道化の名は必要悪   作:鎌鼬

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dark knight・6

 

 

「ーーーと、言うわけで今日から外部協力者として協力してくれる事になったカガミリョウヤとサクラギルイだ」

 

「どうもどうも、加賀美です。カガミきゅんと呼んだヤツは殺すので覚えておけ」

 

「フッハッハッハ!!我だよ!!」

 

「沙条愛歌です。私は戦えないので頭数に加えないでね?ーーー後、両夜に色目を使ったヤツは殺す」

 

「!?!?」

 

 

クロノとの話し合いの結果、俺たちは時空管理局に外部協力者として力を貸すことになった。もちろん正義感なんてもので動いている訳ではなく、幾らかの打算ありきでの協力であるが。

 

 

そうやって管理局員たちが集められた食堂で、クロノに紹介された。管理局員たちは俺たちの自己紹介を聞いてもさして驚いた様子は見せずに拍手をして歓迎ムードである。こんな子供が殺し合いの場に参加する事を何一つとして疑問に思っていないようだ。これも魔法主義によって年齢による差別が薄くなった結果なのかもしれない。

 

 

「リョ、リョーヤ!?なんでここにいるの!?それにマナカも!!」

 

「よぉフェイト、久しぶりだな」

 

「あら、フェイトじゃない。久しぶり」

 

 

俺と愛歌に驚いていたのはフェイト1人だけ。詰め寄られても俺たちは動じる事なく片手を挙げて軽く対応する。

 

 

「ちょっと襲われてやり過ごしたところをクロノに迫られてな」

 

「間違っていないけど悪意のある言い方をすんじゃない。彼らはなのはを襲った襲撃者と繋がりのある人物に襲われていたんだ。それで話を聞くためにここに呼んで、外部協力者として協力を頼んだんだ」

 

「ってことは、2人とも魔導師なの?」

 

「魔導師なのは俺とこっちの痛々しい金髪だけだ。愛歌は関わってるだけの一般人だからそこのところを間違えないように」

 

「何か言われてるわよ、痛々しい金髪くん?」

 

「何を言っている?(オレ)が痛々しいだと?ハッ、己の欠点を(オレ)に押し付けてるなよ」

 

「セイッ!!」

 

 

愛歌のノーモーションの飛び蹴りが桜木の顎に突き刺さる。あれは痛い。桜木が無様に床を転げ回っているのも分かる。

 

 

「そ、そうなんだ……あれ?そうならもしかして、私たちが魔導師だって事に気がついてたの?」

 

「気付いてはいたけどな……なんか危なっかしい物を好き好んで集めているようだったから巻き込まれないように黙っておいた。悪かったな」

 

「ううん、それは間違ってない事だから……」

 

 

たった今考えた建前だが、フェイトはそれで納得してくれたようで簡単に許してくれた。前から思っていた事だが、彼女はその生まれからか人を疑うと言う事をまるでしない。闇落ちしたプレシアとよく分からない方向へと進化しているアリシアの遺伝子を引いていると言われても信じられない。

 

 

「おい見ろよ、カガミきゅんとフェイトそんが語り合っているぞーーー尊いな」

 

「やはりロリショタこそが至高だな」

 

「これはフェイトそんとマナカちゃまによる三角関係が約束されたな!!」

 

「ハッ、これだからノーマルラブ至高主義者共は困る」

 

「その通り、年下のカガミきゅんが年上のクロノきゅんと出来てしまうオフィスラブこそが究極」

 

「おっと、ユーノきゅんの存在を忘れられては困るな!!」

 

「……あれ、何だ?」

 

「あぁ、あそこら辺の異常性癖者たちはいつもの事だから気にするな……胃薬がいくつあっても足りなくなるから」

 

 

突如として管理局員たちの一部がカップリングについて語りだし、気に入らなかったのか殴り合いを始めた。周りにいた者たちはそれを止めるどころかトトカルチョを始めてどちらが勝つのか賭け始める始末である。見間違いでなければ、胴元はジュエルシードの事件の時にアースラの艦長を名乗っていた人物であった筈だが……

