ハルトナツ   作:マスクドライダー

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GW突入ですしストックにも余裕があるので更新です。
ひさびさに晴人と一夏ちゃんの絡みがメインですFooooooo!↑↑
やっぱり作者的にもテンションが上がりますねぇ。





以下、評価してくださった方々をご紹介!※順不同

ライオギン様 葉介様 カーキャ様

評価していただいてありがとうございました!


第18話 災い転じて福となす?

「で、こういう場合のベターな動きだけど……」

 

 いろいろと濃すぎる初日もようやく放課後。俺は教室に残り、ナツから戦術理論のようなものの手解きを受けていた。

 黙っていればそのうち習うみたいだが、基礎はそれなりにできているのだから今は対オルコットさんを想定すべきだ。……というのがナツの主張である。

 ぶっちゃけ学んだところで実際にその動きができるだろうか。仮にできたとして――――マニュアルどおりの動きですわね! ……とか言われそうな気がする。

 でも知っているのと知らないとでいるのは差が大きい、という点については全面的に同意だ。今の俺には戦術理論のせの字もないのだから。

 

(それにしても……)

 

 時分は既に夕暮れ時なわけだが、教室の窓から差す夕日がナツを照らしているのが気になる。何もまぶしくないのか、なんて思ってるわけではない。

 気になるって、異性に対して使うやつが適当なのかも。言ってしまえば多分、俺はナツから目を離せないでいる。

 夕日って、朝日とかと違ってなんだか色っぽいイメージがないだろうか。画家の端くれ的な観点かな?

 とにかく、少なからず色っぽいと思っている夕日がナツを照らすことで、なんだかナツまで色っぽく見えるような――――

 

「ハル、聞いてる?」

「へあっ!?」

「あ、うん、そのリアクションで聞いてないってわかったから」

「ご、ごめん」

「ううん、大丈夫だよ。もう一回説明するね」

 

 どうやらとんでもなくボーッとしていたらしく、ナツに勉強を教わっているという状況をようやく思い出した。

 まずいと思った拍子に変な声で出たわけだが、それで向こうにも俺の体たらくが伝わったらしい。

 素直に謝るが、ナツは気にした様子も見せずに再度説明を始めた。いやもうホント、心から申し訳ない。

 けどナツに見とれてましたなんて口が裂けても言えないしなぁ……。とにかく、集中集中。もう二度とナツに見とれてなるものか。……あれ? それはなんか違うような気がする。

 

「あ、日向くん、まだ教室に居たんですね」

「山田先生。俺に何か用事ですか?」

 

 俺を捜しでもしていたのか、ヒョコッと山田先生が顔を見せた。どこから攻めたのかは知らないが、灯台下暗しというやつをさせてしまったらしい。

 俺とナツの勉強する手は自然に止まり、二人して立ち上がって山田先生に近づいた。さて、俺に用事とはいったいなんなのだろう。

 

「部屋が決まりました」

「はい?」

「部屋が決まりました」

「いや、あの、聞こえなかったってリアクションじゃなくてですね」

 

 IS学園は全寮制だ。そもそもモノレールに乗らないと来られない島に、自宅通学せよというほうが違和感を覚える。

 しかし、俺はあまりにも例外なためにしばらくは自宅通学だと聞かされていた。それゆえのさきほどのリアクションである。

 山田先生はおっとり&マイペースと言うか、悪く言えば天然と言うか、聞こえなかったものと取られたようだ。こういうところは少し母さんに似ている気がする。

 改めて詳しく聞いてみると、どうやら国のお偉いさんからのお達しらしい。迅速かつ早急に俺をここに匿いたいんだそうな。

 まぁ、そういうことなら、四の五の言ってる場合でもないみたい。この学園において、俺に選択肢なんてものはないに等しいんだから。

 

「わかりました。けど、荷物の準備とかがあるので――――」

「その必要はない」

「あ、千冬ね――――いたぁ!?」

「織斑先生だ、馬鹿者が」

 

 まるで狙っていたんじゃないかと思うようなタイミングで、フユ姉さんも教室に現れた。教師モードは存在感マシマシである。

 ナツはフユ姉さんの姿を見るなりいつもどおりの反応を示し、千冬姉と言い切る前に制裁が下された。

 スパァンというオノマトペをつけたくなるような音。どうやらナツの頭に出席簿が叩きつけられたらしい。

 うん、何か不遜があったら出席簿。ぜひ覚えておくことにしよう。……っと、その必要がないという発言の真意を聞かなくては。

 

