ハルトナツ   作:マスクドライダー

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まーたいちかわ要素薄めだよ。
けど地味に大事な話でもあるので、そのあたり匙加減が難しいですね。


第16話 これからとそれから

「どういうわけか簡潔に説明しろ! どうして一夏が女に――――」

「ほ、箒ちゃんシーッ! ナツが男であったことを示唆する発言は控えて、お願いだから……!」

 

 廊下のだいぶ奥の方まで連れてこられると、箒ちゃんはズビシと俺たちを指さしながら率直な疑問をぶつけてきた。

 しかし、いくら取り乱しているからとはいえ声が大きすぎる。ここが廊下の奥とはいえ、俺が男であるというだけで興味を持たれそこかしこにこちらをうかがう視線がある。

 彼女らにとってはナツが女で当たり前だ。ならば男であった事実を勘繰らせるよな発言を聞かせるわけにはいかない。

 俺は唇に人差し指を当てながら、小声で声が大きいことを伝える。すると内密にしたいという意思は伝わったのか、箒ちゃんは気を取り直すように咳ばらいをひとつ。

 

「……説明そのものはしてもらえるんだろうな?」

「それはもちろん。えっと、中二の終わり頃の話なんだけど――――」

 

 ナツは俺にした説明をまんま話した。俺からすると随分久しぶりに聞いた気がする。実に一年ぶりくらいだろうか。

 箒ちゃんは終始怪訝な表情で聞いていて、途中で口を挟むようなことはしない。一字一句聞き逃さないようにしているんだろう。

 そして聞き終わった際のリアクションだが、こちらは俺にそっくりだ。誘拐事件? とか怪しい薬? みたいなことを言いながら首を捻っていた。

 

「なるほど、だいたいの事情は呑めた。で、元に戻れるのだろうな?」

「今のところはそれらしい方法は見つかってないね。それになんていうか、私は別に戻れなくてもいいかなーって」

 

 箒ちゃんとしてはまずナツが元に戻れるかどうかが大事というか、むしろそれ以外はどうでもいいんだろうなぁ。

 しかし残念なことにあの手この手を使っても不可能という残酷な――――ん? なんだって? 別に戻れなくてもいい?

 

「はぁ!? そ、そうなの? 諦めてるとかじゃなくて、戻れなくてもいい……なんだ」

もぅ、ハルが私にそうさせたのに……

「ナツ、なんか言わなかった?」

「なんでもありませんよーっ」

 

 ナツのそういったことに関することは聞かないようにしていたが、戻れなくていいなんて思ってるなんて考えもしなかった。

 思わずおおげさな反応をしてしまうが、俺にとってはそのくらい衝撃だったということ。いったいいつ頃からそう思っていたのだろう。

 でも確かに戻りたいと漏らしていたのも聞いたことはないが、必ずしもそれが戻れなくていいと思っていることには繋がらないはず――――って、深く考え込んでしまっていたせいでナツの言葉を聞き逃してしまった。

 俺の名前が出ていたのは聞き取れたから尋ねたのに、なぜかベーッと舌を出されて拗ねたような感じになってしまう。可愛いかよ。……って違う違う、俺の言いたいことはそうじゃ――――

 

「あれ、箒ちゃんどうし――――ひぇっ」

「一夏、お前もしやアレか? その感じはアレなのか? 頼むからそれだけは違うと言ってくれ。いや本当にだ。フリとかじゃないんだぞ」

「……ごめんけど違わない、かな。うん、間違いなくそういうことだよ」

 

 なんか箒ちゃんが黙りこくっていると思って目を向けてみると、あまりの様子に情けない声が出てくるのを抑えきれない。

 なんというか、とんでもなく形容しがたい表情なんだよ。笑っているような泣いているような怒っているような。

 箒ちゃんがそんな表情をすることが珍しいこともあり、人間見慣れないものには恐怖を覚えるものだと思い知らされた瞬間である。

 すると箒ちゃんはフラフラと足元がおぼつかないままナツに詰め寄り、よくわからない質問をぶつけ、ナツもよくわからない返事で返した。

 アレとかアレじゃないとか、違うとか違わないとかいったいなんの話をしているんだろう。ナツも箒ちゃんも、チラチラ視線が俺に向くのはなんなんだ。

 

