戦姫絶唱シンフォギア 王を継ぎし者   作:夜叉竜

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 東京コミコンにてゴジラ、モスラ、ラドン、ギドラの姿が公開……!俺は行ってませんが動画などでその姿を確認しました。

 結論から言おう。ゴジラカッコええ!ラドンカッコええ!!ギドラカッコええ!!!モスラ……あれ?あなたどっかで会いましたよね?具体的には4年前に。

 いや、本当にあの……あの人にそっくりです。ぶっちゃけシルエットでどっち!?と聞かれた本当に一瞬迷うぐらいには。

 まあ、でも、期待値はどんどん高まってしまっていますので…………早く新しい予告編をプリーズ!!

 ではどうぞ!



1-15

 轟音と共に高台が崩壊を起こし、周囲に土煙が舞って覆い隠す。

 

 「っ……どうなったの……?」

 

 周囲の状況が確認できない中、翼は油断なく剣を握りながら周囲を見渡す。だが、高台方面は特に煙がひどく、状況がよく分からない。

 最後の瞬間、響の一撃が緑羅を捉えたのまでは分かるが、そこから先がどうなったのか、響は無事なのか、緑羅に届いたのか、何も分からない。

 翼が土煙を睨みつけていると、一つの影が煙を突き破ってくる。思わず翼が剣を構えるが、すぐそばで着地した姿を確認して剣の切っ先を下ろす。

 着地した響きははあ、はあ、と荒い息を吐きながらも何とか立っている。

  

 「立花……大丈夫?」

 「は、はい……何とか……緑羅君は……?」

 

 響はそう言いながら目の前の煙を見つめ、翼も同様に視線を向ける。

 次第に煙が晴れていくにしたがって高台の状態が見えてくる。

 高台は一角が完全に崩れ去っており、無数の瓦礫がうず高く積まれている。だが、周囲に緑羅の姿はない。

 

 「緑羅君は……まさか……瓦礫の……」

 

 そこまで考えて響が表情を青ざめさせていると、瓦礫の一角から岩の欠片が転がり落ちる。すると一拍おいてさらに巨大な岩が転がり落ちて瓦礫の山がうごめき、次の瞬間、爆発するように吹き飛ばされる。

 吹き飛ばされる岩の欠片に響たちは思わず顔を庇い、それが収まってから視線を瓦礫に向けて表情を凍り付かせる。

 瓦礫の中から緑羅が現れたのだ。全身が土煙ですすけているが、その足取りはしっかりとしており、ぱっと見ダメージを負っているようには見えない。だがガントレットは中ほどから破壊されており、右腕にはその残骸しか残されておらず、周囲には黒い破片が散らばって、その下の鎧は欠けている。

 緑羅が静かに右腕に視線を向けると軽く力を籠める。すると散らばっていた破片が全て霧散し、右腕に集結すると、鎧の傷が修復され、更に無数の部品が現れて組み合わさっていき、そのままガントレットを構成する。

 

 「そんな……」

 

 響が思わず呻くように声を漏らし、翼は苦々しく顔を歪めながらも剣を構える。

 復活したガントレットを静かに動かして調子を確かめていた緑羅は静かに二人に視線を向ける。

 二人は小さく体を震わせるが、いまだ戦意を衰えていないと言うように構える。

 緑羅はしばし無言で二人を見つめていたが、不意にため息を吐いてガントレットを霧散させる。

 え、と二人が目を丸くしていると、

 

 「合格だよ」

 

 そう言って緑羅は静かに右腕を持ち上げ、鎧を消し去る。

 あらわになった上腕は人間の皮膚になっているのだが、響の一撃が直撃した箇所には血が滲んでいる。

 あ、と響が声を漏らすと緑羅はため息を吐きながら口を開く。

 

 「全く……やってくれたね……いや、俺もまだまだだってことか……人間に後れを取るとはね……」

 

