気が付いたら女サイヤ人に転生していた件スピンオフ! ~神々に育てられた少女の異世界生活~ 作:銅英雄
ミライ「……間一髪だったようね」
エミリア「ミ、ミライ……?それにさっきの襲撃は……」
スバル「な、なんだってんだ……?」
腸狩りのエルザ・グランヒルテ……!予想よりも随分と早い登場ね。
パック「ありがとうミライ。リアを助けてくれて」
エミリアの懐から出てきたパックが私にお礼を言う。
ミライ「当然のことをしたまでよ」
主要キャラが死んでしまっては困るもの。……悪役は別だけれど。
エルザ「それにしても……」
エルザ・グランヒルテがこちらを……というよりは私とパックを見ている。
エルザ「精霊はまだお腹を割ってみたことはないから丁度よかったわ。それと……私の攻撃を防いだ貴女もいい腸をしてそうだわ」
……これは重度の変態ね。私も親友に変態的なドSと言われたことはあるけれど彼女よりは絶対マシだという自覚はあるもの。
フェルト「お、おい!どういうことだよ!?」
エルザ「ふふ、持ち主まで持ってこられると商談なんて無理。だから予定を変更してこの場にいるものを皆殺しにして徴章を持ち帰ることにしたのよ」
どうやらここで応戦しなくてはいけないようね。
ミライ「そんなこと……させると思うのかしら?」
パック「待って」
私が戦おうとするとパックに止められる。
パック「ミライ、ここはボクにやらせてほしい」
ミライ「パック……」
パック「リアが……娘が殺されかけたんだ。黙っていられるわけないよ」
パックから怒りのオーラが伝わってくるわ。これは相当怒っているようね。
ミライ「わかったわ。でもやばくなったら交代ね」
スバル「え?何このいきなりバトルな展開は?」
パック「うん、ありが……と!」バシュッ
言葉と同時ににパックは無数の氷柱をエルザ・グランヒルテにぶつけた。ナツキ・スバルが何か言っていたけれど気にしない方向でいきましょう。
ロム爺「やりおったか!?」
スバル「それやってないフラグだ!」
ナツキ・スバルの言う通りパックの攻撃は完全に防がれているわね。
エルザ「備えはしてみるものね」
エルザ・グランヒルテはアイテム的なものを使っていたようでそれは役目を終えると消滅した。
エミリア「精霊使いを舐めないで……!」
パックに続いてエミリアも攻撃する。……が難なく攻撃をかわすエルザ・グランヒルテ。
パック「戦い慣れしてるなぁ……。女の子なのに」
エルザ「あら、女の子扱いされたのなんていつ以来かしら?」
パック「ボクからみたら大抵の相手は赤ん坊みたいなものだからね。それにしても君は不憫なくらい強いねキミは」
エルザ「精霊に褒められるとは……光栄だわ」
攻撃を続けるエミリア&パック、それをかわし続けるエルザ・グランヒルテ、このまま消耗戦に持ち込めばパックが有利だけれど……。
パック「……そろそろ眠いから決着をつけさせてもらうよ」
エルザ「!?」
パック「不目的に氷をばらまいていたわけじゃにゃいんだよ?」
エルザ「これは……してやられたということかしらね」
パック「おやすみ!」
パックが特大の氷をぶつける。
スバル「やったか!?」
ミライ「貴方……なんで自分でフラグを建てるのよ……」
エルザ「死ぬかと思ったわ。あぁ素敵……」
……彼女、ドSであると同時にドMでもあるのね。本当に変態だわ。
パック「ごめんミライ。決めきれなかったよ……」
ミライ「気にすることはないわ。後は私がやるからエミリアも少し休んでいて」
エミリア「ミライ!でも私は……!」
パック抜きでも戦おうとするのは評価に値するけれど……。
ミライ「ここで貴女に死なれては困るのよ。だから……ここは私に任せて」
エミリア「……うん、わかったわ」
ミライ「エミリアはみんなを見てて」
エルザ「お話は終わったのかしら?」
私達の話を黙って聞いていたエルザ・グランヒルテは私に聞いてくる。
ミライ「意外ね。もしかして待っていたのかしら?」
エルザ「精霊にも興味があったけれど貴女にも興味があるの。私の攻撃を防いだあの光の剣……どうやって出したのか戦闘狂として知りたいのよ……!」
まるでサイヤ人ね……。強者を相手するのに生き甲斐を感じている……そんな感じがするわ。
ミライ「それについて種明かしをする気はないけれど貴女を退屈させる気はないわよ」
エルザ「それは楽しみね。じゃあ早速殺りましょう……!」
さて、第2ラウンドといきましょうか……!
スバル「あれ?なんか俺達空気じゃね?」
ロム爺「下手に手を出したらやられてしまうからの」
フェルト「それにあの姉ちゃんならやってくれそうな気がするしな」
エミリア「そうね……。今はミライを信じましょ」
外野でこんな会話があったのだが私はそれを気にとどめずにエルザ・グランヒルテと対峙する。
今回はここまでです。
次回はミライVSエルザになります。