俺が回復するまでこの状態が続いて欲しい。
●月°日
俺が寝たきりでベッドから動けない間、家の事をしてくれたのは意外な事にハスターだった。俺の魔力を消費する事で超能力で言うところの念動力の様な魔法を使い、家の掃除に料理、洗濯までしてくれたのだ。ありがとうとお礼を言うと、ハスターの言語能力がバグってしまい何を言っているのか分からなかったが嫌な思いはしていない様だ。
そしてハスターが魔法を使っている時に気が付いたのだが、どうやらこの世界の魔法と俺があの人から教えてもらった魔術は別物の様だ。
魔法も魔術も魔力という燃料を使って行使されるものなのだが、魔術の方は魔術回路と呼ばれる擬似神経から生成される魔力を使い、魔法の方は別のところから生成される魔力を使っている様だ。ハスターに聞けば魔法の方の魔力を生成しているのはリンカーコアと呼ばれる臓器であり、この世界の魔導師に必要不可欠なものだと教えられた。要するに魔術師における魔術回路の様なものだろう。
俺は自前で持っていた魔術回路とタナカから与えられたであろうリンカーコアの2つの魔力生成手段を持っている事になる。これは大きなアドバンテージだ。ハスター曰く、教えられた魔術とこの世界の魔法は似ている様で違う物で、この世界の魔法が使えない状況でも魔術の方は問題なく使用出来るとの事だ。手数は多いに越したことはない。このアドバンテージは有効活用させてもらう事にしよう。
●月#日
ようやくベッドから起き上がり、歩くことが出来る程度に回復した。寝たきりが原因で筋力が落ちているかと思ったが、ハスターが魔法で頑張ったらしく思っていたよりは落ちていなかった。ハスターが優秀過ぎる。感謝の意味合いを込めて磨いたのだが、その間妙に艶のある声を出されて心臓に悪かった。
身体を軽く動かして節々に痛みはあるものの問題ないと判断して士郎さんに稽古をつけてもらおうとしたのだが断られてしまった。彼がいうにはまだ身体は治りかけで、完全に治るまでは休む様にとの事だった。前世ではこういう状態でも無理やり身体を動かしていたのだがそれは余裕が無かったからそうせざるを得なかったのだ。今生では前世ではなかった余裕があるので大人しく従う事にする。
●月+日
痛みが無くなり、士郎さんから治ったと判断されたので今日から稽古を再開する事にした。とは言っても初日の様なことはしない。俺の身体はまだ未熟なので、それを考慮した上で無理の無いプランを言い渡された。
ランニングに軽い筋トレと前世でやった事に比べれば軽過ぎる様に思えるのだが、この時期に無茶苦茶な鍛え方をしてしまうと成長に悪影響が出てしまうかもしれないと言われて素直に従った。180センチの高身長の為ならば悪魔の尻だって舐めてやる。
あとは素振りをするように言われた。士郎さん曰く、俺の戦い方は滅茶苦茶だとの事だ。振り方が素人丸出しの癖して要所要所では達人級の動きを見せるなんてどんな人生を送ったんだと呆れられた。ちなみに士郎さんにはタナカからの依頼は伏せてあるが俺が転生した人間だと教えてある。士郎さんからの信頼を得られるメリット、そしてデメリットはほとんど無いと判断してだ。これから先の事は分からないが、もしかしたら依頼に関しても話すかもしれない。
話が横道に逸れてしまった。要するに俺は実戦経験豊富な素人だと言われたのだ。なので身体が出来上がるまではひたすら基礎を繰り返せと言われた。それに対して反論はせずに従った。何代も続く武術の達人である士郎さんの言葉が間違っているとは思わなかったからだ。
稽古が終わって疲労感はあるものの初日の様な事にはなっていない。正直物足りなさを感じるのだが、無茶をしては元も子もない。よく寝て、また明日に備えよう。
●月:日
士郎さんに稽古をつけてもらってから一週間。ようやくハスターが俺の思いついた魔法が完成したと報告してくれた。試しに使ってみると視点が高くなり、幼かった身体は成熟した大人のそれになっていた。
ハスターに頼んでいたのは変身魔法だった。原作が始まれば身元バレを防ぐ為に正体を隠す必要があり、いずれは作るつもりだったのだが今回の高町家の件で予定を前倒しにしたのだ。
子供の身体に慣れた頃になって大人の身体になったのだが、少しの違和感も感じない。何故なら、変身した姿は俺の前世の姿だからだ。
士郎さんによれば高町恭也は深夜は道場で過ごしているらしい。真夜中になったら行動する事に決める。
●月々日
(ヨレヨレで読みにくいが「やったぜ」と書かれている)
士郎さんと模擬戦をして、手加減されていたけど夜明けまで持ちこたえた5歳児がいるらしい。主人公は我流で頑張ってきたので武術の基礎なんてガバガバ状態。でも実戦経験だけは豊富なのでそれでどうにかしていた。
型月の魔術師とリリなのの魔導師は別物。それに伴って主人公は魔術回路とリンカーコアを兼ね備えたハイブリッドに。
筋肉痛で動けない主人公に変わって働くハスターちゃん。感情豊かで、主人公に磨かれるとつい艶のある声を出しちゃうの。
ハスターちゃんのことをガチのハスター様と勘違いされた方、SAN値チェックです。