 緑羅はやれやれとため息を吐きながら首を横に振る。響と翼はぽかんと、口を半開きにして緑羅を見つめていたが、次第にその意味を理解してきたのか響は顔に笑みを浮かべ始める。

 

 「そ、それじゃあ………」

 「ああ、約束だからね。ちゃんと話すよ。2年前の真実、そして俺の真実をね」

 

 そう言うと、響は嬉しそうに笑みを浮かべ、翼はふう、と安堵したようにため息を吐く。だが、それと同時に二人の全身をすさまじい倦怠感が襲い、そのまま二人そろって倒れ込んでしまう。

 

 「あ、あれ……?」

 「っ……ギリギリだったわね……」

 

 緑羅はすぐに二人の元に歩いていくと、そのまま体をブルりと振るわせると口から青白い光を放ち、それは二人を包み込んで光輝く。それと共に二人の倦怠感が少しだけ楽になり、そのまま上体を起こす。

 

 「よし、これで一応は大丈夫かな。エネルギーを分けたけど、無理はしないでね」

 「あ、う、うん……」

 「……これは何なの?回復系の技?」

 「そんな大層なものじゃないよ。同質のエネルギーを分け与えて体を活性化させてるだけ。シンフォギアを使える今だから利用できるんだけどね」

 

 そう言いながら緑羅は小さく肩をすくめると人間に戻る。

 

 「ま、そうはいっても体力とかは戻らないしね……話をするのはまた今度という事でいいかな?」

 

 その言葉に響はえ、と声を漏らし、翼は誤魔化すつもりかというように視線を鋭くする。それを受けながら緑羅は呆れたようにため息を吐く。

 

 「そんな目をしなくても逃げたりしないよ……そんな体で話につき合わせるとか非常識でしょ。ちゃんと話す場は設ける。今は回復に時間を使うべきなんじゃないの?」

 

 緑羅の苦言に響と翼は小さくうめき声を上げる。だが、響は今聞きたいと言うように緑羅に視線を送るが、少しして翼はそれもそうね、と小さく呟く。

 

 「分かったわ。一応信用して今日は戻るけど、もしも誤魔化したりしたら……」

 「分かってるって……しっかし本当にどうした?数日前と比べたらずいぶんと丸くなって……」

 

 そこで不意に言葉を区切った緑羅はそのまま翼を見つめながら視線を鋭くする。だが、その位置はいささか妙だ。翼は思わずそのまま緑羅の視線を追うように自分の右肩越しに後ろを振り返る。だが、そこには何もない。

 

 「………なるほど」

 

 そう小さく呟くと緑羅は体を起こして息を吐くと、

 

 「それじゃあ、詳しい場所は追って連絡する。今日はもう帰りな。二人とも無理はしちゃだめだよ」

 「あ、ちょ、ちょっと緑羅君……!」

 

 響が慌てて声をかけるが、緑羅はそのままひらひらと手を振るとその場から歩き去ってしまう。

 

 「行っちゃった……」

 「そうね……立花、大丈夫かしら?」

 「あ、はい。何とか……翼さんは?」

 「しばらくはまともに動けそうにないわ……緒方さんに来てもらわないと……」

 

 二人がそろって疲れたように息を吐きながら地面に倒れ込んでいる中、緑羅は公園の中を歩きながら顎に手を当てて考えていた。

 

 (まさか話すことになるとは……ちょっと響たちを見くびりすぎてたか……まあ、性格的に問題はないと思うし、彼女にも言い含めれば問題はないか……さて、今後はあの雪音クリスとかいう子を確保することを最優先にしよう。フィーネが何者にせよ、攻撃したってことは彼女とは袂を分けたって事。絶対に今後も排除しようとするはず。そこをついて確保して情報収集だな……まあ、それはさておき、飯にするか)

 

 そこまで考えて満足そうにうなずくと緑羅は顔を上げて歩き出すが、不意にあ、と声を漏らす。

 

 (一応腹ごなしをしたら未来の様子も見に行くか……)

 