 

 

「あれでもいい人たちだから……いい人たちだから……いい人たち、なのかなぁ……」

 

「あやふやになってるじゃねぇか」

 

 

協力をする事を早まったかと思ったが、すでに契約をしてしまっているのでここに来て反故することは難しい。それに管理局に協力をしたのは愛歌の保護も兼ねての事なのだ。

 

 

闇の書はリンカーコアから魔力を蒐集する。その為、リンカーコアを持たないで魔力を有している愛歌から魔力を蒐集する事は不可能だ。しかし、シグナムたちは愛歌がリンカーコアを持っていない事を知らない。魔力を持っているのならばリンカーコアがあるという常識に沿って、愛歌の存在しないリンカーコアを狙って襲ってくる。

 

 

その時に俺1人だけだと間違いなく負けて愛歌に危害が加えられる事になる。桜木がその場にいれば良いのだが、前回のように時間があれば駆けつけられる距離にいるとは限らない。なので、管理局に今回の事件で協力する代わりに愛歌の保護を頼んだ。いざとなれば彼らは肉盾となり、愛歌はその隙に逃げる手はずとなっている。

 

 

あとは金。日本円とミッドチルダの通貨を半々で、時給換算で給料として支払われる事になっている。ミッドチルダの通貨で支払いを求めた時に少し怪しまれたが、将来ミッドチルダに行く事を考えているといえばすぐに納得してくれた。

 

 

「そういえばクロノ、他に地球の魔導師がいるって聞いたけど」

 

「あぁ、なのはは医務室で眠っているし、リュウトは彼女に付き添っている。あと、ミツルギヤイバとアカギカズマという2人がいるんだが……彼らは少々厄介でな、前回の事件の時に魔力の封印をしているんだ」

 

「一応その2人には声をかけておいた方がいい。あいつらの狙いは魔力だ。封印していようがあるまいが魔力がある事には変わりは無い。厄介だからって目を離してたから襲われる事になるぞ」

 

「……仕方がない、僕が行ってこよう」

 

 

赤城と御剣に会うのは心底嫌なのか、クロノは酷く疲れ切った顔になっていた。確かにあの思い込みの激しい2人に会うのは躊躇われるかもしれないが、闇の書側にあの2人の魔力の蒐集を許してしまえば最終決戦でとんでもない化け物が生まれてしまう事になる。それだけは何としてでも防がねばならないのだ。

 

 

闇の書側の転生者が冷静なら、この可能性を考えてあの2人の蒐集を許していないはずだ。事実、俺の展開している監視用の魔力スフィアで得た情報では彼らはまだ魔力を奪われていない。しかし、何かのキッカケがあれば闇の書の騎士たちはその指示に逆らって彼らから魔力を蒐集しようとするかもしれない。そうならない為に、管理局には彼らの事を保護してもらわなければ困る。

 

 

もっとも、何の関係の無い俺が行ったところで話を聞いてくれないのは目に見えているのでクロノに任せるしか無いのだが。

 

 

「で、俺たちはどうしたら良い?流石にここで寝泊まりするわけにはいかないだろう」

 

「こちらとしてはそうした方が都合が良いんだがな……一先ず一旦家に帰っても構わない。流石に向こうも僕らが来てすぐに行動を起こさないだろう。あぁ、契約通りに護衛の者たちは付けておくから安心してくれ」

 

「あいよ、何かあったら連絡してくれ」

 

「リョーヤ、おやすみなさい」

 

「あぁ、おやすみ」

 

 

こうして俺たちは一旦家へと帰る事にしたーーーその時に加賀美きゅんと言っていた奴らの尻を蹴り上げておくのを忘れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《手駒が欲しいな》

 

《ちょっと何言ってるのか分からないですねぇ……》

 

 

管理局が来たとは言え、シグナムたちが再び襲撃してこないとも限らないので愛歌と桜木を家に泊め、護衛をしている管理局員たちに気づかれないようにチャットによる会話を始める。

 

 

《これが加賀美様の仰っていた念話チャットですか》

 

《あれ?もしかしてイレインさんも参加してるんですか?》

 