「晴人、お前は先に帰っていろ」

「それは構わないけど、いったいなんでそん――――なんでもないですはい! 不肖晴人、帰らせていただきます!」

 

 俺が居ると何か話しづらいことがあるというのはわかった。わかったが、そんな殺気交じりに文句があるのかと雰囲気で聞いて来なくてもいいと思う。やっぱり箒ちゃん、怖いし苦手だ。

 すごまれた俺はビシッと敬礼を送り、すぐさま来た道を戻って一組の方へ。なるべく単独行動は避けたかったが、箒ちゃんの怒りを買うのはもっとよくない。

 しかし、教室に戻って一人で居るのは想像するだけできついな。はぁ、顔がいいとかならともかく、こんな地味なのに注目して面白いんだろうか。

 

「…………」

「……ん? ああ、ごめん。邪魔だったかな」

 

 溜息交じりにトボトボと歩いていると、行く道をふさぐようにして女子が立ちはだかっていた。危うくぶつかる寸前のところだ。

 こちらに不備があると思って素直に謝罪しつつ避けようとするが、女生徒はなぜだか俺の歩こうとする方向へ横移動。どうやら用事でもあるらしい。

 

「その、俺に何か?」

「…………こんにちは」

「こ、こんにちは」

「…………」

「…………」

「「…………」」

 

 このままでは話が進まないと感じたからこそ問いかけたと言うのに、返ってきたのは初歩中の初歩とも表現してよい挨拶だった。

 倣ってこんにちはと返してみるも、その後の反応が全くないではないか。父さんの場合は慣れているが、初見の女子相手ではかなり苦しい。

 内に巻いた水色の髪に眼鏡、そして赤い瞳が特徴的なこの少女、どうやら俺と同族――――つまり根暗の類と考えていいらしい。ならば、俺からもアクションを起こした方がよさそうだ。

 

「あの、日向 晴人って言います。どうぞよろしく」

「……更識 簪……。日本の代表候補生……です……。こちらこそよろしく……」

 

 ボソボソと呟くようなか細い声で、謎の少女は自らの名を更識 簪であると名乗った。そして、代表候補生であるとも。

 申し訳ないと言うか失礼ながら、儚いと表現するのが似つかわしい彼女がその座についていることは全く想像しなかった。

 けどこれで俺への用事がなんとなく見えてきたぞ。だって、俺の身近にも同じく日本の代表候補生が居るんだもの。

 

「もしかして、ナツの知り合いだったりするのかな」

「そう……。一夏は端的に言うなら恩人……。事情は省く……。それで、あなたの話は聞いてたから……」

「一目見に来た、ってことなんだね」

「そう……。本当は一夏にも挨拶するつもりで……。けど、連れて行かれたって……」

 

 恩人……か。また人様の事情に首を突っ込んだんだろうが、それは間違いなくナツの美点なのだから何も言うことはない。

 仮定はどうあれ、更識さんは救われてるみたいだから結果オーライということで。しかし、男の状態だったらまた惚れられていたんだろうなぁ。

 それにしても、そういう縁があるなら組が違うのは残念だな。なんとなく更識さんとは仲良くなれそう、というより気が合いそうな感じだと言うのに。

 

「あの、困ったことがあったら言ってほしい……。友達の友達は友達……。そう、思うから……」

「それは心強いな。ありがとう更識さん」

「呼び方、簪でいい……。名字は苦手……」

「そ、そうなんだ。じゃあ、簪さんで」

 

 ぶっちゃけ無表情で何を考えているのかよくわからないが、今の言葉でいい人であることは確信した。

 男子一人の状況で気軽に話しかけられる人が増えるだけでもありがたい。それだけで助けになるとのに、頼ってくれとまで言ってくれるのだから。

 けど名前呼びに関してはハードルが高いのでそこはなんとか……。いや、でもなんか事情が複雑なような空気を感じたから大人しく従っておくことにしよう。

 

「と、ところでその……。それは……?」

「ああ、これ? これね、実は専用機の待機形態なんだ。笑っちゃうでしょ」

 

