東方鉄男録   作:角張った円

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文才が欲しい今日この頃。




《》←これはシステム音声です。
あまり出番もありません。


人類の発展は思ったより早かった様です。

《陸上の生物を確認。生態系が確立されたのでシステムを再起動します。》

 

ゥウーーーーン

と音がしてシステムが一斉に再起動し、意識が戻り目に光が灯る。

 

『ああ。やっとか。』

 

時計を確認する。どうやら前回眠りについてから三十億年ほど経っている様だ。余りに時間が経ちすぎていて唖然とする。

 

『そんなに長い間陸上に生物が出なかったか。起きてたらと思うと少しゾッとするな。』

『しかし、いい加減この体勢はどうにかしないとな。』

 

そう。三十億年も寝ていたせいで地殻変動などですっかり家ごと埋まっていたのだ。更に家どころかベッドまでもが風化して完全に寝たときのままで土の中にいたのだ。いくらダメージが無いとはいえ、流石に窮屈な感じはある。

 

 

先ず体を動かそうと力を込めてみる。動かない。

エネルギー砲を撃って見る。体勢のせいで俺に当たる。

………………………。

面倒なのでさっさと出ることにした。

足のスラスターを吹かす準備をして、寝ている間も増え続けたのであろうほとんど無限に近い源力を使い無理矢理足の一部のギミックを動かす。メキメキ、ガリガリ、と土が怪しい音を立ててふくらはぎの部分がせりだしていく。そしてせりだした部分と足のスラスターが一斉に火を吹く。ゴオオオオオオオオッとものすごい音が暫く響くと徐々に体が土を掻き分けて進み始める。最初は微々たる物だが徐々に徐々に進み百年程で外に出られた。

 

俺が出た場所は近くに森がある平原の様だ。もうすっかり樹木が生え自然を感じさせる場所になっている。

上空に上がりアイアンマンの機械の目でズームして地平線の先まで見渡す。

すると視界の端に写る筈の無いものが写っていた。

 

『人間………?』

 

いる筈が無い。確か今は恐竜が出るよりも前の時代の筈。何故人間が。そう思いながらもついつい彼らの元に飛んでいってしまった。

 

 

彼らの目の前に着地する。久しぶりに見た人間を近くでよく見たいからだ。見れば見るほど喜びが込み上げてくる。もう時代無視とかはどうでもよかった。ただ、ただ人間に会えたのが嬉しかったのだ。

 

『おお、人間だ。人間だああああ!!!!』

 

思わず叫んだとして誰が文句が言えようか。

しかし。次の一言で俺は自分が失敗したことを悟った。

 

「ひいいっ!妖怪だあ!!妖怪が出たぞおおおお!!」

 

逃げ出す人間A。某ゴム人間の両手上げたみたいな格好のまま固まる俺。

ずっと一人だったので忘れていたが俺の今の格好は訳のわからない赤と黄色の不思議生命体だったのだ。妖怪と間違われても仕方が無いかもしれないが。それより気になったのが『妖怪』という単語があることだ。これはつまりどういう事かというと、

と。ここまで考えたところでさっき村まで逃げたであろう人間Aが戻ってきた。大勢の助っ人を連れて。

 

「貴様がこの方を襲おうとした妖怪か。」

 

先頭の何か自信ありげなイケメンが言う。ここは理性的に交渉しよう。

 

『いえ。違いま………』

 

「問答無用!!!」

 

『ええっ!!??』

 

俺に表情があるなら絶対に凄い事になってると思うよ。

まさかの問答無用。完全に血が上っている。これは何とかして落ち着いてもらわねば。

 

『待ってください。何かの間違い……』

 

「そうやって私を騙すつもりだな!!!!!そうはいかんぞ妖怪!!」

 

凄い人間ってここまで話を聞かないんだね。出来れば平和に話し合いたいがこの態度を見るに恐らく無理だろう。残念だが初コンタクトは失敗したということで一旦退こう。

手と足のスラスターを使い一気にその場から離脱する。暫く飛び、近くに山を見つけたので減速して着地する。どうしたものかと悩んでいると山の色んな所から明らかに人間ではない異形の者達が出てくる。

 

 

「へっへっへ。兄ちゃん。おんなじ妖怪って事で見逃してやるからよ。何かするんなら早くこの山から出ていきな。」

 

リーダーらしき下半身が蜘蛛の男の妖怪が言う。しかしいま、絶対に聞き逃せない事があった。

 

『私が妖怪?』

 

「他の何に見えるんだよ。外見もそうだし何よりすげえ弱いが妖力を発してる。なんの妖怪かは知らないが最近産まれたばかりなんだろう?」

 

いきなり全く知らない単語が出てきた。

 

『妖力?』

 

「なんだい兄ちゃん。知らないのかい?妖力だよ妖力。妖怪が使うから妖力。これだよこれ。」

 

と、源力を此方に放出してきた。

なるほど。源力の事を妖力と言うのか。知らなかった。誰にも教わっていないから当然だが。

しかしこれだったら彼らに色々教えて貰った方が良くないか?人間は私を見ても攻撃するだけだったし。そうだ。そうしよう。

 

『なあ。』

 

「あん?何だよ兄ちゃん。何が用でもあんのかい?」

 

『ああ。色々なことを教えて欲しい。見てくれのせいで人間には話し掛けられないんだ。』

 

「話し掛ける?人間は喰わないのかい?」

 

『喰う?私は生き物じゃないからね。口が無いのさ。』

 

「ふーん、。まあ、人数が増えるって言うなら歓迎だ。俺の名は下心(ゲシン)。見てわかると思うが蜘蛛の妖怪だ。宜しく。おーい!野郎共!!新入りだ!!歓迎の宴だ!!」

 

「「「「「「「おーーーーーーーーーう!!!!!」」」」」」」

 

暫く色々なことを聞きながらここで過ごそうと思う。また機会を見て人間と接触を図るのも良いだろう。その為にも早く馴染んで情報を引き出さねば。




章毎に分けてみようと思ったのですが分けるほどのことも無いと思いやっぱり止めました。

そしてようやく初村人&初仲間です。
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