 一応途中からあの優男の気配を感じ取ったのでまあ、大丈夫だとは思うが、念を入れておいたほうがいい。

 そう考え、緑羅は公園を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜中。リディアン音楽院の寮の自室にて、未来は静かに雑誌をめくっていたのだが、その表情は険しく、雑誌に目を通してはいるが、実際には雑誌の内容なんてこれっぽっちも入ってきていない。

 緑羅と別れた後、更に周囲に破壊の音が木霊し続ける中、未来はその場に来た特異災害対策機動部二課の者たちに保護され、その後いろいろなことを説明されたのだが、彼女がしっかりと理解し、把握しているのは響と緑羅の事だけだった。

 響は春先に唯一ノイズと戦える武器、シンフォギアを纏える装者となり、ノイズが現れるたびに戦いに赴いていた。そしてそれは緑羅が言っていた通り響自身の意思だった。彼女が時折遅く帰ってたり、約束を守れなかったのもそれが原因だろう。

 そして緑羅。それは全てが謎に包まれている協力者……と言うよりも共闘者と言ったところ。シンフォギアを纏うのだがその際に全身があの異形に変異する。住所不明、戸籍も不明、突如として2年前から現れた存在。それが、未来の異性で一番の友達の正体。

 そこまで聞かされて、未来の中には薄暗い気持ちが渦巻いていた。響とはそれこそ幼いころからずっと一緒の親友で、彼女には隠し事なんてしてこなかったし、してほしくなかった。その彼女が自分に隠し事をしていて、しかもそれはノイズとの命がけの戦いだった。2年前ノイズに殺されかけたのにもかかわらず響がその道を選んだ理由なんてわかってる。人助けが趣味の彼女なのだ。きっと誰かを助けるために………

 そんなことは分かってる。だがそれでも……あんなに心配したのに響はそれを無視して戦場に飛び込んだ。自分を置いて、この平和な日常から遠くかけ離れた戦場に。それは未来にとっては裏切られたような気持だった。いつの間にか自分を置き去りにしてどこか遠くに行ってしまったような、いつの間にか自分との間に超えることを許されない壁を作り上げていたような……自分は役に立たないと言われたような……実際それは事実なのだろう。だが、それでも……言って欲しかった。守られるだけではない。何もできなくても、何かしてあげたかった。だけど結局何もできなくて……あの公園で緑羅に言われた言葉が蘇る。

 

 足手まとい……

 

 自分は響の力になれないのか……響の足手まといなのか………だから響は何も言わなかったのか……自分はもう、響にとってはいらないのか……

 

 『響の事を信じてあげなよ……』

 

 その脳裏にかつて響の事を相談した時に緑羅が告げた言葉が蘇る。だが、あの時は不安だった心に光をともしてくれた言葉を今の未来は信じることができなかった。

 緑羅に至ってはその名前も、存在も、全てが嘘に塗り固められていた。彼は人間ですらなかった。名前も偽名の可能性が高いと言われた。更に今日にいたっては言外にお前は何の役にも立たないとさえ言われた。その瞬間、未来の中のこれまでの緑羅の全てが嘘に見えてきたのだ。

 1年半前、迫害されていた時に助けてくれたことも、怒ってくれたことも、連絡して、雑談した時間も、励ましてくれたことも、このプレゼントも……

 未来は首から下げているペンダントを無意識のうちになぞり、唇をかむ。

 未来にとって緑羅は友達でありながら兄のような存在だった。そばにいるだけで、言葉を交わすだけで安心できて、自分と響を見守ってくれる存在。言葉を交わすぐらいだったが、そんな風に感じていた。

 その全てが嘘だったのか……いや、違う。現に彼は響と共に戦う際に彼女を守ってきた。ならば彼の全てが嘘ではない。彼はずっと響のそばで彼女を守って………

 そこまで考えて未来は唇を引き結ぶ。そう考えた瞬間、先ほどまでとは違う暗い気持ちが未来に芽生えた。まるで緑羅に響を取られたような……響に緑羅を取られたような……

 