 出会い頭の時点でチラチラと視線が向いているのには気づいていたが、簪さんは少し顔を赤くしながら左腰に膠着してあるヘイムダルの待機形態を指さした。

 こういう時には自分から笑い話にするのが手っ取り早い。そう思った俺は、ホルスターから引き抜きながら自嘲じみた顔を浮かべた。

 すると簪さんの視線はヘイムダルの方へ。心なしか目を輝かせているような気がして、試しに逆方向へ動かす。

 同時に簪さんの視線はまたヘイムダルの方へ。うむ、これはもしや……。

 

「……これ、光ったり音が出たりするんだよ。このスライドパネルを指でなぞったりすると……ほら」

「…………!」

「……よかったら試してみて」

「…………!」

 

 ヘイムダルの待機形態がより玩具っぽいものであることを実演すると、簪さんは目の輝きをより一層強いものにした。

 俺の想像はどうやら当たりのようで、簪さんは特撮ファンか何からしい。だって試してみてって言ったら不必要なくらい首を縦に振るんだもの。

 後の簪さんは自分の世界に入ってしまい、しきりにヘイムダルを弄りながら重厚感がどうのSEがどうのと呟いていた。

 ナツ、なんだかキミが恋しくなってきたよ。やっぱり彼女と一緒に居る時間が俺の安らぎらしい。箒ちゃんとなんの話をしているかは知らないが、やっぱりなるべくなら同時に行動したいものだ。

 渡したはいいけど返ってくる気配のないヘイムダルを見ながら、俺は静かにそう思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「箒、顔が怖いけど……どうしたの?」

「私の顔が怖いのはいつものことだ気にするな!」

(あ、そこ自覚はあったんだ)

 

 引き留める間もなくハルが教室へ戻ってしまうと、箒は私にジリジリと詰め寄りながら般若のような表情を浮かべる。

 とりあえず何か怒っているらしいことはわかった。けどそんな状態のままじゃまともな会話もできそうにない。

 やんわりと怖いから止めてと伝えてみるも、よくわからない主張をされるばかり。女の子としてそれでいいのだろうか。箒の場合は女であるよりも前に剣士とか言われそうでもある。

 

「それよりも一夏! ……ぬぅ、こういうことはあまり言いたくないが、晴人に惚れると言うのはどうなんだ?」

 

 箒は相変わらず小声の大声と言うか、周囲に聞こえない程度の音量に抑えつつも興奮は隠し切れない様子だ。

 そして切り出してきたのは、なんというか、そこを指摘されると私もかなり困るなという感じの言葉だった。

 けど、それと同時にカチンときてしまう。多分私の悪い癖。ハルが隣に居てくれればどうにかなったかも知れないが。

 

「ハルに惚れる要素は沢山あるよ。例えば――――」

「いや待て落ち着け。気持ちはわかるぞ。不覚にも、時折奴の仕出かす言動は、その、心を揺らしてくる」

 

 箒はあんな情けない男に惚れるとはとでも言いたいのかと思ったが、やっぱり私の早とちりか。箒ですらドキッとさせられたことがあるらしい。

 そうなんだよねー。あのギャップがね、凶悪なんだよねー。おかげでそれらしいことをされると、すごくかっこよく見えるんだよねー。

 まぁ単純に優しいところも好きだし、絵を描いてる時なんかもかっこいいと思うし、というか言うならハルの全部が好きだし。

 

「なんと言ったらいいのか……。つまりはだ、ど、同性愛……と認識すればいいのか? 私とて、それ自体が悪であるとは思わんが……。す、すまん、上手い言葉が見つからん」

「そう難しく考えないでよ。少なくとも私はどう思ってくれても構わないから」

 

 箒の置かれている状況を客観的に見てみよう。

 かつての仲の良い男友達二人の片割れが女になって、更にはもう片方に恋をしてしまっていた。混乱くらいするよねって話。

 このあたりのことは私も実際はよーわからん。ハルを好きってこと以外はね。本当に難しい性の問題だと思う。

 同性愛者、ホモ、ゲイ、なんだっていい。どう呼ばれようが構わない。私はただ、ハルに好きになってもらうことしか考えられないから。

 そう考えてはいるけど、いまひとつ踏み出せないのはあるけれど。いくら私がそう思っていたって、ハルの中では未だに私は男かも知れないから。

 最近はよく可愛いとか言ってくれるけど、見た目のこと褒められても嬉しくはあるけどあんまりなって感じ。

 もっとこう、女としての私を傍に置いておきたいなって、そう思わせることができないと告白は怖くて無理と思う。

 どうせなら、ハルの方から告白でもしてくれれば最高なんだけどなぁ。

 