「あ、あの、先生。さっきの言葉はどういう意味で?」

「準備は母親に頼んでおいた。既に日向の住むことになる部屋へ運び込まれている」

「何が入っているかは?」

「あの人の気分次第だな」

 

 未だに痛がるナツの頭をさすりながら発言の真意を問いただすと、どうやらフユ姉さんが母さんに話をつけておいてくれたらしい。

 山田先生の目を気にしてか決しておばさんとは呼ばないし、俺自身ずっと日向と呼ばれるのもすさまじくムズムズする。

 それにしても、何が入っているかは気分次第……か。それだけ聞いてもすさまじい不安定要素だ。気分で動く人というのは俺が一番よく知っている。

 余計な物品が入っているのは確実として、着替えと画材一式さえあれば俺は満足といったところだが。……自分でも簡単なやつだなって思う。弾たちには枯れた若者とよく言われたものだ。

 

「はい、こちらが部屋の鍵ですよ」

「どうもありがとうございます」

「それと、寮生活のルールなんですが――――」

 

 山田先生から手渡されたのは、部屋番号の刻み込まれたキーだ。ううむ、紛失しないよう細心の注意をはらわなければ。

 とりあえずキーをポケットにしまうと、寮での生活についての説明が入った。こちらは聞き逃さないようにしないと。

 と言ってもそこまで難しいことはなく、食堂の使える時間帯だとか。大浴場の使用時間くらいのものだ。後者に関しては、しばらく使えないと注釈が入る。

 ナツは男の時から風呂好きで、特に広々とした大浴場は好みだった。しかし、俺にそんなこだわりがあるはずもなく。

 なんなら三年間ずっとシャワーでも構わないのだが。そもそも一人で大浴場を使うことになるって寂しすぎない?

 

「――――と、だいたいこんなところでしょうか」

「何か質問はあるか? ないなら私たちは失礼するぞ。これから会議があるのでな」

「あ、はい、大丈夫です。わざわざありがとうございました」

「わからないこと、困ったことがあったらいつでも言ってくださいね!」

 

 行動を制限されるのではと考えたりもしたが、どうやら俺の扱いは通常の生徒、つまり女子たちと大差はないようだ。

 主に時間の説明についてしかされなかったのがその証拠であり、内心で安堵しながら二人へと感謝を述べた。

 そして会議があるらしい二人の去り際、山田先生がフンスと鼻息を鳴らしながら頼ってほしい旨を伝えてきた。

 ……俺がなんとなく気の持ちようが似ていると思っているのに対し、山田先生も同じことを考えているのだろう。俺に関しては、姉弟でもおかしくないくらいのシンパシーを感じている。

 いずれお互い無意味にペコペコするようなシーンが発生するんだろうなぁ。なんて考えながら、去って行く二人の姿を見守った。

 

「ねぇハル、部屋番号は?」

「ああ、そういや確認し忘れてた。えぇっと……」

 

 二人が去ったのを確認すると、俺の前方にナツが躍り出ながらそう尋ねてきた。

 確かに、すぐ山田先生の説明が始まったから見忘れていた。というわけで、ポケットからキーを取り出して番号を確認。 そこには――――

 

「1025号室だね」

「……へ?」

「いやだから、1025号室……って、このやりとりさっきやったばっかりか」

 

 俺の住むことになる部屋の番号を聞くなり、ナツはなんとも間の抜けたような聞き返しかたをしてきた。

 聞こえなかったわけじゃないというのはわかっているが、つい自分にされたのと同じように番号を反芻してしまう。山田先生の気持ちが少しわかった気がするぞ。

 となると、どうしてナツは驚いたような、または困ったような反応をするんだろう?

