『白狼』がダンジョンに潜るのは間違っているのだろうか 作:KeI77777
KEY(ドM)と申します。
アプリゲームのファイアーエムブレムが
流行っていてロイドにーにが出た記念に。
白つながりだろ、とか言ってはいけない。
それでは、ご覧ください(KBTIT)
KEY(ドM)
---気が付いたら、そうだった。
剣を手に、暗いダンジョンの中を突き進む。
顔に付着した血を左手で拭い、
息を吐く。
鼻の中に腐臭がつき、
モンスターの死体が見えた。
「・・・・ここか。」
以前よりも大分小さくなって
しまった手で剣を構えつつ
前に進む。
そこには、ゴブリンが群れを
なして俺を待ち構えていた。
俺の姿をみたやつらは
きひひひひ、と笑い声を
あげながらにじり寄ってくる。
こん棒を持ち、衣服をまとっている
ことから最低限の知性があることが
伺える。
「---きしゃああああっ!!!」
雄たけびを上げてかかってくる
モンスターたち。
数の利で押しつぶしに来た。
「------。」
心を落ち着かせ、己の心のままに
剣を振るう。
-----かつて、自分が自分で
あったころの記憶通りに。
びちゃり、と血が噴き出す音が
ダンジョンに響いた。
◆
「---知ってるか?アイズ?」
「・・・・・・・。」
アイズと呼ばれた金髪の少女は
八重歯をのぞかせた男からの
言葉に首だけ向ける。
酒が入ったジョッキをもって
彼女に詰め寄る狼男は
はははは、と笑う。
「あのヘスティア・ファミリアに新しい
奴がはいったんだとよ!!---あの
ヘッポコファミリアに!!」
「・・・・・。」
自身の同僚であるベート・ローガの
言葉に眉を潜めるアイズ。
それでも、ベートは気づかずに
喋り続ける。
「まあ?俺やお前にかなう奴なんて
そうそう・・・。」
「・・・・・・・・・。」
しかし、彼女は既にその視線を外し、
とある一角を見つめていた。
彼女に気があるベートからしてみれば
それは耐えがたい屈辱であった。
(一体どこのどいつが・・・・!!)
「------。」
黒のローブに身を包み、
酒を煽り続ける一人の人物がいた。
そして、それを見たベートは
立ち上がり、ローブ姿の
人物に詰め寄る。
「--おい!!」
「・・・・・ん?」
今まで酒を飲んでいたローブの人物が
ジョッキをカウンターに置き、
ベートに向き直る。
「・・・・・・なんだ?」
「・・・・・けっ。
誰かと思えばテメェか、白いの・・・!!」
ぐるるるる、とうなりながら
そう吠えるベート・ローガに
微笑しながらローブ姿の男は
立ち上がる。
「ベル・クラネル。」
そのすぐ後ろのは『剣姫』アイズ・ヴァレンシュタインが
立っていた。
「・・・・ほう。剣姫か。」
嬉しそうに『白狼』ベル・クラネルは
そう微笑んだ。
◆
「私と戦ってほしい。」
「・・・・・。」
アイズにいきなりそういわれた
ベルは頭に手を置く。
ダンジョンでたまたま
自身の剣技を見られてから
彼は彼女にこう詰め寄られていた。
殺す剣。
それが彼の剣であり、見世物の類ではない。
だからこそ、彼は彼女と決闘じみたことを
する気は毛頭なかった。
すぐ近くでは、不機嫌そうなベートや、
他のロキ・ファミリアの面々が
興味深そうに彼らのやり取りを見守っている。
「・・・・俺は、レベル1の最弱だ。
アンタとは勝負にならないだろう。」
「・・・・・。」
ベルの言葉に黙るアイズ。
彼女自身もそのことは知っていた。
それでも、彼女は彼に興味を持っていた。
---そのレベルにしては、あまりにも
熟達した剣技に。
「---おいおいおいおい!!アイズ!?
そんな白オオカミ、放っておけよ!!
レベル6のお前が肩入れするような奴じゃ
ないだろ!!」
「・・・・・。」
自分が言外に眼中にない、といわれていても
どこ吹く風でじっとアイズから
目を放さないベル。
対して、アイズもベルから
目を放さないようにしていた。
そして、ふっとベルが笑う。
「---今日は飲んだ。帰る。
----うちの女神さまもそろそろ
機嫌を損ねそうだからな。」
それだけ言うと、代金を酒場に
おいて立ち上がって出口の方に
向かっていく。
「・・・・・があああっ!!」
ベートの悔しそうな声が響いた。
◆
かつて、俺は死んだはずだった。
弟のライナスを殺した奴らを
倒して、仇討ちするために。
死んでいた親父のためにも。
フェレ侯爵、エリウッドが俺の弟を
殺した可能性はおそらく低い。
直に顔を合わせてそれがわかっていても、
もう俺たちは止まることはできなかった。
『---やだよっ!!ロイドお兄ちゃん!!