「おい、自分の世界に浸らんでくれ」

「ああ、ごめん。それで、箒は結局何が言いたいのかな」

「…………」

 

 思わずハルに告白されるシーンなんか想像してしまうあたり、完全にやられてしまっていると見た。やっぱりハルには責任取ってもらわないと。

 箒の呼びかけで現実に戻り、話も本筋に戻そうとする。が、箒の歯切れが妙に悪い。何かあるならズバッと言ってくる性格と思ったんだが。

 いや、時折私に対してだけこんな感じになってたかな。ハルにはあまりにズバズバ物を言うから、それで対立したこともあったくらいだから。

 

「私の気持ちは、どうなると言うんだ……」

「え?」

「……一夏、私はお前のことが好きだった」

 

 箒の表情はとても悔しそうに見えた。そんな表情からどんな言葉が飛び出てくるのかと思えば、それはあまりにも突然な告白だ。

 この場合の好きとなると、言うまでもなくLikeではなくLoveのほうだったのだろう。だからこそ、私はどうしていいのかわからなくなってしまった。

 だって、そんなの全く気が付きもしなかったから。仲のいい友達と言うよりは、仲間という感覚だった。私としては、性別の垣根を超えたような存在だと。

 更には私の精神が女性に近づいているからこそ、余計に事の重大さを思い知らされずにはいられない。

 私がハルに何かしらのアピールを仕掛けたとして、全く手ごたえがなければ辛い。私は、その辛さを箒に味合わせていたんだ。

 

「ごめんなさい箒。私……」

「いや、私のほうこそ困らせてしまって……。だが一夏、もう駄目なのか? 無論、今すぐ私を好きになれなど言うつもりはない。だがせめて、もう一度男としてのお前に、私をちゃんと、見てもらいたい……」

 

 謝って済むような問題じゃない。これも辛さを知ったからこそ、そうせずにはいられなかった。

 箒も謝ってはくれたものの、言わずにはいられないのか、絞り出すような声色で私にチャンスを求めてくる。

 こんな何かにすがるような箒は見たくなかった。いつも凛とした出で立ちの侍ガールという認識だったからこそだ。

 しかし、私の意志は固い。しっかりはっきり想いを告げることこそが、箒に対する手向けのようなものになるだろう。

 

「……私は、ハルが好き。大好き。四六時中ハルのことばっかり考えちゃうくらいに。多分だけど、箒が私のことを想っていてくれたくらいに」

「一夏……」

「だからごめん、私はもう戻れない。それはハルが振り向いてくれなくったって同じだと思うんだ。本当にごめんなさい」

 

 近頃の私と言えば、ふたことめにはハル、隙あらばハルといった感じだ。他の子のことはよくわからないけど、恋ってそういうものなんだと思う。

 まだ自信をもって口にはできないけど、こういう考えが浮かぶって、きっと私がハルに女の子にされてしまった証拠なんだ。

 先のことはよくわからないけど、私はハル以外の男性に恋することはないという確信めいたものがある。

 だから仮に振られちゃったとしても、気持ちが男に戻ることはもうないだろう。それは、身体が男にも戻ってもきっと同じ。

 残りは謝ることくらいしか思いつかなかった。ただ頭を下げて、箒の気持ちを無下にしてしまったことを謝罪するくらいしか。

 

「……一定の理解は示すつもりだ。お前の想いを一時的な気の迷いと断じるつもりもない」

「……その心は?」

「さっきも言ったが、晴人に惚れる気持ちは十分にわかる。あいつのよりよい部分を知る一夏が女になったのならば、確かに自然なことなのかも知れんな」

 

 そう言い放つ箒は物悲しいような顔つきをしていたが、少しばかり爽やかな様子も持ち合わせているかのようだ。

 特に最後、自然なのかもと漏らしたあたり。でも自分にそう言い聞かせているような感じも当然ながら含まれている。

 

