道化の名は必要悪   作:鎌鼬

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感想がバブアス中将の事しか無くて草しか生えない。みんなバブアス中将の事が大好きなんだね!!




surprise party・5

 

 

「悪いな、風呂借りて」

 

「何、気にしないでくれ。いきなり血塗れで現れてそのままで居られるのはこちらとしても落ち着かないのでね」

 

 

大人の姿から子供の姿に戻り、シャワーを浴びたせいでまだ濡れている髪をタオルで拭きながらソファーに腰を掛けてコーヒーを飲んでいるジェイルに感謝を告げる。

 

 

ミッドチルダでリーゼロッテの復讐を果たしたは良いが、今の俺は海外へと出ている設定なのでそのまま家に帰ることは出来ない。そこでジェイルの家に泊まらせてもらうことにしたのだ。一応前もって部屋を貸して欲しいと伝えてあったが、ギル・グレアム殺害直後そのままの格好……返り血やら肉片やらで汚れた姿で研究所に入った瞬間にパンダと白熊の手により浴室に叩き込まれた。

 

 

別に誰を殺そうが構わないが、汚れるから風呂に入ってこいとの事だった。

 

 

それに関しては俺からは何もいうことは出来ない。むしろ当然の反応だろうと納得し、素直に風呂を借りることにした。リーゼロッテとは離れる事になったが、泣き噦る彼女を何とか説得して別々で入る事になった。

 

 

「それで、ギル・グレアムを殺したんだって?管理局に目を付けられる事になるけど良いのかい?」

 

「殺したのはアクロ・ダカーハと闇堕ちしたリーゼロッテだ。加賀美両夜っていうガキは一切関係無いからセーフセーフ」

 

「2人が同一人物だと気が付かれたらアウトだけどね!!それにしてもハスター君の隠蔽は凄いね。攻撃魔法を使えないとはいえ、魔法を行使している事を一切悟らせないことが出来るとは……ちょっとだけバラさして?」

 

「お前をバラしてやろうか?」

 

 

縮地で離れていた距離を一息の間で詰め、ジェイルの首筋にレギオンを突き付ける。それと同時にパンダが俺の背後を取って首筋に鋭利な爪を突き付けたのだが無視する。

 

 

「冗談かもしれないが、言っちゃいけない冗談がある。理解してるだろ?」

 

『Dr.ジェイル、貴方が私に興味を持っている事は理解しています。しかし、私はマスターのデバイスなのです。AI、回路、塗装、私を構成している全てがマスターの物なのです。なので、貴方の興味を叶える事は出来ないので悪しからず』

 

「うーん、このマスターにしてこのデバイスと言うべきか……残念だけど、ここは諦めようかーーーその代わり、バラさないから調べさせて!!」

 

「ハスター、お返事は?」

 

『お断りします』

 

「ガッデム!!」

 

 

頭を抱えながら叫ぶ姿を見る限り、心の底から残念に思っている様である。しかし、そんなポーズを取っても調べさせるわけにはいかないのだ。

 

 

ハスターはタナカから与えられたデバイスだ。この世界で活動するために必要だと判断されて用意された物だが、使われている技術は現在の人間の技術の遥か先を行っている。ただの凡人に見せたところで理解する事は出来ず、ただの天才に見せたところで1%にも満たない劣化品を作り出すことがやっとだろう。

 

 

しかし、ジェイルだけは違う。ハスターに使われている技術を余すことなく理解、そして把握し、完全な複製品を作り出すどころかそれらを応用して進化したデバイスを作り出してもおかしくない。そんな事をされればデバイス産業は急激な発展を遂げる事になるだろうーーー急激な発展の先には滅びが待っていると知りながらも、それがどうしたと進んでいくのが目に見えている。

 

 

そんな事になってしまえばタナカからの依頼を果たすことが出来なくなってしまうし、俺の望みも叶わなくなってしまう。故に、ジェイルだけにはどんな理由があろうともハスターを見せる事は出来なかった。

 

 

「まぁまぁ落ち着けって。代わりにこれやるからさぁ」

 

 

バカヤロォと、膝をつきながら叫んでいるジェイルの目の前にギル・グレアムから渡されたバブアス・オギャア中将の写真を投影する。突然現れたそれの内容を、写っているのは誰かを理解した瞬間、ジェイルは盛大に吹き出して腹を抱えて笑い転げた。

 

 

「待って、ちょっと待って。それってレジアス・ゲイズ中将だよね?」

 

「レジアス・ゲイズ?誰の事だ?こいつはバブアス・オギャア中将だ。合法ロリにバブみを感じてオギャる事でストレスを発散している業の深い奴だよ」

 

 

それを聞いて更に笑いが大きくなる。実のところ、俺だってジェイルと同じように笑い転げたいのだが、そんな事をすれば埃まみれになって風呂に入った意味が無くなってしまうので必死になって堪えている。