《あぁ、レギオンの一本を持たせて参加出来るようにしておいた》

 

《出たわね、ロボットメイド……!!》

 

《どうどう》

 

 

イレインのチャットの参加に愛歌がいつも通りに喧嘩腰になっている。イレインの正体は2人には話してあるのだが、人間じゃないと分かっていても愛歌はイレインの事をロボットメイドという属性持ちだからと言って警戒しているのだ。確かに機械でありながら人間の感情を知りつつあるイレインが恋心を持つ可能性は否定出来ない。愛歌が敵愾心を持つのも仕方がない事だろうと理解している。

 

 

だけど、異種族恋愛は恋愛物のロマンと言うのにはちょっと理解が出来なかった。

 

 

《ふぅ……両夜の事だから思い付きとか無意味とは思わないけど、詳しく説明してくれるかしら?》

 

《俺たちってさ、ある意味で一つの集団みたいなものだろ?》

 

《まぁ、確かにそうですよね。加賀美さんがリーダーって感じの集まりですよね》

 

《俺様口調で話している桜木様が下っ端という事ですね》

 

《転生者の俺と桜木、ジュエルシード3つ分の魔力を持ってる愛歌、自動人形のイレイン……こうして並べてみると、魔法側のヤツが居ないんだよなぁ》

 

 

俺たちの共通点は全員が地球出身であるということで、それはそのまま魔導文化に疎い事を意味する。原作という形で俺も桜木もある程度は分かっているが、それでも知識不足であることは否めない。ジェイルは仲間では無くて協力者という立ち位置なので、信頼も信用もできないのだ。

 

 

《だから魔法側の人間を引き込みたいと?》

 

《そうそう》

 

《フェイトは……ダメね。あの子をこっちに引き込むとか良心の呵責が……!!》

 

《確かにフェイトは良い子ですからね。悪側(こちら)には引き込みたくないです》

 

《話でしか聞いた事は無いですが、確かにテスタロッサ様のような桜木様とは比べものにならない程のお方を引き込むのは道徳的な観念からどうかと思いますね》

 

《……イレインさん?さっきからちょくちょく僕の事をディスってますけど何でですか?》

 

《このチャットの目的は桜木様を辱める事だと愛歌お嬢様から教えられたのですが……》

 

《沙条さぁん!?》

 

 

愛歌はイレインに対して敵愾心を持っているが、だからといって仲が悪いわけでは無い。普通に話しているところを目撃する事があるし、こうして桜木で遊ぶ時には愛歌はイレインに妙な事を吹き込んでいる。そのせいで桜木の心労が大変なことになるが……彼には涙を飲んで堪えてもらうことにしよう。

 

 

《ねぇ桜木、だれかちょうど良い奴知らない?魔導師としては優秀だけど後ろめたい事をしていて、近いうちに表舞台から消えそうな奴をさぁ?ちょっとそいつさらって洗脳して良い感じの手駒にするからさぁ》

 

 

どうせ手駒にするのなら魔導師として優秀な人物にしたい。後ろめたい事をしているのならそいつが消えても〝そういう事をしていたからでは無いか?〟と勝手に想像してくれて隠れ蓑になるし、近いうちに表舞台から消えるのであればこれから先で高町たちとは関係を持たない……つまり、原作で登場しなくなるからstrikers編で関わりの無い人物だから。

 

 

《さらりと洗脳とか言い切りやがった……ちょうどピンポイントで当てはまる人物がいますよ。しかも、今の時期なら地球で活動しているはずです》

 

《お、マジで?》

 

 

俺に心当たりは無かったが、桜木の中にはちょうど当てはまるような人物がいたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《マジですよーーーまぁ人間じゃなくてリーゼ姉妹っていう使い魔何ですけどね》

 

 

 






カガっち、愛歌ちゃまの安全のために桜ギル君と共に管理局に協力する。カガっち1人じゃ確実に愛歌ちゃまが襲われるからね。

次回辺りでカガっちの外道ムーブ予定。果たして猫姉妹はこの先生きのこる事が出来るのだろうか……

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