 コンコン

 

 そこまで考えて不意にノックの音が響き、未来ははっと顔を上げて玄関に視線を向ける。響ではないだろう。ここは彼女の部屋でもある。ノックをする意味がない。

 

 「誰ですか?」

 

 コンコン

 

 だが返事は来ずにノックが帰ってくるだけだ。

 不審に思って未来が立ち上がって玄関に向かうと再びコンコンと音がする。そこで未来はようやく気付いた。ノックは玄関からではなく、後ろのベランダから聞こえてきている。

 未来が慌てたように振り返ると、

 

 「緑羅君!?」

 

 ベランダには緑羅が立っており、ガラス越しにこちらに軽く手を振っている。

 未来は慌ててベランダの窓を開ける。見間違いでもなんでもなく、彼はそこに立っていた。

 

 「よう、未来。どうやら大丈夫そうだね」

 「大丈夫そうって……どういう事?と言うか、なんでここが……」

 「あの後未来をほったらかしにしちゃったからね。なんとなく強者の気配がしたから問題ないとは思ったけど、念のために様子を見に来たんだよ。このリディアンが寮っていうのは聞いてたからね。部屋は分からなかったから一つ一つ確認する必要があったけど」

 「確認って……どうやって……!?」

 「そりゃ、ベランダにこっそりと捕まって窓越しに中を確認してね」

 「ひ、非常識すぎるよ!そんなの完全にストーカーじゃない!」

 「ううむ……そんなつもりはなかったんだけど……怖がらせたなら、ごめん」

 

 未来が思わず怒鳴ると緑羅はバツが悪そうに頬を掻く。

 その様子に心底呆れたように未来はため息を吐いてとりあえず中に入れようと緑羅に手を伸ばす。

 が、その瞬間、緑羅の姿にあの異形が重なり、びくりと手が震えて止まる。それと同時に突然の来訪によって忘れていた緑羅への恐怖や疑心があふれ出し、その手を引っ込めて緑羅を睨みつける。

 それを見た緑羅は小さく目を細めると静かにその場で腕を組んで柵に寄りかかる。

 

 「………怖い?俺の事が」

 

 その問いに未来は再びびくりと震え、怯えるように視線を向けてくるが、緑羅はさして気にしたそぶりもなく手を上げる。

 

 「別にそれに関しては思う所はない。むしろ普通の、至って正常な反応だと思うよ。誰だってあれは怖いよ。響だって怖がってたし」

 「響も………」

 「そ。悲鳴は上げなかったけど明らかに怖がってた。まあ、その後には普通に話しかけてきて……あれ、改めて考えると響あっという間に俺の姿に馴れていたような……?」

 

 思わず顎に手を当てて呟くその姿を見て、未来は困惑した表情を浮かべる。そこにいたのは自分たちを騙し続けてきた怪物の姿はなく、これまでと同じ優しくて少し抜けた友達の姿だった。

 だが、未来はすぐに表情を引き締める。彼はずっとそうやって来たのだ。だったらこれも……これも……

 

 「……ねえ、緑羅君。その五条緑羅って名前……偽名なの?」

 「え?」

 

 思わずと言うようにそう問いかけると緑羅はん?と首を傾げる。

 

 「二課の人から聞いたよ。緑羅君の戸籍とかそう言うのが一切分からないから、偽名の可能性があるって……」

 

 その言葉に緑羅はむ、と小さく声を漏らす。

 

 「ねえ、緑羅君……貴方はいったい誰なの?今まで私と響に見せてきたのは全部嘘だったの?あなたは……」

 

 未来が懇願するように、縋りつくような弱弱しい視線で問いかけてくる。やはり信じられなかった。彼の全てが嘘だったなんてことは。たとえ可能性だとしても、そんなことは考えたくなかった。この優しい少年を、未来は信じたかった。

 緑羅は少し困ったように目を細めながら息を吐くとポリポリと頬を掻き、

 