 手をモジモジとするナツを不思議そうに見守っていると、意を決したようなしぐさを見せたのちに衝撃の事実を語った。

 

「あ、あの! それ、えっと、私と同じ部屋で、驚いたって言うか、そんな感じ……」

「……Really?」

「イ、Exactly……」

「「…………」」

 

 しばらくの間、シンと張りつめたような気まずい空気が俺たちを包むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、改めまして、その、性別の差で多々迷惑をかけるとは思いますが」

「そ、そんなに畏まらなくても大丈夫だよ。こちらこそ、迷惑かけたらごめんね」

 

 部屋に入って互いのベッドで無意味に正座、そして無意味にぎこちなくなりながら同部屋生活の挨拶を交わした。

 十年一緒に住んだと言えば聞こえはいいが、そのうち私が女だった時間はごくわずかだ。それに同居と同部屋ではわけが違う。

 同居よりもかなり共同で使うスペースは増えるし、油断をしていると幻滅させてしまうようなことをしてしまうかも。

 そう思えば緊張するもので、私も一応は予防線を張っておくことにする。でもハルが緊張してるふうなのって、それって、意識してくれてるってこと、なのかな……。

 

「ハル……さ」

「な、何?」

「私と同部屋って、どう思う?」

「ど、どうって、その、き、緊張する、ね」

 

 好奇心のようなものだった。ハルが私をどう思ってくれているのか、傷つく可能性もあったのに聞かずにはいられなくて……。

 すると返ってきたのは、私が期待していたとおりのもの。緊張していると聞いた途端、私は跳ねて喜んでしまうところでった。

 だって、一緒に住んできたハルが緊張するって、男だったことを知っているハルが緊張って、一応でも女の子として見てくれてるってことだと思うから。

 

「今のがなんの確認かは聞かないけど、とりあえず荷解きしてもいいかな」

「それは勿論。でもアレ、おばさんが用意したって思うと――――」

「……うん。悲しいかな、けっこう開くのが怖かったりするんだよ」

 

 話題はおばさんが用意したらしいハルの荷物の話になった。

 ハル愛用のリュックサックは画材しか入ってないからいいとして、その隣に鎮座してある段ボール箱の中身がなかなかの曲者とみた。

 いくらおばさんだろうと生活必需品が大半の割合を占めているだろうけど、残り数割は何かしら怪しいものが入っている可能性が捨てきれない。

 ハルは実の息子である分余計に思うところがあるのか、ひたすら訝しげな表情で件の段ボール箱を見つめていた。

 ようやく覚悟が決まったらしく、重苦しい溜息を吐いてからベッドから降り、ゆっくりと荷物の方へ近づいていく。

 貼られているガムテープを剥がして、いよいよ御開帳。まるで危険物でも取り扱うように中身を改める姿を隣で見守った。

 

「……なんだ、母さんにしては普通に気を――――遣ってくれてなぁぁぁぁいっ! いや、この場合は余計な気を遣ってと言うべきなのだろうか……!」

「……グラビア写真集。へぇ、ハルもまったく興味がないってわけじゃないんだ」

「まぁ、そりゃ、一応は男の子でありまして。えぇ、むっつりスケベと思っていただいても構わないのですが」

 

 隣で物色しているのを見ていれば嫌でも中身が確認できるわけで、畳まれた服の下に隠すように敷かれていたのはグラビアアイドルの写真集だった。

 そういうのはお互いノータッチで過ごしてきたけど、ハルが自分で買ったというのは考えにくい。弾か数馬に譲ってもらったんだろう。

 私に見られたせいか、はたまた写真集そのものを入れたおばさんに対しての失望か。どちらにせよ、ハルはガックリと肩を落としてしまう。

 

「その、軽蔑するよね」

「なんで? 男の子なんだから普通でしょ。それに、元男としては気持ちもわかるし」

 

 私の生まれが元から女だったらどうかはわからないが、少なくとも織斑 一夏という一人の人間として思うところはあまりない。

 むしろそういうのにちゃんと興味をもってくれているのか、と安心を覚えるくらいまである。そのくらいハルは表面上無関心だったから。

 うん、普通だよ、普通。男の子なんだから女の子のエッチな恰好に興味があるのは。あって当たり前なんだから、軽蔑するかなんて聞かなくてもいいのに。

 まぁ、どちらかと言うなら他に気になる部分があり、私としてはそちらの方に深くツッコミたい気分である。

 

「似てるよね」

「え゛っ!?」

「この人、なんとなく似てないかな。その、私にだけど……」

 