私を置いて行かないでっ!!』
かわいい妹のそんな言葉も
無視して。
結果、俺たちは全滅した。
『四牙』、『白狼』などという
大層な名前を持つ割には、
あっけない死に様だった。
なのに、目を開ければ
全く違う人物として俺は
蘇っていた。
だが、それよりも新しい
家族ができたことが、俺に
とっては何よりも嬉しく。
---それを失ってしまったことが
何よりも悲しかった。
◆
「・・・・ヘスティア?」
ギッ、ギッと階段をあがるベル。
ドアを開けると、ベッドで
1人の女性が寝息を立てながら
寝ていた。
「・・・・・もう寝ちまっていたか。」
彼はそういうと、慈しみを込めた
瞳を彼女に向けて、右手でその頭を
優しく撫でる。
自身の妹にするように。
そして、ふう、と息を吐いた。
(・・・・・一体、何の因果だ?これは・・・。)
----かつて、ロイド・リーダスと呼ばれていた
男はそうこぼした。
◆
「----ハッ。」
がばり、とベッドから起き上がり、
垂れたよだれをぬぐいながらあたりを
見回す。
自身のたった一人の眷属を
探して。
「----起きていたか。」
そこには、どこかで剣を振るっていたのか
タオルで汗を拭いているベルが立っていた。
ふう、と濡れタオルで体をぬぐう。
「----昨晩はどこに行っていたの?」
彼女の質問に苦笑いするベル。
自分にはその経験はないが、
まるで浮気をとがめられた夫のような
気分であった。
テーブルの上に置かれていた
小包を彼女に差し出す。
「・・・これは?」
「昨日、飲みに行った帰りに
買ってきた。・・・開けてみろ。」
その言葉にヘスティアは小包の
紙包装をびりびりと破いて
中のモノを取り出す。
そこには、青いクリスタルの
ペンダントが入っていた。
「・・・うわあ~。きれい・・・。」
「アンタに似合うだろうと思ってな。」
「・・・・ありがとう!!ベル君!!」
飛び込んできた彼女をがっちりと
受け止めるベル。
「・・・・汗臭いから離れた方がいいぞ。」
「関係ないよう!!こんなきれいなものもらって
何も感じないわけないじゃないかぁ!!」
「・・・・・。」
その過剰なスキンシップに彼は困惑していた。
幼いころの弟や、ニノという妹に対して
頭を撫でたりしてやったことはあったものの
こうした直接的な愛情を受けた経験は
皆無だったからである。
彼の父であったブレンダン・リーダスは義賊と
呼ばれる善性の人物であったが、それでも
女の色香に負けて、組織を内部から食い尽くされてしまった。
そうしたえげつない状況は間近で見ていた
彼にとって、女性からのスキンシップは
どうしてもハニー・トラップに感じてしまう。
無論、彼女がそんな悪人でないことは
知っていても。
だが、彼にとって、唯一妹と呼ばれる
人物がいたことは救いであった。
ヘスティアの頭に手を置いて
よしよし、と撫でる。
「こ、こらっ!!ベル君!!僕は女神なんだぞ!!」
「・・・・・だったら、もう少し慎みを
持った方がいいんじゃないのか?」
「それは無理だねっ!!」
「・・・・・・。」
彼の名はベル・クラネル。
---かつて、『白狼』と呼ばれていた
凄腕の剣士である。
これは、そんな彼の英雄譚。
ロイド・リーダス
ファイアー・エムブレム烈火の剣に出てくる
"白狼"の異名を持つ剣士。
プレイヤーにとってのトラウマ。
最後まで自分が身を置いていた組織の事と
家族のことを気にかけていた。
結局、彼は非業の死を遂げる。
当時のプレイヤーは彼を仲間に
出来ないことにかなり落ち込んだことだろう。
ラストに出てくる最終形態は
全てのファイアー・エムブレムの中でも
最強クラスのソード・マスターであり、
真っ向から戦うと死ぬ。
ダンまち見ていたら思いついたネタ。
つづくかどうかは知らない。
あ、ヒロインは重いから
大丈夫だゾ(予定調和)
感想は全部読んで、返信しているから
良かったら書くといいゾ。
感想くれ。
れ。
KEY(ドM)