 

 

ギル・グレアムが見せたバブアス・オギャア中将の写真がどうして俺の手元にあるのかというと、ハスターがあの写真を見て何かに使えそうだとハッキングをしてデータをコピーしていた様なのだ。正直な話、あまりにも破壊力が大きすぎるので処分してしまいたいのだが、この写真の産み出す利用価値を考えてしまうと処分しようにも出来ないのだ。

 

 

厳重にロックをかけてこの写真を封印する事を決めると、背後の扉が開いてリーゼロッテとソーサラーとポットの乗ったトレーを持って二足歩行している月の輪熊が現れた。

 

 

「リョウヤァ……!!」

 

「お前、俺がいないと本当ボロボロだよなぁ……」

 

 

俺を視界に入れるとすぐに泣きそうになりながら抱き着いてきたリーゼロッテに苦笑してしまう。そうなるように色々と弄ったのは他ならぬ俺なのだが、思っていたよりも深く俺に依存してしまっている。加減を間違えたのか、それとも彼女に元々そういう素質があったのか。どちらにしても優秀な手駒であり、俺が居なければ生きられないようなリーゼロッテの姿を見ても可愛らしいという感想しか出てこないのだが。

 

 

【紅茶をご用意しましたがホットで大丈夫でしょうか?アイスも用意出来ますよ】

 

「ついに筆談まで出来るようになったのか……ホットで大丈夫だ。リーゼロッテは?」

 

「ん……私も大丈夫」

 

 

熊の手で器用にボードとペンを使って筆談で意思の疎通を成功させている月の輪熊の姿に戦慄を覚えながらリーゼロッテに抱きつかれたままであやしながらソファーに座る。彼女の様子を見る限りでは暫くはこのまま好きにさせておいた方がいいだろう。無理やり引き剥がすことも出来るのだが、そうした場合の彼女の精神状態が良くない事になるのは目に見えている。

 

 

「ヒィ……ヒィ……ッ!!あー久し振りに笑った笑った!!ちょっとあの写真の破壊力凄すぎない?ミッドにばら撒くだけで管理局落とせそうなんだけど」

 

「破壊力あり過ぎるから暫くあの写真は封印する事にした。あれはちょっとヤバすぎるからな」

 

「あの写真?」

 

「バブアス・オギャア中将の写真」

 

「あぁ……!!」

 

 

バブアス・オギャア中将の写真を思い出しのか、リーゼロッテは顔を俺の身体に埋めてしまった。何の関係も無い俺たちならただの笑い話で済ませられるのだが、元職場の上司のとんでもない痴態を知ってしまった彼女からすれば笑い話では済まないのだろう。

 

 

彼女をこれ以上追い詰めても意味が無いので、この場でこの写真を厳重に封印しておく事にする。

 

 

「はぁ……そういえば聞いたんだけど、今地球で闇の書が活動しているらしいね?そこでちょっと頼みがあるんだけど……良いかな?」

 

「闇の書のデータでも欲しいのか?」

 

「その通り!!よく分かったね!!」

 

 

ジェイルの性格、そして闇の書の存在を合わせて考えれば、彼が闇の書に興味を持っているという答えを出すのは簡単だった。

 

 

「違法改造されて害悪になっているみたいだけど、古代ベルカ時代に創造されたロストロギアだ。出来ることなら実物が欲しいんだけど、危険性を考えたらデータだけで良いから取ってこれないかな?」

 

「近いうちに闇の書とは戦うつもりだったから構わないぞ?とは言っても闇の書は破壊するつもりだからなぁ……欠片だけでも確保しておいてやろうか?」

 

「マジで!?お願い!!」

 

「まぁ、貸しだけどな」

 

「闇の書のデータと欠片だけでも手に入るなら怖くない……!!」

 

 

互いに目的があっての取り引きならばそこで終わるのだが、今回はジェイルだけが一方的に要求しているだけの構図になっている。特に求めている物も思い当たらなかったので貸しという形で保留しておくことにした。これで無茶苦茶な内容で無ければ何でも言うことを聞かせられる命令権を得た事になる。ジェイルもそれを理解しているので震えているが、それでも闇の書のデータと欠片が欲しいのか否定するような事を口にしていない。

 

 

データと欠片の確保という難易度の高いミッションではあるが、備えはしてあるので大丈夫だろうと考える。問題なのは闇の書を倒せるのかという事だが、最悪俺と桜木が相手をすれば良いだろう。

 

 

頭の中で闇の書との戦闘をシミュレーションしながら、バブアス・オギャア中将のダメージから立ち直れていないリーゼロッテをあやす事にした。

 

 

 






海鳴から離れた理由が理由なのだ地球に帰ることが出来ず、スカさんのところでお世話になるカガっち。バブアス・オギャア中将の痴態が順調に拡散されている……!!

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