 ハルからそれとなく写真集を奪い、表紙を構えて気になった点を指摘した。すると、ハルは目に見えて先ほどとは毛色の違う焦りの反応を示した。

 引きつったハルの表情からして追撃は心苦しかったけど、この問いの答えは私にとって死活問題ともいえる。

 それは、グラビアアイドルと私の雰囲気が似ているという点についてだ。雰囲気、ここ重要だよ。別に顔のパーツや体形が似てるって話でもない。

 いや、むしろ単純に大きさで優劣をつけるのなら、明らかに私へと軍配が上がるだろう。うん、どこがとは言わないけど。

 でも、その、もしかすると大まかな話で、私ってハルの好みのタイプかもって思わない? だからついそんな質問をしちゃったと言うか……。

 

「……そ、そ、そ、そこ、含めて、軽蔑するよねって聞いたつもりで……。だって、その、そんなの気持ち悪いじゃないか。ナツに似てるなってわかってて、俺がそんなの持ってたら」

「っ……! お願い、ちゃんと聞かせて! そこ、すごく、大事だから……」

「……ぼ、僕、僕は……みっ、見た目! ナツの見た目、160kmくらいの剛速球でドストライクなんです!」

「…………!?」

「……ああああああああっ! 余計なこと言ったぁ! 僕、絶対言わなくていいこと言ったああああっ!」

 

 ハルの声色は今にも泣きそうなくらいに震えていて、ところどころ聞いたことがないほどに裏返ってしまっていた。

 そんなのを見せられたら勘弁してあげたい気持ちも沸いたけど、ここを逃すと今後聞く機会が訪れるとは思う。だから止まることはできなかった。

 ハルの負い目にかこつけて酷いことをしている自覚はある。だがこの反応こそが私の期待している言葉をくれる証拠なのだと、そう確信めいたものがあった。

 懇願するように私が醜い欲求を吐露すると、ハルは観念したかのように心中を語る。瞬間、私の中で本日二度目の歓喜が巻き起こった。

 ハルは羞恥からか、両手で顔を隠しながらそこらをのたうち回っている。すぐさま落ち着いてと声をかけたかったのだが、私は茫然自失としてしまってそれができない。

 

(ドストライク……。私そのものが、ハルの好み……!)

 

 そんなこと考えもしなかったものだから、私を構成するあらゆる要素にハルが一定の興味を示しているということに、喜びや羞恥が一度に襲ってきてしまう。

 それを端的に説明するならテンパるというやつで、今の私の目を漫画的描写で表すのならいわゆるグルグル目といった感じに違いない。

 そんな私はテンパった末に――――いける! これはいける! と言うような結論にたどり着いたらしい。

 何を思えばこのタイミングで告白しようということになるのだろう。一応は冷静な部分が残っているのでなおのことだ。

 

「ハル!」

「はい……。どうか煮るなり焼くなりお好きにどうぞ……」

 

 ハルにまたがるようにして両手両膝を地に着けると、向こうは私が怒るとでも思っているのか、どのような罰も甘んじて受けるという心構えらしい。

 軽く小突くとか以外でハルに危害を与えた覚えはないが、それでもそんな言葉が出るということはよほど負い目に感じているみたい。

 ハルの負い目にかこつけているようで、私がしたこと及びしていることはかなり卑怯なことなんだと思う。

 でももう無理だ。私をそういう目で見ていてくれたのだと知った暁には、溢れる想いを知ってもらいたくてたまらない。

 私は高鳴る鼓動に耐えるかのように、切ない感覚に耐えるかのように、わずかながら目へと涙を溜めながら想いを紡いでいく。

 

「あ、あのね、私、私は――――」

「こんにちは……」

「は……? かん……ざし……?」

「「「…………」」」

「お邪魔しました……。本当にお邪魔しましたからどうぞごゆっくり……」

「わーっ!? 違う違う、違うから! 誤解をしたまま逃げようとしないで!」

 

 突如挨拶と共に部屋の扉が開いたかと思えば、姿を現したのは私の友人である簪だった。そういえば学園に来てから会ってなかったけ。

 なんて呑気なことを考えている暇ではなく、ハルにまたがった状態を目撃されたということについてどうにかしなくては。

 すると簪は案の定変な勘繰り……というか、当たらずとも遠からずかも知れないけど、勘違いをしたまま足早に部屋を去ろうとしてしまう。

 簪が言いふらすなんて思ってはいないが、慌てて追いかけて捕獲に成功。適当にはぐらかしつつも事情を説明した。

 そもそも無許可で入る簪もマナーを欠いているのではと思ったが、どうやらノックはきちんとしたらしい。すると、私とハルはよほど周りが見えてなかったようだ。

 