「私の好意は別として、お前たち二人が善き友であったこともまた事実。恨むようなことは間違ってもないから安心しろ」

「箒、それじゃあ……」

「だが勘違いするな、私は一夏の肉体を元に戻すことは諦めん。そうして、その、好きにしてみせる。だからそれまではだな……ただの女友達としてよろしく頼む」

「……うん、それで十分だよ。ありがとう箒。これからもよろしくね」

 

 ……私とハルがどうこうというか、そもそも箒は私たち以外の友達――――って、こんな有難いことを言ってくれてるんだからそんな考えは不可能だ。

 さらりと私に重ねて想いを告げているのが恥ずかしいのか、箒は顔を真っ赤にしながら右手を差し出してきた。

 だから私は箒の想いに報いるかのように、これ以上がないくらいの感謝を込め、優しくその右手を両の手で包み込んだ。

 

「それにしても一夏、なかなか厄介なのを好きになったものだな」

「そうなんだよねー……。恋愛に関しては未だに自信持てないみたいで」

 

 急に女友達としての接し方にスイッチを切り替えたのか、箒は呆れたような顔つきになりつつ恋バナのような話を切り出す。驚きはしたものの決して表には出さず、全面的に箒の言葉に肯定。

 最近はちょっとずつでも前向きな傾向にあるものの、恋愛に関しては奥手とかそういう問題じゃないレベルだ。

 ハルはあまりにもそういうことに自信がなさ過ぎるせいで、自分を好きになるような女子は現れないとでも思っているみたい。

 暇がある時に意を決して女性の好みを聞いてみたら、俺みたいなのを好きになってくれるんならそれだけでいいとか言っていた。

 それ女性の好みじゃないよね。全く参考にならないんだけど。じゃあ私でいいじゃないってなる。少なくとも今すぐにでも全てを捧げられるくらいには大好きだよ?

 それに何をしても基本的に全肯定の姿勢で、何をされた場合が本当に嬉しいのかがわかりにくいったらない。手料理だけは喜んでくれてるって確信はあるけどね。

 とにかく怖くて自分から告白ができなさそうというのが大きな問題だ。あぁ、でも冷静に考えたらそれもダメだ。

 仮にハルに告白したとして、俺みたいなのを好きになってくれたんだからと無理をしてでも合わせようとしてくるに決まってる。

 それは本当に好き合っているとは言えないと思う。やっぱりハルに告白させるのがファイナルアンサーかぁ。

 好きというのは間違いないが、箒の言うとおり考えれば考えるほど厄介な男である。……そういうところも可愛いと思ってしまうのは、ダメな女というやつなんだろうか。

 

「まぁなんだ、地道に頑張るしかないな」

「……少しでも時間稼ぎとか思ってない?」

「思っていない! さっき言ったばかりの言葉を違える気はないぞ!」

「ご、ごめんってば! つい、ついね」

 

 箒の言葉が投げやりなような気がしてしまい、ついいらない想像をしてしまう。

 ハルに対してのいい案って、考えてみたら地道なアピールくらいしかないんだもの。

 箒は武士に二言はないみたいな様子でウガーッと唸り、その迫力にまぁまぁと落ち着かせながら謝っておく。

 すると箒はまったくなんて呟きながら教室の方へ歩き始め、私は置いて行くぞと声をかけられてから慌ててその背を追いかけた。

 いざ教室に戻ってみると、ハルが少し疲れた様子でヘイムダルの調子を見ていた。なんなのかと聞いても少し上の空。

 まぁ、そこまで気にするようなことじゃないとするとして、これから始まる授業の準備でもして待っていようか。

 

 

 

 

 




こんな感じで幼馴染二人ともそこまでギスギスしない方向で。
無駄に雰囲気を悪くしちゃうのもよくないですしね。
というか私は基本アンチ系の描写はしないですからご安心を。
オリ主がアンチされたりする場合はありますけども……。(過去作参照)

それはさておき早期に登場の簪ちゃん。
個人的な理由としては原作同様のタイミングではこの作品の連載が終わっているので、かなり繰り上げて登場してもらうことに。

作中での背景的には 
・白式が倉持技研製ではないので問題なく専用機を取得
・中学時代に一夏と出会っているので、性格の改善もそのタイミングに発生
という主に2つの要因が関係しています。
お姉ちゃんのほう? 多分ですけど彼女は原作と同じ初登場になると思います。
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