 「俺が何者か……か……考えたことはなかったな。陳腐かもしれないけど、俺は俺って感じだったから……生まれた時からずっとそうして生きてきたし……」

 

 そう言うも、未来は納得できないと言うように緑羅を睨みつける。

 

 「…………そうだね……少なくとも、俺は君たちに嘘を吐いた覚えはない。今まで話したことは全部、本当の事だよ」

 

 これは事実だ。確かに詳しい事は話せていないが、大まかな流れは間違っていない。それで彼女が納得できるかはしてくれるかは別だが、それでも嘘は言ってないと思う。

 そのことに未来は思わずほおを緩めるが、緑羅はただ、と言葉を続ける。

 

 「この五条緑羅って名前は……初めて会ったときに即興で考えたやつなんだ。前は……別の名前を使っていた」

 

 その言葉に未来はえ、と顔を引きつらせるが緑羅は慌てて口を開く。

 

 「待って待って、勘違いしないでほしい。別に偽りの名前を教えたわけじゃない。その……前の名前はさ、俺にとっては本当に特別な名前なんだ。それで、あの時の……いや、今の俺には名乗る資格があるとは思えなくて、それで……」

 

 あの時は誤魔化すために使ったが、今はそう思っている。今の自分にはあの名前を名乗る資格はあるとは思えない。

 

 「特別な名前って……?」

 「……父さんから受け継いだ名前」

 

 その言葉に未来は一瞬言葉を失い、少しするとそっか、と小さく呟く。

 

 「それに、こっちの名前も愛着はあるんだよ?母さんの名前からもらってるからね」

 

 記憶の中の母さんの呼び名から引っ張ってきたから間違っていないはずだ。

 

 「そう……なの?」

 「うん。前の名前も、今の名前も、俺にとっては大切なこの世に一つしかない名前なんだ。だから今の名前も俺の本当の名前なんだ」

 

 その言葉に未来は何とも言えない表情をする。偽名ではあるが、本当の名前。なんだかすごく複雑そうな気がする。だけど、その声色は決してうそを言ってるようには聞こえない。恐らく本当に彼にとって、今の名前は本当に彼にとって本物の名前なのだろう。

 でも、彼の話から考えると彼の両親は何やら訳ありのような気がする。

 

 「ねえ、緑羅君。緑羅君のご両親って……」

 

 言い切る前に緑羅が軽く手を上げて制する。

 

 「そこらへんは話すなら響も交えて話したいんだけど……いいかな?」

 

 その言葉に未来は目を見開き、一瞬目を伏せる。

 その様子に緑羅は首を傾げる。何やら響の名前が出た瞬間、雰囲気が変わったような気がする。

 

 「……響と何かあった?」

 

 その言葉に未来はピクリと肩を震わせる。

 そして未来はちらりと緑羅を見上げ、それからすぐに目を伏せる。それはまるで話したいけど、話したくない、そんな雰囲気が滲んでいる。

 緑羅はふうむ、と小さく声を漏らしてから顎を掻き、

 

 「………言いたくないなら言わなくていいよ」

 「……」

 「ただ……今の俺が言っても説得力ないかもしれないけどさ……何かあったなら相談してよ。信用ならないかもしれないけど……俺はあの時と変わらず、二人の味方だから……友達の力になりたいからさ」

 

 そう言いながら緑羅はぽん、と未来の頭を撫でる。

 その瞬間、未来は小さく声を漏らす。その優しい音と温もり、そしてぎこちないながらもかけられた言葉に未来は確信した。ああ、彼は彼だ。確かに異形だったのかもしれない。何か秘密を隠しているのかもしれない。だが、それでもあの時の優しさは、これまでの全ては本物だ。自分と響の大切な友達で、兄なのだ。未来の中の緑羅への疑心がすう、と軽くなっていく。

 だからこそ、未来は口を開いていた。自分の中の薄暗い気持ちをすべて吐き出すように。




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