「それで、簪さんは何しに俺たちの部屋に?」

「あれ? 二人とも知り合ってたんだ」

「うん、だいぶ前に廊下でね。まぁ、軽く挨拶した程度だけど」

「私は……一夏に会いに……。日向くんが居るのは知らなかった……」

 

 ハルがなんの自己紹介もなしに名前呼びということは、間違いなくどこかで言葉を交わしたという予想がつく。

 どうやら箒に戻っていてと頼まれた際に会っていたようで、それなら教室に戻ってからのハルの様子も頷ける。

 きっとヘイムダルの待機形態について、簪といろいろあったのだろう。どうにも特撮系の玩具っぽい見た目してるし。

 というかそうだった、会いはしなかったけど互いの部屋番号は知らせ合ったんだっけ。まさかそれがこんなことになるとはね……。

 とりあえず簪とは初遭遇ということで、これからもよろしくという握手を交わしておく。

 

「それと、食事に誘いに……」

「あ、それなら箒も誘って大丈夫かな。ちょっと気難しいけど、昔の友達なの」

「箒ちゃんだって誰それ構わず警戒するほど面倒でもないと思うけど」

 

 ちらりと携帯の時計を見てみると、確かに時刻は十八時を過ぎていた。ハルと長いこと勉強してたし、だいたい妥当なところかな。

 食事は多くのメンバーで席を囲めば自然に楽しくなるものだ。だから簪の申し出は快諾しつつ、もう一人問題児を誘っても構わないかと、こちらからも申し出ておく。

 ハルはそう言うが、どうせほっとくと一人で過ごすよあの子。なんで私の周りはこうも友達を作りにくい性格の人が多いのだろう。

 私のそんな提案に対し、簪は呟くようにして構わないとひとこと。そして、むしろちゃんと話せば気が合うはずと付け加えた。

 ……ああそうか、二人とも姉のことで苦労しているという嫌な共通点があるんだった。何もそんなところが被らなくてもいいのにね。

 

「よし、それじゃ早速箒のところへ――――」

「あのさナツ、箒ちゃんって何号室?」

「…………あ。……ハル、知らない?」

「えぇ……? 知らないから聞いたんだけどな」

「一夏らしいといえばらしい……」

 

 弁明させてほしい。別に箒の所在について興味がないとかそういうのではないの。本当に。ただ聞き忘れただけの話なんです。

 ……知らないという事実までは覆せないのが悲しいところかな。自分で箒を誘うことを提案したから余計に性質が悪い。

 二人に目を向けてみると、なんだか呆れたような視線でこちらを射貫いているではないか。何さ何さ、よく考えたらハルだって地味に同罪じゃない。

 結局は食堂の出入り口付近でたむろしながら箒を待ち伏せるという手に。すると比較的容易に捕まえることができた。

 そこで簪との会合もほどほどに、学園に入ってささやかな懇親会も含めた夕食が始まった。無論、その際にそれとなく箒の部屋も聞いておく。

 ちなみに先ほど起きたハルとの珍事だけれど、食事が済む頃には暗黙の了解でなかったことにする方針に。

 部屋に戻ると、無言で荷解き作業をこなすハルがとても印象的で、私もその背をただただ無言で見守るのであった。

 

 

 

 

 




息を吸うように同室でございます。
むしろ別のキャラである必要がないとも言えますが。
ラッキースケベが入ってないやん! という方は申し訳ない。
多分ですけどこの作品、あまりそういうのは起きないと思いますのでご了承をば。





ハルナツメモ その11【好みのタイプ】
今回は主に体形は除いた、純粋に見た目においたタイプを示す。
晴人の言うストライクとは、黒髪ロングで美人と可愛いの中間くらいの見た目をした女性のこと。要するにまんま一夏ちゃん。
メタ的な例えを挙げるとするなら【艦隊これくしょん】に登場する【榛名】あたりが最も近いのかも知れない。





ハルナツメモ その12【一夏ちゃんの身長&スリーサイズ】
身長157cm 上から93/60/90
デカァァァァァいッ! 説明不要ッ!
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